特集 2020年5月10日

おとなの「さんすうセット」活用術【デジタルリマスター版】

小学校時代のあるあるネタを話し合っていると、たいてい誰かの口から飛び出してくる「さんすうセット」の話題。

おそらく実際に授業で使っていたのはホントに低学年の一時期だけだと思うんですが、それでもこれだけ強烈なインパクトを残している「さんすうセット」。おとなになった今、再び使ってみたいと思うのです。

2011年6月に掲載された記事の写真と画像を大きくして再掲載しました。

1975年群馬生まれ。ライター&イラストレーター。
犯罪者からアイドルちゃんまで興味の幅は広範囲。仕事のジャンルも幅が広過ぎて、他人に何の仕事をしている人なのか説明するのが非常に苦痛です。変なスポット、変なおっちゃんなど、どーしてこんなことに……というようなものに関する記事をよく書きます。(動画インタビュー)

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算数の授業で唯一の楽しい思い出

この前の記事でもちょろっと書きましたが、ボクはとにかく算数、数学といったたぐいの教科がダメで、小学生の頃は算数の授業のたびにイヤ過ぎてゲロ吐きそうになっていました。

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今後の人生で使うことはないと思うから別にいいんだ

もちろんホントに教室でゲロを吐いた日にゃあ、残りの学生生活「あだ名・ゲロ」で過ごさなきゃならなくなること必至。

そこで編み出した算数の授業をNOゲロやり過ごすライフハックが「心を宇宙に飛ばす」もしくは「黒板を透明にして隣のクラスをのぞく」……いや、頭おかしくなったわけじゃないですよ。そうやって自分の脳内で遊んでたってことね。

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精神を宇宙レベルまで飛ばしてしまえば、かけ算九九とかで悩まなくて済むというライフハック

そんな算数の授業で、唯一楽しい思い出として残っているのが「さんすうセット」。

コレ、全国的に使われていたものなのかどうか分かりませんが、おはじきや時計の模型など、数字に関する勉強をするためのアイテムが詰め込まれたユカイなセットなのです。

勉強道具というよりも全体的におもちゃ感がただよっていて、学校でもらえるグッズの中ではかなり楽しい部類だったと記憶しています。

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ただ、この「さんすうセット」。算数の授業で使っていたのは間違いないんでしょうが、実際にどういう風に使っていたのかは全然思い出せません。

ぼんやりと楽しかった記憶だけ残っている「さんすうセット」、大人になった今、再び使ってみたいのですが……。

 

こんなんだったよ、さんすうセットって

というわけで、さっそく買ってきました「さんすうセット」!

手に取ると予想以上にズッシリとした重み。小学生が持ち歩くにはかなりヘビーな感じです。

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「学校教材.com」っていうサイトで購入しました。色んなドットコムがあるもんですね


この手の学校教材って、どこで買ったらいいのか、そもそも小売りしているのかどうかすら分からなかったのですが、ネットで検索したら通販をソッコー発見。

いやあ、インターネットって本当に便利なものですね。

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肝心の中身はこんな感じ。子供が大喜びしそうなカラフルさ


さっそく開封してみると……ああー、こんなだった!

ボクが小学生の時に使っていたものよりは多少近代化されているんでしょうけど、基本ラインはだいたい同じ感じ。懐かしさがこみ上げてきます。

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はいはい、覚えてますよーおはじき!

まずは、ミスターさんすうセット・おはじき!(自分で書いておきながら意味はよく分からない)。さんすうセットといえば、この形のおはじきを思い浮かべる人は多いんじゃないでしょうか。

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真ん中に小さな磁石がついてるマグネット型と、ついていないプレーン型の二種類があります


しかし普通おはじきといったら、丸くて平べったいガラス製のアレじゃないですか。

こんな桜型をしたおはじきって、さんすうセットの中でしか見たことないですよね。どういう理由でこんな形になったんでしょ。

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おはじき自体もそうですが、「磁石」というのも子供にとっては非常に魅力的なアイテムです。

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う、浮いてる!天狗様の仕業だべか!?


