暗いところで育てる植物
かいわれは暗い場所でないと育てることが出来ない。
一度タンスの引き出しで育てたことがあるが、結構光が入っている気がしていた。
穴が空いている入れもの、……リコーダー?
もしかして、一番適しているのはリコーダーなのではないか。
物は試しだ。やってみよう!
分解できるのでかなり入れやすい。そのために作られたかのような利便性だ。
土に植える種まきは数cm間隔で植えることが多いが、リコーダーで育てる場合、自動的に等間隔で植えることが出来る。こちらの行動まで含めてデザインされた画期的な鉢といえよう。
かいわれは密に植えてもいいという意見もあるが、種まきの指示は「重ならないようにまく」と書いてある。間隔を空ければ空けるほど重なるリスクが減るわけだから、丁寧に育てるなら空けるに越したことはないだろう。せっかくなら愛をもって育てたい。箱入り娘ならぬ、リコーダー入り娘である。
一番世話ができるのが職場なので、そこで育てることにした。
この日から、毎朝水をあげるのが日課になった。出勤したらすぐにダンボールに向かい様子をチェックする。
いつもは椅子に座り、コーヒーを飲んで、ゆっくりメールチェックでもしているところだが、すぐさま隣の部屋に行ってかいわれの世話をしている。職場の人たちには、「最近、朝キビキビした動きしてますね」と言われるようになった。
リコーダーから発芽
2日後、朝様子を見たらリコーダーから芽が出ていた。
想像以上にかわいいぞ。でも生えていない穴もある。もう少し成長しそうなのでしばらく見守ろう。
〜4日後〜
細いから出にくいのか、他のより成長が遅いが、わざわざ困難な道を行くそのストイックさは尊敬する。かっこいいぞ。
ある程度育ったら日光にあてて緑化させていく。
これを見た瞬間「ディズニーっぽいな」と思った。歌うと楽器から植物が生えるディズニープリンセスいそう。(いない)
分解できないので濡れたティッシュを入れられない。しかも底が丸いので、タネが真ん中に集まってしまうのだ。
やはりかいわれを育てるにはリコーダーが適している。かいわれ栽培キットとして、タネと一緒に売り出すべきだ。