デジタルリマスター 2024年1月9日

訪れてみて驚いた、四国の棚田と段畑(デジタルリマスター)

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この石垣は、もはや芸術の域に達していないか?それが、水荷浦の段畑を見た時の第一印象であった。

私はまず言葉を失い、次には振り切れる程にテンションが上がった。なんなのだ、この光景は。なんなのだ、この段畑は。凄いぞ、水荷浦の段畑。

白い石垣の曲線が、斜面一帯に幾重にも重なった筋を描く。青々とした馬鈴薯の葉とのコントラストが美しい。そして、その延長線上には青い空、濃い色の海。

いやはや……驚いた。何と言う景観なのだろう。それはまるで、完成された芸術作品のようではないか。まさかこのような光景が、宇和島に存在していたとは。

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すり鉢状の斜面を覆う段畑
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凸状の斜面も覆う段畑
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石垣も良く手入れがなされていて美しい
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この農業用モノレールも良い感じだ

これらの段畑が作られたのは、樫原の棚田と同様、江戸時代の事であるという。遊子地域の人々は、基本的には漁業で生計を立てていたのだが、主食を自給で賄う為、急斜面に石垣を積んでわずかな平地を作り出し、耕作を始めたという。

特に江戸時代末期から明治時代にかけては、半島の山全体が段畑の石垣によって覆われており、今以上に壮観であったらしい。う~ん、その頃の光景も見てみたかった。


想像以上に高い、棚田・段畑の芸術性

私はなぜ、これまで棚田を見に行かなかったのだろう。そう思えるほどに、棚田や段畑は魅力的なものであった。これからは、私の行きたい場所リストに、棚田が積極的に加わる事になるだろう。

それにしても、機械などの無い時代、人力だけでこれだけの土木構造物を作り上げてしまうのだから、人間と言うのは凄いものだ。

しかしその反面、敷地も狭く、道も限られる棚田や段畑では、機械を搬入することも難しいだろう。一つ一つ、手作業で稲やジャガイモを育てるのは、想像を絶するような苦労に違いない。そのような農家の方々の努力によって、このような景観が育まれてきたのだから、まっこと恐れ入る。

高齢化や過疎化が進む中、維持も大変だとは思うが、願わくば、これからもこの景観を、後世へ受け継いでいただきたいものだ。

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手作業で作業を行う農家の方々。本当、頭が下がるのみです

 

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