未来型水上バスヒミコでは、アニメ「銀河鉄道999」の車掌さん、メーテル、鉄郎の3人が墨田川周辺のガイドをしてくれる。
「メーテル、左側に築地の魚河岸が見えてきたよ」
と鉄郎が言えば、
「そうね。正確には東京中央卸売市場築地市場。日本で最大の卸売市場ね」
と、しっとりとした口調でメーテルが応える。
「あの橋は、ドイツのライン川にかかる吊り橋をモデルにしてるの」
はとバスのガイドさんくらい東京に詳しいメーテルは、橋にも詳しい。
運航時間はあっという間の35分。もっとメーテルのうんちくを聞いていたいが、水上バスは浅草に到着してしまった。
「楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうものなの」
終わりを惜しむ鉄郎に、メーテルがそう言い聞かせていた。
そして、浅草では人力車に乗る。
浅草寺より東側の地区を30分かけて周遊するコースだ。
「初めまして。僕はウザワ タツオミです。タッツンと呼んで下さい」
車夫の若者から元気いっぱいに自己紹介された。英語の教科書に出てくる初対面の日本人とアメリカ人の会話みたいだ。僕が日本人で、たっつんがアメリカ人。Please call me タッツン!
そんなアメリカンなタッツンに引かれて浅草の街を巡る。名所ごとに車を停めて、フレンドリーに(っていうか、それ、ためぐち?)ガイドしてくれる。
人力車は歩道と車道、どちらを走っていいらしく、車道を走る時は結構なスピードが出るし、信号待ちもする。
最初は気になった周囲の目も、どんどん気にならなくなっていく。考えてみれば、この近所の人たちにとって人力車は日常なのだ。こちらが意識するほど向こうは気にしていない。
周遊が終わり人力車を降りたら軽く腰が痛くなっていた。
12番目の乗り物、東京メトロ銀座線に乗って浅草から上野へ。
上野では不忍の池に用がある。
ここまでの乗り物
10. 未来型水上バスヒミコ 960円
11. 浅草周遊人力車 30分5000円
12. 東京メトロ銀座線 160円