三種のパスタを食べ比べる
そもそも冷凍は、弁当売り場のよりも値段が安く、レンジでのあたため時間と保存期間が長い。一方弁当売り場のパスタの場合は冷凍よりも値段が高く、あたため時間と保存期間が短い。
そのため急ぎの場合は弁当売り場のを、そうでない場合は冷凍を選ばれがちである。しかし、急ぎでない場合は別にどっちを食べたってかまわない訳で、だったらどう違うのか明確に切り分けておこうと思ったのである。
ということで今回は、コンビニパスタの王道ともいえるナポリタン、ミートソース、ペペロンチーノの三種類を食べ比べてみる。
ナポリタン
昭和生まれの者にとって、パスタといえばナポリタンである。
というかここまでパスタなどと書いてきたが、昭和生まれに言わせれば、パスタではなくスパゲッティーである。
さて、そのスパゲッティー・オブ・スパゲッティーであるところのナポリタンから行ってみよう。
まずは、冷凍から行ってみる。
口に入れた瞬間に懐かしさがくる。まるで熱い鉄板に乗っている喫茶店のナポリタンだ。そばにある少年ジャンプを開けてみればジョージ秋山の海人ゴンズイが載っているような錯覚をおぼえる。
その後に甘さがやってきて、そして具が大きく噛み応えがある。
これをデイリーポータルZ名物、味グラフにするとこうなる。
つづいて弁当売り場のナポリタンをいただく。
さて、自分のなかでの違いはどうなのか?
静かなオープニングだが、具が焼いてあるのか香ばしさがジワジワと盛り上がってくる。その後に甘酸っぱさで一杯になって、最後はチーズとタバスコ感できっちり締める。歌で言ったらささやきから始まって絶叫で締める、松崎しげるの愛のメモリーである。
二つを比べてみるとこうなる。
ということで切り分けとしては、ノスタルジーの冷凍、褐色の弁当売り場のパスタという結果となった。
ミートソース
つづいては、我々ソフト麺世代が泣いて喜ぶミートソースである。昭和生まれよ、泣きなさい、喜びなさい。
まずは、冷凍から行く。
口に入れた瞬間に甘みが来て、つづいてトマトソースの酸味と入れ替わり、最後に昔ながら感と交代する。歌で言えばニッキ、カッチャン、ヒガシが指を鳴らしながら目まぐるしく入れ替わる少年隊の君だけにのようである。
今度は弁当売り場のを食べてみよう。
食べ比べたことでわかる、冷凍とは異なる明らかなデミグラスソースみ。その後にソースに練り込まれているのかチーズの味がくる。デミグラスソース、チーズ、ひき肉で、いつの間にかそれまでなかったハンバーグの味が現れる。ニューウェーブだ。
これは、おニャン子クラブに、いつの間にかおニャン子B組が現れたのに似ている。
二つを比べてみるとこうなる。
ということで切り分けとしては、往年の男性アイドルグループの冷凍、往年の女性アイドルグループの弁当売り場のパスタという結果となった。