デジタルリマスター 2022年7月18日

いろんな国のお札を研究する(デジタルリマスター)

野口英世や福沢諭吉は威風堂々。 でも他の国の偉い人の堂々っぷりも興味津々。

外国のお札は面白い。旅行時に手に入れた手垢にまみれたお札は、他人へのお土産にしたらひいちゃうのでよくないけれど、自分にはとりあえず余ればいい土産になる。

表にはその国のえらい人の顔があって、裏にはその国を代表する景色だったり、絵画っぽいのがあったりする。安い札では100円以下、10円以下なんてものもある。それでその国の記念切手とかにも劣らないものが得られるのだからと、どっかの国に行く度に小銭をコレクションしている。

そんなこんなででいろんな国の紙幣が集まった。その中で米ドルとかユーロとか有名なのはおいといて、それ以外の通貨を見てみて、お札研究をしてみたい。紙幣を見て、全世界のえらい人の風貌とか表情を学びたい。ひげの蓄え方とか。

2006年6月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

変なモノ好きで、比較文化にこだわる2人組(1号&2号)旅行ライターユニット。中国の面白可笑しいものばかりを集めて本にした「 中国の変-現代中国路上考現学 」(バジリコ刊)が発売中。

前の記事:1日旅行用日本食で過ごす(デジタルリマスター)

> 個人サイト 旅ライターユニット、ライスマウンテンのページ

お札の表面で世界の偉人巡り…のはずが。

まずは表面から、諭吉さんよりも偉大な人は何処に。偉人なんで、コメントには注意して大切に扱いたいと思います。

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おとなり韓国。李滉という16世紀の儒学者。これから見るお札ラッシュを見ればかなり日本に似て日本人から見れば落ち着いたものに見えるはず。立派なひげだ。
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モンゴルのお札、5000トゥグルグ札にはチンギスハーン。
彼のひげも堂々としている。微妙に目がうつろだ。
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ベトナムの父ホーチミンが書かれた200ドン札。このおじさんもやはりひげが立派だ。アジアで偉人になるには立派なひげが必須なのだろうか。
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中米はグァテマラの1ケツァル札。こちらの偉い人はちょびひげが基本か
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中米はニカラグアの10コルドバ札。難しい表情をする偉い人。ひげはない。ややヨシダプロ氏のような画風が気になる。

と、人物を紹介したのだが、手持ちのお札を確認すると、どうも人でないのが表に鎮座しているのも多いのに気づく。

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中米グアテマラの0.5ケツァル札。古代文明の神様っぽい。ひげはない。当たり前か。
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香港の100香港ドル。獅子っぽいから、人じゃないだろう、多分。
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南アジアのスリランカの10ルピー紙幣には両生類っぽい神様(?)。 人じゃない。
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同じくスリランカの20ルピー紙幣。お祭りの仮面っぽいのが。ひげもあるわけない。

表に偉い人がいるのが当たり前の思っちゃうのは間違いだった。裏にも新たな発見があるのか?次ページで解明します。

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お札の裏面も想定外

続いて裏面を見てみよう。日本のお札の裏は日本っぽい風景や絵巻などだが、外国のも景色かといえば、そうでもあるし、そうでもない。自分でも何言っているかイマイチだ。まぁ見ればわかるさ。

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ヨーロッパの1国、エストニアの5クローン。いかにもヨーロッパな絵が広がる。持ってていいなと思える1枚。これで終わればひねりなしなのだが。
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中米のホンジュラスの1レンピラ。見にくいが、マヤ文明の遺跡の絵だ。それにしても国によって、しわしわ具合というか、使われっぷりも異なるのも面白い。
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同じくホンジュラスの5レンピラ。同じ国でも、札が違えば戦争状態に。ホンジュラスの人は5レンピラを見るたびに何を想うか。
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ヨーロッパの1国リトアニア。爆撃しているっぽいが。訳ありのようだ。
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変わってアジア。ベトナムの200ドンの裏だ。耕運機の後ろで農業に精を出す人々。農耕系ほのぼの景色が広がる。
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中国の1分(0.01元)。こちらも農村にトラクターの組み合わせだ。アジア人は農耕民族だからだろうか。
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と、アジアのいろんな国々の紙幣を広げてみたら、農作業か、労働系の景色だった。
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前ページの最後に異彩を見せたスリランカルピーの裏の絵は、なんと縦デザインだった!スリランカルピーは最後まで隙がなかった。

お札の表も裏も紹介したし、スリランカルピーは最後の登場になったけど、まだまだ続くよ。

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黄毛沢東!
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紫毛沢東!
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青毛沢東!
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橙毛沢東!
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緑毛沢東!
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赤毛沢東!
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6人揃っても毛沢東!!
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中国とベトナムは似ている。

中国とベトナムは隣り合った国で、共産党による社会主義の国だ。そのせいか、どちらも似たような国を創ったその国のお偉いさんである中国なら毛沢東、ベトナムならホーチミンが多くの紙幣にのっている。

でもよく見ると、そのお偉いさんをアプローチがちょっと違う。ベトナムを見てみよう。

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7人揃ってもホーチミン!!

ベトナムのお金はドン。今回手持ちにあったのは、左下から200ドン、500ドン、1000ドン、2000ドン、10000ドン、20000ドン、50000ドン札。10000ドン札のみが横顔なのがポイント。真中の価値の10000ドンだけ横顔という、その発想が好きだ。

また中国では毛沢東について色が違うだけだったが、

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ベトナムドンはよく見るとホーチミンおじさんのオーラの出かたが違うのだ。左は20000ドン、右は50000ドン。右のほうがオーラが強いのだ。きっと。

そのお金、プライスレス。

ベトナムドンは100000ドン札なんてものまである。10万ドンなんていうとすごそうだが、10万ドンで700円。給料で21万円分のベトナムドンをもらったら、3千万ドンもらうことになる。なんだかどっかのヒルズのマンションが年収で住めそうな気がしてきた。

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簡単に200万も引き出せるATM。ドンだけど。
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現地で使い切れなくて持って帰った80万ドンの札束。占めて5600円。プライスレス。
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5000ドンコイン。5000なんていったら日本なら記念コインになっちゃうが、ベトナムでは35円とこれまたプライスレス。紙幣じゃないってツッコミはなしだ。

ベトナムドンはすごい。しかしこの上をいく紙幣が過去にはあった。トルコの通貨トルコリラだ。

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100万トルコリラ。その価値は70円。驚くべきプライスレス。
一番上の紙幣は2000万トルコリラがあったという。コレクションに欲しかった。
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トルコでクレジットカードで支払ったときの請求書。
約3億1千万の買い物となったがトルコリラなので期待通りプライスレス。3億なんて買い物は、そうあるもんでもないので、我が家宝のひとつとなっている。

1999年にトルコに行ったが、このとき1ドル=54万トルコドルだった。2002年には1ドル=157万トルコリラまでなった。

ところが2005年に100万トルコリラが新1トルコリラになってしまった。なにか寂しい気がした。

なんだか本題の紙幣の絵の研究とは全然関係ない話にどっぷり浸かっちゃったところで、とりとめもなくお開きにしたいと思います、ハイ。

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お札の登場人物が何を話しているのか大喜利考えるのもオツだよ。
そんなこと考えるの俺だけか。
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