「印」は必要なのか
…とやってきたが、撮影して、やはり「印」が無いほうがいいと思った。
すでに無印良品そのものが一つのブランド(=印)になっているからだ。すでに商品たちは「印」(=ブランド)を持っている。
…と勝手に思ったのだった。
シンプルなデザインが特徴的な無印良品。
でも、ずっと無印なのはかわいそうである。そろそろ「印」が欲しいに違いない。
「印」を付けてやろう。
無印良品は西友のプライベートブランドとして誕生した。1980年のことである。生みの親である堤清二は西武百貨店の経営で知られた人物であり、文学者としても名を馳せていた。そのこともあってか、「感性経営」と呼ばれる独特の経営手法を生み出し、広く小売業界に影響を与えた。
その堤が大きな期待をかけて作ったのが「無印良品」である。
「無印」という名前の通り、それはブランド(=印)ではない。むしろその印を消去することによって、消費者がブランド(=印)に左右されずに自分自身の価値観で商品を選べるようにしたのである。
無印良品には確固たる思想がある。でも、気にかかるのは商品の気持ちである。
やはり商品たるもの、人生で一度は「印」を背負いたいのではないか。私が商品だったら、背負いたい。
店を訪れるとその声が聞こえてくる
では、どうすればいいのか。答えは簡単である。
「無印良品に「印」を付ける」
無印の品々に「印」を付けることで、人生に一度の晴れ姿を経験させてあげたいと思う。
というわけで品々に貼る「印」を作った。
世の中にはさまざまな「印」があるが、今回は印の中でもっとも「印」らしく、「印」という文字を「印」にした。
それがこちらである。
それでは、いくつかの商品たちに「印」をプレゼントしてあげよう。
印がさらに生き生きするためには、街が必要である。人びとのまなざしが印を輝かせる。
…とやってきたが、撮影して、やはり「印」が無いほうがいいと思った。
すでに無印良品そのものが一つのブランド(=印)になっているからだ。すでに商品たちは「印」(=ブランド)を持っている。
…と勝手に思ったのだった。
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