磁極を反対にしたマグネット型おはじきをケースに入れて、「浮かんでる?!フッシギー、フッシギー!」みたいなことをよくやっていました。

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コレも見覚えがある、変なところに穴の空いたプラスチック製の棒「かぞえぼう」。

「かぞえぼう」っていうだけに、いっぽん、にほん……と数を数えるための棒なんだと思いますが、

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どっちかというと、こんな感じで組み合わせて変な形を作って遊んでいた記憶の方が強いです。

……そもそもどうして組み合わせられるような形にしたのか?子供が遊んじゃうじゃない!

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棒を数えていくにしても、あまり多くなりすぎるとわけ分からなくなっちゃうよねー……ということで、おおざっぱに「10」って書かれた紙も入っていました。

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さらにおおざっぱに「100」の紙も……Oh! ザッパ。

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こちらは時計ですね。

時を刻む的な機能はまったくない、時計としては非常に役立たずなものなのですが、

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右上の歯車をグルグル回すと、長針と短針が回るという……まあ、時計で時間を読む勉強をするためのアイテムなんでしょう。

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そういえば、こんなのも入ってました。お金セット!

子供に銭勘定を教え込もうという教材です。

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おもちゃのお札ってのはよくありますが、各小銭が揃っているというのが嬉しい


教材なので、実際のお金にそこそこ似ているように作ろうとしてるんでしょうけど……。

この、微妙にがんばってるような、がんばれてないような造形が非常に味わい深いです。

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なんだかんだいって、さんすうセットのお札が人生ではじめて触ったお札だったのではないかと思います……妙にドキドキした記憶が


1000円札の肖像画になっているこのおっさん。ヒゲという点に注目すれば野口英世にも見えなくないですが、エリの形などから察するに、夏目漱石なんだろうなぁ。

新札が発行されてからもう随分経つんだから、そろそろリニューアルしましょうよ。

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夏目漱石を左右から取り囲むペンギン。シュール

そして、裏面のこのペンギンはなんだ!?と思ったら、そういえば夏目漱石の頃の1000円札の裏面って向かい合った鶴でしたね。それをパロッてペンギンってことか。

元ネタが古くなっちゃって、パロディしてるのかどうか分からなくなっちゃってるパターンですね。

 

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盛りだくさん過ぎだぞ、さんすうセット

さてさて、さんすうセットの中身はまだまだありますよ。

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図形の勉強につかうのかな? 色んな形をした板
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裏面に磁石がついています

  

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数字が書かれたカード
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 サイコロなんかも入っています

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「たしざん」「ひきざん」などと書かれたカード。なんだろ、コレ?

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ああー、暗記カードの要領で表に問題、裏に答えが書いてあるのね。計算問題を暗記カードにするという発想は斬新!

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巨大なビンゴカードのようにも見えます


さらに、1~120までの数字が羅列された「かずのひょう」。

単純に、数字を覚えましょうね的なものなんでしょうか。

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さらに分からないのが「かくされた かずを いいましょう。」と書かれた紙。……なんじゃこりゃ!?

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そうか、こういうことか。

基本的に先生の指導のもとで使われることを想定しているため、説明書とかは一切ついてないんですよ。なので、ボクのように学校に行ってないおっさんが買うとカンで使うしかないんですよね。

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右上に書かれたパンダがすごく気になります


こちらは金属製の「おはじきばん」。

マグネット型のおはじきをくっつけて使うんでしょうね。コレはまあ理解できるんですが……。

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裏にある「おはなしばん」って何!?

普通に考えると、マグネットのついた人形とかをここに貼り付けておはなしを考えましょう……的なことなんだと思いますが、そんな人形らしきものは付属していません。

ものすごくイマジネーションを働かせ、おはじき&四角や三角から『カラマーゾフの兄弟』を想像してみましょう、とかなのかな?

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「すごろく」なんかもついています。おはじきあたりをコマにして、サイコロを振ってあそぶって感じでしょうか。

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さらに、フタの裏面にはおはじき用の的が。もはや算数も数字もまったく関係ないですよね……。

でも、こういう遊び要素の強さが子供の心をグイグイつかんでいたんでしょう。

お父さん、お母さんありがとう

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箱の奥からこんなものを発見しました。

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「名前シール」……?

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そうか、コレが例の……。

「さんすうセットのおはじきに名前を書くのが大変だった」というのが、小学生の子を持つ親のあるあるネタになってるみたいなんですが、確かにコレは大変だ!

