つけてみそかけてみそプレミアム
さっそくだが見て欲しい。
先日、実家の都合で愛知に帰ったときに駅で見つけたのだ。
正直名古屋にはこういった金ぴかの商品が多いのでとくべつ目立っていたわけではないのだけれど(このパッケージでとくべつ目立たないなんてことがあるかと思うだろう。名古屋とはそういう町なのだ)、見つけた時には呼吸が荒くなった。
ちなみにいつも僕たちが食べているつけてみそかけてみそはこちら。
とんかつを食べるとき、冷ややっこを食べるとき、おでんを食べるとき、つけてみそかけてみそがなかったらどうしたらいいのか。最近食パンに塗ってすこし焼いて食べると美味いことを発見して顔を赤らめたのを思いだす。
そんなつけてみそかけてみそにプレミアムが存在したとは。ちなみに値段はいつものやつが360円でプレミアムが540円だった。
箱をながめ回してからここまで、週末の午前中を1時間くらい費やしている。家族はまだ寝ている。こういう興奮は一人でじっくり味わいたいものだ。
さあ実食である。
つけてみそかけてみそプレミアムは、単独で食べるとまるでつけてみそかけてみそだった。甘く丸みのある味噌にほんのりとゴマの香りがしてでらうまい。
しかしである、ノーマルバージョンと交互に食べ比べてみると……交互に食べ比べてみても、正直僕の舌ではさほどの違いが感じられなかったのである。ひざから崩れ落ちそうになったが椅子に座っていたので免れた。
徹底的にジャッジするため、ご飯にかけてみたい。僕が最も愛するつけてみそかけてみその食べ方である。 これなら見分ける自信がある。
というかいつもの我が家の食卓である。これになんの言葉が出てこようか。しいて言うなら、美味い。角の取れた味噌の風味が温かいご飯に絡まってゴマの香りと共にシナプスに直接名古屋弁で語りかけてくる。
プレミアムはどうか。
ここでプレミアムが鎌首をもたげた。
ああ丸い。ノーマルバージョンですら角の取れ方が半端ないのに、プレミアムはさらにもう一重、みその尖りを優しさのベールが包んでいる。ふわっと香るゴマの風味も豊かであり、かつ儚い(気がする)。
明確に違いを表現するのが難しいが、ノーマルバージョンがアリスだとしたらプレミアムはオフコース、ノーマルがアメリカだとしたらプレミアムはイギリス、まて何を言ってるのかどちらも名古屋だし谷村新司だって時には優しい声で歌うだろう。だけどそういうことだ。
気分の違いこそがプレミアム
あなたはもう忘れたかもしれないが、かつて月の最後の金曜日をプレミアムフライデーと名付けて早く帰ってよかった時期があった。あの制度が何だったのかは今でも謎だが、ぼくはわりと好きだった。
つまりプレミアムというのはこのくらいささやかな気分の良さを言うのではないだろうか。また買うかと言われたらノーマルバージョンを買うが、人からもらうならプレミアムがいいです。