野菜に使ってみよう
ところで、僕が今回の企画にあたって真っ先に思い浮かんだ用途。そのひとつが、なすに飾り包丁を入れることでした。揚げびたしや煮びたしを作るとき、味が染み込みやすいようにやりますよね。

結果、めっちゃ気持ちよく、かつ繊細な切り込みを入れられました。

わはは、こんなに細かく飾り包丁の入ったなす、見たことない。それだけでもう楽しい。

となれば、きゅうりの飾り切りなんかにも使えるんじゃないだろうか。
きゅうりの表面に細く縦に包丁を入れ、それを左右にずらして作る「松」の飾り切り。あれに挑戦してみましょう。

いざ、左右にえいっ、えいっ……

予想以上にだめだぁ〜。熟練の職人技、そう簡単に再現できるほど甘いものではありませんでした。



それでもせっかく切り込みを入れた4本ぶん、やってみたら少しずつだけは上達したので、練習すればもっと美しく作れるようになるかもしれません。が、よく考えたら、これを練習するならば、包丁でできるようになる練習をしたほうが、人生にとって意味が大きいと思います。

ちなみに、この失敗きゅうり、最終的にまとめてざっくりカットして、ドレッシングをかけて食べたら、味がよく染み込んで美味しかったです。

食材によって向き不向きがある
次に思い浮かんだのが、タコさんウインナー。たまに娘に弁当を作る際に入れたりするんですが、先ほども言ったとおり僕は不器用なので、いつもは基本、十字に切り込みを入れるだけの足4本バージョン。

あらためて、今まで向き合わないようにしていた現実と思いきって向き合うとこれ、タコさんじゃないんですよね。
そこで、これまでの人生で足りなかったぶんの足を今日、白髪ねぎカッターで一気に取り戻してやろうと。縦横に1回ずつ切り込みを入れたら、8本を通り越して30本足くらいのウインナーができるのでは!?

これまた木綿豆腐に続き、思ったように気持ちよく切れてくれません。食材によって、身の詰まり具合とか、刃の入りやすさとか、けっこう違いがあるようですね。

ただ、これをさらに90度回して刃を入れるのはとても無理そうです。

あ、ただですね、ウインナーに細か〜く斜めに切り込みを入れるカルチャー、あるじゃないですか。あれにはばっちりでした。

というわけで、今回焼いてみて、なかでもぎりぎり見られる結果になったかな、というのは、以下の3つくらい。

その他失敗軍団のほうが、断然多くなってしまったのですが。

ところで、今回あれこれ試してみたなかで、ダントツで気持ちよかった食材があります。それが、こんにゃく。
おでんや煮ものに入れる際、表面に格子状に隠し包丁を入れること、ありますよね。あの作業がもう、スイスイスイーっと縦横無尽にできて、快感レベル。


今回はにんにくバター醤油味のステーキにしてみたのですが、これが新感覚の美味しさ! 表面に味がよ〜く染み込むのはもちろん、舌に当たる感覚や、噛んだときの食感が、こんにゃくの常識を覆すほどに複雑で楽しく、もう新しい料理と言ってもいいんじゃないかというほど。
今後、こんにゃくの購入頻度がだいぶ上がってしまいそうです。