特集 2020年10月6日

街で発見! ゲームっぽい風景

真ん中の象みたいなのがボスです

長年ゲームをやっていると、いろんなゲームに共通して登場する「あるある」なシチュエーションを目にすることが多い。たとえばRPGの場合だと、「すぐそこに見えてるけど、ストーリーが進んだり、アイテムを手に入れたりしないと入れない場所」などだ。

それらはあくまでゲームの中の話であって、現実にはそんな状況は発生しない……と思っていた。でも街をよくよく観察すると、「これ、ゲームで見たやつだ!」という風景が結構あったのだ。

これはそんな「ゲームっぽい風景」を眺めながら、「お、たしかにゲームっぽい!」と思うだけの記事である。

1983年徳島県生まれ。大阪在住。エアコン配管観察家、特殊コレクタ。日常的すぎて誰も気にしないようなコトについて考えたり、誰も目を向けないようなモノを集めたりします。(動画インタビュー)

前の記事:日焼けしたポスターみたいな写真を撮る

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ゲームっぽい風景とは

テレビゲームの世界では、現実にはない光景が繰り広げられることが多い。それなのに、どこかで見たことのあるシチュエーションもしばしば登場する。ゲームの中でしか見られないのに、みんな知っている、いわばゲーム内の共通言語みたいなものだ。

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主人公が真ん中に立つと、それぞれの動物から光が出てきてパワーを授けられるシーン

たとえばこのシーン。具体的に何のゲームに出てきたか? と言われるとよく思い出せないのだけど、ゲームをやる人なら「真ん中に立ったら謎の光が出てくるな」と何となく想像できるだろう。

現実には起こりえないのに、なんとなく起こるような気がしてしまう。リアルとバーチャルが脳内で融合することにより、ただの何気ない風景が急に色づいて見える。これは脳内VRと言えるんじゃないだろうか。

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ストーリーが進まないと、その先には行けないシーン。見えているのに入れない状況がもどかしい。「パイロン消しマシン」の入手が待たれる

主人公の行く手をさえぎる、お邪魔オブジェクト。それはトゲ状のものであったり、デカいキャラクターが道を塞いでいるパターンもある。行き先が見えているのに、現時点では先に進めない。RPGでは頻繁に登場するシチュエーションである。

それが現実世界に姿をあらわすとどうなるか。こうなるのだ。「なんだ、ただパイロンで通行止めにしてるだけじゃないか」という見方もあろう。でも物事を楽しむには、視点の変換が必要なのだ。どうせ同じ風景を見るんだったら、面白い見方をした方が楽しめるじゃないですか。

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イベントをクリアした結果ポールが動き、先に進めるようになった!

ポールが「ズズズ……」っと音をたてながら奥に動いた光景が目に浮かんでくる。こういう風景を見ると、「あ、これゲームで見たやつだ!」と、思わず進研ゼミみたいな台詞を口にしてしまう。気にして見てみると、日常には意外とそういう瞬間がある。

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似たようなシチュエーションで、炎系のアイテムや魔法を入手しないと先に進めない場所もあった

さて、このような風景こそが「ゲームっぽい風景」と呼んでいるものの正体だ。まだまだあるので、どんどん紹介していきたい。

日常にある仕掛け

ゲームには、仕掛けがたくさん登場する。もちろん街には本当に動く仕掛けなんてないけれど、動作する様子を脳内で想像しながら見ると楽しい。楽しいとうれしい。良いことだ。

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スイッチの上に石を置くことで、スイッチを押しっぱなしにできる仕掛け。そうそう、これがないと扉が自動で閉まっちゃうんだよな
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あからさまに一箇所だけ怪しいレンガある。ここ押したら何か起こるはずだ。あるいは罠かも知れない。地面に穴が空いて、下に落ちることになりそうな気がする
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いかにも扉が出現しそうな怪しい壁。おそらくイベントをクリアすると開くタイプなので、現時点では「あそこに怪しい壁があった」ということだけ覚えておこう
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時間切れになると、階段が斜面になって下に滑り落ちるやつ。こういったゲーム内の坂は、大抵ものすごく摩擦係数が低い
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世界に散らばる「アルゴン」「アセチレン」などの重要アイテムを手に入れ、この模様にピタッとはめ込むことで新たな道が開ける
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この場所に車を持ってくると仕掛けが作動して、真ん中の鉢植えがアイテムに変わる
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監視に見つからないよう木に隠れながら移動し、お宝アイテムをゲットするミッション。何度もやり直しになるのでイライラする場面だ
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明らかにひとつだけ、パイロンに擬態した何者かが混じっている。「調べる」コマンドを押すと敵が正体をあらわし、戦闘に突入するに違いない

少しトリッキーな仕掛け

協力プレイが必要な仕掛けもある。休日に友だちの家に集まって、クーラーの効いた部屋で麦茶を飲みながらワイワイ楽しみたいシチュエーションである。

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赤・緑・赤・赤……みたいに指示が出るので、それに合わせて二人同時にタイミングよくボタンを押すのだ。失敗すると「ブブー」という音が鳴って最初からやり直しになる
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こちらは二人プレイ用の蛇口。息を合わせて蛇口をひねる必要がある。……どういう状況なのか、自分で言っててよく分からないけれど
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ちなみに水はこのように出る

爆弾が使えるのもゲームの醍醐味だ。よく考えて欲しい、現実に爆弾なんて使ったら大変なことになる。ボンバーマンはかわいい顔をした超危険人物である。

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こういうちょっとした支えは、爆弾で破壊するに限る(※ゲームの話である)
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序盤では入れないが、爆弾入手後に入れるようになる隠し通路。それと分かるようにステップを配置してくれているのは、ゲームデザイナーのやさしさである
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いかにも爆破して欲しそうな顔をしている。あるいはすでに誰かが破壊し、そのあと善意で修理された跡かもしれない