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いやあー持ち物に名前書くなんて久しぶりだなぁ。iPhoneとかに名前書いたりしないもんな、などと思いながら黙々と記入
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さすがにめんどくさくなってきたので、下の名前だけに
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こんだけ書いているとゲシュタルト崩壊を起こし、自分の名前なのに変な気分に。なんだよ「チ」に点々がついた名前って……

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……というわけで、書きまくったオノレの名前199個! もうアイドルにでもなってサイン会とかしない限り、こんなに名前を書くことなんて一生ないですよ。

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シールを一個一個に貼り付けていく作業もホント大変

 

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ちょっとした内職ですよ、コレ
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かぞえ棒の数がとにかく多くて泣きそうになります

……とまあ、そんな感じで、なんとか全てのアイテムに名前を記入することができました。

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ここまでがんばってきたわけですが、現段階ではただ単に名前を書いただけですからね……。

次のページでは、どこで紛失しても大丈夫仕様になった(?)さんすうセットを活用していきたいと思います。

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こんなんだったよ、さんすうセットって

さて、ここからはいよいよさんすうセットを使っていきたいのですが、別に今さら数字とか勉強しても仕方がないじゃないですか。

そこでなんとか、おとなならではの仕事で使えないものかと考えてみました。

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たとえば、この「かぞえ棒」を組み合わせて……、

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プレゼン用のグラフを作成してみたり……ううーん。

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今夜はイエス!
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ノー!

もしくは、「イエス・ノーまくら」の代わりとして使用するなんてことも……。

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そ、それでは、おとなのプライベートで活用できないか考えてみましょう。

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最近、取材にかこつけて酒飲んでるケースが多いような気がします

たとえば、居酒屋に飲みに来た時。

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延々と飲んでいるとバカ酔いしてしまうし、明日も仕事があるので、今から飲みはじめて2時間くらいで帰りたいな……ということがありますよね。

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そんな時にはこの時計の出番です!

今、21時5分だとすると2時間後は……。

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歯車をグリグリーっと回して……23時5分! よし、そのくらいで切り上げるとしましょう。

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で、この時計をかたわらに置いておけば「23時5分に帰るぞ!」という決意を忘れることなく飲むことができるわけです。(もちろんアラーム機能とかはありませんよ)

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さて、こちらの「おはじきばん」もなかなか使いでのある一品です。

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お酒を飲むのは楽しいので、ついつい飲み過ぎてしまうことがありますよね。

そんな時も「おはじきばん」があれば大丈夫!

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ドリンクを注文するたびに、おはじきを貼り付けていけば「もうちょっと飲んでもいいかな?」「飲み過ぎかなー……」などが一目瞭然!

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黄色はビール、赤はウーロンハイ、などと決めておけば「ビールビールウーロンハイビールビールと来てるから、次はウーロンハイにしようかな?」とバランスよく飲むことも出来るわけです。

そしてお酒を飲む上で怖いのが、酔っぱらって判断力が失われてしまうこと。泥酔してクルクルパーみたいな状態になると、とんでもない失敗をしてしまいがちです。

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そんな時はコレ! 計算問題が解けるかどうかで、自分の冷静レベルを判断していきましょう。

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まあ、この計算問題が解けなくなったら、本格的にヤバイ水域に突入していると思いますが……。

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さあ、楽しい飲み会もお開き。会計の時間がやってきました。そんな時に……、

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「お金セット」で支払えたら、ものすごく嬉しいんですけどね。コレ持っていったらぶん殴られるだろうな……名前書いてあるし。


また変な荷物が増えてしまいました

イキオイで買って、ちょこっと遊んで楽しかったものの、どう考えても記事を書いた後に使わないことになるであろう「さんすうセット」。

2880円もしたのでもったいないのと、邪魔になっても捨てづらいのとで、どうにか今後も活用する方法はないか……ということで、おとなの活用術を考えてみましたが、まあ……使わないだろうなぁ。

二年前に書いた「農具ですき焼きを」という記事のために買った、鎌やら鋤やら鍬やらも未だに部屋に転がってて、ものすごく邪魔になってますからね……どうすりゃええんや、コレ。

 

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