特集 2025年12月3日

世界のキーボード入力事情調査~タイ語編~

タイ語のキーボードを予想する

さて、勉強は終わった。ここからはタイ語のキーボードを予想しよう。

子音文字が42種、母音記号が19種、声調符号が4種で、合わせて65種類の字をキーボードで入力する必要がある。どうしよう……。冒頭で「人類が話せる/聞ける発音は高々数十種類」と高をくくっていたが、思ったより多い。

私の予想はこうだ。

【タイ語のキーボード入力事情】予想
・42種の子音文字は、1キーあたり2文字の割り当てで計21個のキーを用いる。同一キー内の2文字の区別は、Shiftキーの有無で行う 
・19種類の母音記号は、1キーあたり2~5文字の割り当てで計5個のキーを用いる。同一キー内の母音記号の区別は、Shiftキーの有無や連続押下回数で行う
声調符号用のキーが1個だけあり、1回押すごとに符号が変わり、最大4回連続で押す。キーは日本語キーボードの「変換」の位置にあるものを利用する

 一般的なキーボードは26個のアルファベットキー12個の記号キー10個の数字キーとその他何個かの特殊キーからなる。日本語のかな入力では記号キーや数字キーにも平仮名を割り当てているが、そのせいで記号や数字の入力の際に入力方式の切り替えが発生するため少々不便だし、キー割り当てが多く学習コストも高い。結局日本ではローマ字入力が普及している。

タイ語のキーボードでもきっと「記号キーと数字キーにタイ文字の割り当てはしたくない」という思惑があったはずだ。そこで、先ほどのようなアルファベットキー26個と特殊キー1個だけを利用したレイアウトを予想した。

なお、子音文字に対する「1キーあたり2文字の割り当て」だが、これには理由がある。子音文字には形が似ていてペアにしたくなるようなものが多い。こういうペアを1つのキーに割り当てているのではないだろうか。

似た文字のペア。

同様に、母音記号は形が似ているもの同士をグルーピングし、1つのキーに割り当てることで、計5個のキー割り当てで済むと予想。

同じ色の母音記号は同じキーに割り当たると予想。

正直、我ながらかなりスマートだと思う。65種類の字をうまく収めることができた。似た形の文字が同じキーに割り当たっているので学習コストも小さい。もはやこれ以外考えられない。

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タイ語のキーボードが届いた

アマゾンでタイ語のキーボードを注文し、その日のうちに届いた。 

スペースキー長っ。(スペースキーの文字はブランド名なので気にしないでほしい。)

じっくり見てみる。

これは面白いぞ……。

まず、予想はかなり間違っていた。

数字キーも記号キーもフル活用し、1キーに2字ずつ割り当てている。

 キーボードを見るまで知らなかったのだが、タイ語の文字体系にはタイ数字という数字もあるのだった。これにより、子音文字が42種、母音記号が19種、声調符号が4種、数字が10種で、合わせて75種類の字を表現する必要がある。

そして上記画像を見るとわかる通り、数字キーも記号キーもフル活用し、1キーに2文字ずつ割り当てている。キーは46個あるため、最大92文字まで対応できる計算だ。なんというパワープレイ。声調記号用のキーを4回も連打するなどみみっちいことはしない。キーのぜいたく使いだ。

答え合わせの結果はこうなる。

【タイ語のキーボード入力事情】予想結果
・42種の子音文字は、1キーあたり2文字の割り当てで計21個のキーを用いる。同一キー内の2文字の区別は、Shiftキーの有無で行う 
→結果:〇
1キーあたり2文字の割り当て。 (実際には子音文字とそれ以外が混在するキーもあるため「計21個のキー」ではないが、おまけで〇)
・19種類の母音記号は、1キーあたり2~5個の割り当てで計5個のキーを用いる。同一キー内の母音記号の区別は、Shiftキーの有無や連続押下回数で行う
→結果:×
1キーあたり2文字の割り当て。
・声調符号用のキーが1個だけあり、1回押すごとに符号が変わり、最大4回連続で押す。キーは日本語キーボードの「変換」の位置にあるものを利用する
→結果:×
1キーあたり2文字の割り当て。

タイ語のキーボードには「記号キーと数字キーにタイ文字の割り当てはしたくない」という思惑はなかったようだ。 

数字や記号を入力したい場合は、おそらくこのキーで入力方式を切り替えるのだろう。TはThaiのT。EはEnglishのEだと思う。タイ英切り替えキーである。

たしかに、母音や声調記号のために同じキーを何度も連打するのは打鍵効率が悪い。素直に46個のキーすべてに2文字ずつ割り当てたほうが効率がいい。覚えるのは大変そうだが……。

英数字とタイ数字がずれているのがちょっと気持ち悪い。どうにかできたはず……。
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タイ語のキーボードを使ってみる

ここからは、タイ語のキーボードを使って実際に入力してみたい。

025.jpg
前回調査時のアラビア語も残っている。我が家のPCがどんどんグローバル人材になっていく。

入力するのは ขอบคุณครับ (コープ クン クラップ)。男性の「ありがとう」だ。

026.gif
何の問題も無く入力できた。

何の問題も無く入力できたが、これは10倍速でお見せしており、実際には入力に1分以上かかっている。大量のキーから目当ての文字を見つけ出すのに時間がかかる。

しかし仕組みは単純で、とにかく子音文字なり母音記号なり声調符号なり、目当てのものを順に見つけて押せばよい。キーの右上に書かれているものはSHIFTキーを押しながら入力すればよい。これまでに調査した言語だと韓国語に似ている。

活字を拾うように順に押していくだけ。子音文字の上下に母音記号や声調符号が付く場合は先に子音文字を入力する。

変換がないぶん、慣れたら早いんだろうなぁ。とにかくひたすら押していくだけだ。これは競技性がありそう。今度みんなでタイ語キーボード早打ち大会をやりたい。練習時間1時間とかで。

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