たのしいぜんえい
すずえりさん自身は音楽家で、ご自身の活動ではいろいろ詰め込んでる表現とか美学みたいなものがあるわけですが、今回はそういうの抜きにして、その土俵の上で思いっきり遊ばせてもらった感じ。お付き合いいただいてどうもありがとうございました。
いわゆる前衛音楽って「音楽」と思って聴くとある種の気むずかしさとかとっつきにくさがどうしてもあるんだけど、こうやって純粋に遊びとして体験してみると、すごく楽しいものでしたよ。
すずえりさんがガムテでパイプを作っているころ、僕は別のしくみを組み立てていた。
テスターには断線をチェックするための機能があって、赤い端子と黒い端子の間に電気が通るとピーっという音が鳴る。これを使ったしくみだ。
片方の端子を金属製のハンガーにくっつけておいて、もう片方をハンガーに付くか付かないかスレスレのところにゆるく固定。端子とピアノを糸でつないでおけば、叩いた衝撃でハンガーに接触する。
つまり金属のハンガーを通して電気が通るので、ピッ、ピッ、と音が鳴るわけですね。
さらにもうひとつ。
ケーブルをハンガーにゆるく固定するところは一緒で、こっちは反対側がアンプに繋がってる。
接触すると、ハンガーからノイズをひろってブチブチブチ、と音が鳴るのだ。
ピピッピピーって断続的に鳴ってるのがテスター。正直鍵盤とどこまで連動してるかよくわかんないんですが。
あと音が低くてわかりにくいんだけど、鍵盤叩いたときにブツッ、ブツッ、って言ってるのがオーディオケーブルです。
このへんの電気でバチバチやっちゃうところが「男っぽいなー」(すずえり)ということで、「男の子部門」と命名されました。
と、ここまでつくったところで日もどっぷり暮れた(室内ですが)。もっと続けようと思えばいくらでも続けられるけど、きりがない。このへんでそろそろ完成ってことでいいんじゃないでしょうか。
最後に、この機械を使った演奏を聴いてもらって、楽しかった一日はおしまいにしたいと思います。
では聴いていただきましょう。
すずえり&石川大樹で、即興曲『工夫』です。
「なかなかうまく鳴らなくて苦労する3分間」という感じで、これは曲なのか、と言われるとアレなんですけども、こと今回に関しては「音をつかって楽しむ」=音楽ってことで…。作る過程が楽しかったからそれでいいんじゃないでしょうか!いやーほんとに、楽しかったです。
すずえりさん自身は音楽家で、ご自身の活動ではいろいろ詰め込んでる表現とか美学みたいなものがあるわけですが、今回はそういうの抜きにして、その土俵の上で思いっきり遊ばせてもらった感じ。お付き合いいただいてどうもありがとうございました。
いわゆる前衛音楽って「音楽」と思って聴くとある種の気むずかしさとかとっつきにくさがどうしてもあるんだけど、こうやって純粋に遊びとして体験してみると、すごく楽しいものでしたよ。
取材協力 すずえり/鈴木英倫子 |
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