特集 2024年2月5日

棚田を駆け回りたい

山間部に住んでいるので、いたるところで棚田を見かける。

自分にとって最も身近な棚田は祖父宅の裏山にある田んぼで、棚田という言葉を知る前から触れ合ってきた旧知の仲だ。水を張ってある夏の時期は水生昆虫を探して、原っぱになる冬の時期には中に入ってキャッチボールをした。

そんな棚田に密かに抱いてきた思いがある。駆け回りたい。斜面の部分を駆け上がったり、上の段から下の段へ飛び移ったりしたい。こんな楽しい地形は他にないからだ。

1993年生まれ。京都市伏見区出身、宮崎県在住。天性の分からず屋で分かられず屋。ボードゲームと坂口安吾をこよなく愛している。

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法面登りたい欲ありませんか

そもそも、斜面を見かけたら登りたくなるほうだ。

いきなり心理分析の質問みたいな形で感情を吐露してしまったが、僕は断然、斜面を見かけたら登ってみたくなるほうだ。そういう人間だ。

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こういう法面はたまらんですよね
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無理と分かっていても、手足をかけてみたりする

いろんな意味でビビりだから実際に登ることはないのだけれど、斜面に対してそういう気持ちを抱いていることは確かだ。

そうかと言って登山やボルダリングを趣味にしたいとは微塵も思わないから不思議なもので、あくまでも普段の生活のなかで目にする斜面に興味は限定されるようである。

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家のすぐ側にある棚田

その点で言えば、上に載せたような棚田の斜面は勾配もさほど急ではないので、草木を掴めさえすればよじ登れそうだ。それってすごくワクワクする。

だって棚田は季節によってお米が収穫できたり、自然のアスレチックになったりするわけだろう。最近は田の中でキャンプをするのも流行っているそうだ。そんな振れ幅があるものってない。

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じいちゃんちの田んぼ

できれば規模の大きい棚田で遊びたいが許可を取るのが大変なので、今回はおじいちゃんの家の裏山にある田んぼを貸してもらうことにした。

「田んぼを…こう…駆け上がるっていうのやりたくて……いいですか?」

唐突さには祖父も慣れっこだから、二つ返事で許可が出た。話が早い。

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そういうわけで案内します。家の庭から直結の小路を登ればすぐ田んぼがあります。
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ちなみに庭には猟銃禁止区域の看板が立っていて「それはそう」が過ぎる
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ほら、これが旧知の仲の田んぼです。大小の田が3段に分かれている

この田んぼの一番の推しポイントは、こう見えてプライベート空間だという点である。基本的には祖父宅の脇にある小路からしか上がってこれないので、これだけ開放的なのに他人と干渉することがないのだ。あと、米が穫れるのもいい。

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上から見下ろした図、のどかン

このフィールドで飛んだり跳ねたりするのが今回の企画である。

本番ではSASUKEのようにノンストップで駆け抜けたいので、いくつかの要所を下見しておくことにした。

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まずはジャンプ。飛ぶぞ、怖いぞ、飛ぶぞ
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ばよえ~ん!ジャンプ姿がロックマンと完全一致!

試しにジャンプしてみたらかなりスリルがあって楽しかった。写真で見るとヘニョヘニョだけれど、一人称視点ではかなり高いところから飛んでいる感じがして気分はロックマンである。

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斜面にも挑戦しておこう
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もさもさで草

棚田の法面は石垣でつくられたものと土で固められたものの二種類が一般的だが、これは土で固めてある「土坡(どは)」の斜面である。土で出来ているので草があちこちから生えてくるほど柔らかくて、こういうときには安全で助かる。

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「写真で一言」に使っていいよ

せっかくなので草を刈っておくことにした。

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刈った!ほらきた!道ができた!
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うひょ~!たのし~~!!

下準備と予行練習はこれくらいにしておこう。一番傾斜のきついところも難なく登れそうだ。
 

⏩ それではいよいよ棚田を駆け回ります

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