プレイヤーは爆弾で破壊を続けるが、画面に映らないところでそれを直している人もいる、ということを覚えておいて欲しい。

「目」っぽいものを見ると、矢を射りたくなるのも定番の行動である。文字で書くと、かなり酷い行動に思えてしまうが。

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美容院のぐるぐる看板は、いつも矢で射って欲しそうにこちらを見ている
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遠くから散発的に弾を飛ばして来そうなのが、通気口。矢で狙いを定めて一体ずつ撃破していく。室外機も明らかに弱点は「目」の部分である

愛すべきキャラクター

ゲームにはたくさんのキャラクターが登場する。そして日常には、ゲームのキャラクターっぽい風景がその辺で待ち構えている。偶然エンカウントしたキャラクターたちを紹介したい。

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急に出てきて助言いうやつ。主人公の行く先々であらわれ、適切なアドバイスをしたらすぐ去って行くキャラクターである。だいたい高いところに乗っている
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ひょうきんなサブキャラにはファンが付くことが多い。これはデブキャラとノッポキャラという黄金の組み合わせ。ガチャピンとムックみたいでもあるが
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ボスキャラ。薄暗くて、太い柱のある広間の奥に鎮座している。雰囲気のある重厚な場所にいることが多くて息が詰まりそうなので、たまにはハンモックで横になって休んでいるボスも見てみたい
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従者を連れたボスキャラ。空を飛びながら魔法を使ってきそうな雰囲気である。左右の従者を残した状態で倒しても回復されるため、先に従者の方から倒す必要がある
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ボスは小柄で、左右にいる従者の方がデカいというパターンもよく見る気がする
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パイロンが8体集まって合体すると生まれるキングパイロンだ!

ゲーム内の風景っぽい日常風景

ゲームの舞台はさまざまだ。現実の都市をそのまま再現したゲームもあるけれど、ここで注目したいのは、もちろんそれ以外のもの。USJに行かなくても、その辺を探すとゲーム内の風景っぽい日常風景を見ることができる。肝心なのは少しの想像力と、信じる心、あとは気の持ちようである。

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上るとき「ダッダッダッ」という音がしそうな、昔のRPGっぽい雰囲気の階段。よく見ると「犬に注意」という貼り紙がある。こんな薄暗い階段から犬が出てくるって、どんなバイオハザードだ
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こちらも同様にゲームっぽさがある。それにしてもいい階段だな、これ
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主人公たちからは見えている(そして中には重要アイテムがあると分かっている)のに入れない部屋、というのは、実際にはこんな感じかもしれない。アイテムだけがポツンと置かれている不自然さもそれっぽい
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RPGでは、武器屋、防具屋などという専門店が独立して建っていることが多い。それを具現化したのがこの店である。パジャマとタオルしか売ってない微妙な品揃えもゲーム的
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これがスーパーマリオのステージに見えてしまった。でかいキノコが下から生えていて、ジャンプしながら進むステージ。誰も意図していないのに、偶然こんな風景ができあがってしまうのが日常の面白いところ
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垂直にたれる鎖があると、それはイコール、鎖を伝って上に行けるぞという合図である
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これは歩くだけで傷を負うダメージ床を現実に再現したもの。おそらく猫よけだと思うけれど、猫にとっては本当のダメージ床になりそうで怖い
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こういう思わせぶりな場所では、植木鉢を持ち上げるとアイテムか隠し穴が見つかるに決まっている
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道を歩いてると宝箱が見つかる、なんてシチュエーションは絶対ないだろう……と思っていたらあった。これを見てしまうと、道ばたの宝箱を勝手に開けるのがどんなに勇気ある(狂気の?)行動かが分かる

まだまだあるぞ、ゲームっぽい風景

ここからはラストスパートである。

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倉庫番みたいなパズルゲームを想像してみて欲しい。ポストを押して移動させるのだが、間違って壁際まで押してしまってそれ以上移動できなくなった詰みの場面、それがこれだ
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クルッ!クルッ!と点字タイルを回転させて模様を合わせるパズルゲーム。しかし人によっては発狂しそうな(そしてあまりよろしくない)風景である
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塊を転がし、いろんなモノを巻き込んで大きくしていく『塊魂』を彷彿とさせる物体。バグった3Dオブジェクトみたいなオレンジのカゴが、それっぽさを助長している
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こちらも『塊魂』案件だか、融合の仕方が不気味である。夜に出会いたくない
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現実にはないけれど、ゲームではよく出てくる現象こと石化。俺に構わず先に行け! というパイロンの心の声が聞こえた気がした
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最後は『ストリートファイターII』のボーナスステージ(車をボコボコに殴って破壊するやつ)で締めよう

街を歩いていてゲームっぽい風景を発見したときに何を思うか。「まるで自分がゲームの主人公になったみたい!」なんてことは全然なくて、「お、ゲームっぽいな」と思うだけである。

ただそれと同時に発見の喜びというか、世界に散らばる風景の欠片を見つけることができた満足感みたいなものが得られる。そういう意味では、こういった写真を撮る行為そのものがゲーム的なのかもしれない。


それ自体がゲームみたいな風景

街では、たまにドラマチックな無機物を目にすることがある。

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あ、やばい、これは物語だ

ゲームっぽい風景とはちょっと違う気がするので紹介しなかったが、サウンドノベルゲームの一コマとして見ると、あるいはゲームっぽさがあるかもしれない。

それにしても、なんでペットボトルがこんなことになっているのだろう。本文の写真についても、あえて「そうなっている原因」は追及しなかったのだけれど、つくづく世の中には不思議な風景が多いことよ。

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