ほんとに導入するなら大変だ
Maker Faireでは600人以上に体験してもらって大盛況だった。
お賽銭体験の先端をいった感じがして、個人的には大満足である。
ただ、PayPayなどは規約で寄付行為が禁止されている。
あとみんなが京セラのトルクを持っているわけではない。
実際のお賽銭として導入するなら結構なハードルがあるので、これを読んで乗り気になったお寺や神社の人がうっかりいたら注意してほしい。
前ページで色々と置いてきぼりな説明をしてしまったので、ここからは仕組みの説明をしておきたい。
もともとこれは去年の夏に会社で開催された開発イベントで作ったものだ。
やけに本物っぽくなっている。
というのも、チームメンバーにエンジニア兼僧侶がいて監修が入っているからである。
佐藤くんの実家は1000年以上の歴史を持つお寺で、彼自身も僧侶をやっている。すげえ。
仕組みの話をするんでした。
賽銭箱を開けるとこのようになっている。
スマホに表示したQRコードを読み取るために、お店にもよく置いてあるリーダーを賽銭箱の中に設置している。
一番のポイントは、このQRコードリーダーを上下に取り付けているということだ。
これによって、スマホの画面が上下どちらを向いてもQRコードを読み取れるようになっている。
QRコードはLINE Payのものを使っている。
これを読み取ると、LINE Payの決済処理を実際に行ってお賽銭が支払われるのだ。
ただし、今回はプロトタイプなので本当にお金が引き落とされたら大変だ。LINE Payにはサンドボックスというお試し環境があるので、そちらを使うことにした。
なので、本当にキャッシュレス決済の処理は通るのだけれど実際にお金が引き落とされることはないので安心だ。
これまでの賽銭箱では現金が箱の中に貯まっていくが、スマホを箱の中に貯めておくわけにもいかない。それはさすがに奉納しすぎだろう。
なので、スマホは回収出来るようにした。もらうものだけもらって後は雑に返す、といった趣が出て気に入っている。
決済が完了したときに、「ペイペイ」という音声を鳴らしている。
QRコード決済の音といえばPayPayのイメージがあり、LINE Payと食い違っているがいいことにした。
音声については「みんなでペイペイとモノマネして一番似ている人の声を採用しよう」とチームメンバーに提案したが、さらっと流されたので合成音声で作っている。結構本気の提案だったのに……。
せっかく作ったので、いろんな人に体験してもらいたい。
ということで、DIY・ものづくりの祭典であるMaker Faire Kyotoに出展した。
(イベントレポートの記事を先月書いたので、合わせて読んでほしい!)
ちなみに冒頭の動画で橘くんが神式でお祈りしてたので、佐藤くんが「まぁ、いいけどね……」と複雑な顔になっていた。
ところで多くの人に体験してもらうのはいいが、お客さんに自分たちのスマホを投げてもらうわけにもいかない。
そのため投げる専用のスマホを用意して、それを使ってもらうようにしている。
京セラのTORQUE(トルク)という機種である。めちゃくちゃ丈夫なことが特徴で、まさに今回にぴったりである。
G03という昔のモデルを中古で買ったのだが、サイトには「最強への、あくなき挑戦。」というキャッチコピーが踊っている。頼もしい!
あとはもう存分に体験してもらうだけである。
すごい。
みんなが賽銭箱にスマホを投げまくる、まさにこの絵が見たくて作ったのだ。
「未来のお賽銭です」とうそぶいて展示の説明をしていたが、こんな未来なら大歓迎である。
ただうっかり冷静になると異様な光景ではある。
かなりイロモノな賽銭箱を作ってしまったが、最後に佐藤くんに有識者としての意見を聞いておこう。
なるほど。これも時代に応じた仏縁なのかもしれない。
Maker Faireでは600人以上に体験してもらって大盛況だった。
お賽銭体験の先端をいった感じがして、個人的には大満足である。
ただ、PayPayなどは規約で寄付行為が禁止されている。
あとみんなが京セラのトルクを持っているわけではない。
実際のお賽銭として導入するなら結構なハードルがあるので、これを読んで乗り気になったお寺や神社の人がうっかりいたら注意してほしい。
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