特集 2025年8月22日

6日間だけ日本史上最高気温の地だった兵庫県の柏原ってどんな町?

織田家と柏原の関係は?

さて、もう一つの謎。織田家について。

これは、歴史民俗資料館の方を見学してわかったのだが、江戸時代の柏原は、柏原藩という藩で織田信長の子孫である織田家が治めていた……ということらしい。

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歴史民俗資料館の真向かいにある柏原藩陣屋跡

柏原藩の織田家は、前期と後期にわかれている。
前期は信長の弟だった織田信包(のぶかね)が1598年に藩主に就任。それから三代続くものの、三代目の織田信勝には跡継ぎがおらず、いわゆる無嗣改易(むしかいえき・跡継ぎがいない場合はお家お取り潰しという決まり)で1650年に廃藩となっている。

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織田信包と浅井三姉妹の江姫の激シブ顔ハメ看板。信包は初代藩主だが、江姫は信包の元に身を寄せていたことがある……というつながりでこれらしい

ところがその後1695年に、今度は信長の次男、織田信雄(のぶかつ・のぶお)の子孫である織田信休(のぶやす)が、大和松山藩(奈良県宇陀市)から転封されて柏原藩主に就任した。信休からはそのまま幕末まで織田家が柏原藩主として続き、明治維新を迎えた。

柏原藩は2万石ほどの小さい藩だったので、天守閣のあるような城はなく「陣屋」という館のような居館しか持たなかった。現在残っている陣屋の建物は、1820年に再建されたものの一部だ。

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柏原藩の陣屋跡
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歴史資料館の入館料を支払えば、陣屋の中を見学できる。が、人感センサーで灯りがつくとは言え、真っ暗すぎてお化け屋敷感がすごかった

駅から歴史民俗資料館までの町並みは、小さいながらも、古い城下町(といっても、城ではなく陣屋だが)の雰囲気が確かにあった。そして、陣屋跡近くに、今でも県や国税局、法務局などの出先機関が集中しているのも、そういった理由からだと思われる。

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城下町の武家屋敷だったエリアのドラレコ画像

柏原は廃藩置県のさい、藩がそのまま県となっていたごく短い期間に柏原県となったが、その後、豊岡県に編入され1876年の府県統合で兵庫県になった。

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木の根橋ってどういう意味? 

続いて、木なのか根なのか橋なのかよくわからない木の根橋に行ってみた。

木の根橋は柏原の陣屋があった中心部から少し離れたところにある。 

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木の根橋これです

 木の根橋、これはこの木の根元をみたらすぐに意味がわかった。

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川をまたぐように根っこが横たわる

大きなけやきの木だが、奇形した根っこが川をまたいでいる。こりゃ確かに「木の根の橋だわー」となる。

案内板によると、この木は樹齢は1000年ほどあるらしく、昔から柏原のシンボルとして親しまれてきた。

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木の幹が大きく変形しているので、一部を鉄骨で支えてある
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少しだけ間に合った「暑さ日本一」ののぼり

この木の根橋のすぐ横にある観光案内所に、暑さ日本一をピーアールするのぼりが立っていた。 

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「ようこそ! 日本一ホットする町 丹波市柏原町へ」の、のぼり

まさか6日で伊勢崎に抜かれるとは思わなかったとはいえ、ちょっと気の毒な気がする。

もちろん、発注してから出来上がるまで時間がかかっただろうから、場合によっては記録を抜かれてから掲げている可能性もある。

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かいばら観光案内所

のぼりについて観光案内所のおじさんに話を聞いてみた。

――表の最高気温日本一ののぼりは7月30日に記録してすぐ発注したんですか?

おじさん「あぁ、あれはね、すぐ発注して8月3日にはきたんだよ」

――あ、じゃあちょっと間に合いましたね。よかった。

おじさん「木の根橋の写真は、7月30日のその日の写真でね。上のオレンジ色は秋の紅葉や大納言小豆の色も表してんだよ」

――凝ってますね。

おじさん「のぼりはね、もう日本一の記録は抜かれちゃったから、取り外せっていう人もいるかもしれないけど、この道を通学路にしてる子供たちに、柏原が日本一になったことがあるんだっていうアピールのためにね、このまま出しておくつもり」

――まあ、日本一になったことがあるんだから、間違いではないですよね。

おじさん「今回のおかげで、この柏原の町のことと読み方を知ってもらえてよかったよ。今、高校野球で大阪の柏原(かしわら)の高校が出てるでしょう。そこでも柏原(かいばら)とは違うって話してたし」

――すぐ抜かれてしまったのはあれですけど、全国区で町の名前知ってもらえたのは大きかったですね。


実はけっこう見どころが多い柏原

読み方さえおぼつかなかった柏原、ほんの数時間観光しただけだったが、織田家ゆかりの城下町で、田ステ女の故郷であり、木の根橋がある。ということはわかった。

実は他にも、三重塔のある柏原八幡宮や、たんば黎明館(元女子校の木造洋風建築)、太鼓櫓(登城の時間を知らせるために叩く太鼓があった)など、紹介しきれなかった物件も多い。

とにかく、まずは知れてよかった。最高気温、ありがとう。

編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
街をぶらぶらするのが好きすぎて一緒に遠地取材に行ったりしても空き時間を見つけては一人でぶらぶらしているため、かつて関係者内で「ぶらぶらおじさん」と呼ばれていた西村さん。そのぶらぶら力がいかんなく発揮された記事でした。
最後のインタビューがいいですよね。6日間!残念!って思っちゃいがちな本件、それでも町の人には誇らしい記録なんだな~というのがよくわかりグッときました。(石川)

おまけ
柏原のかっこいい洋館たち

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