④歌舞伎揚げダイレクト
スナック系の次はせんべい系をダイレクトに摂取していこう。まずは歌舞伎揚げである。



口に入れた瞬間、すべての水分が持っていかれた。粉にしているので基本的にはどれも口内の水分は多少なりとも持っていかれるのだが、歌舞伎揚げの吸引力といったらダイレクト界のダイソンといってくらいの威力だ。10種中ダントツ、砂漠では絶対食べない方がいい。
歌舞伎揚げの特徴である荒々しい見た目とバリバリとした食感はこの吸水力を追いやるための仕様なのかもしれない。威勢のよさの裏に隠された歌舞伎揚げの秘密を知ってしまった感じがする。
言い換えると粉にしたことで普通に食べる時と一番ギャップがあったのが歌舞伎揚げであった。ギャップがあるということは新鮮さと面白さを生む。この意外性は案外ウケるかもしれない。話題になるポテンシャルという意味で、歌舞伎揚げダイレクトは全然アリだ。
粉にしやすさ:★★★☆☆
粉にする意味:★★★★☆
摂取しやすさ:★☆☆☆☆
⑤味わいミックス
どんどんいこう。次は複数種のおせんべいが一袋に入ったコレ。

実は今回のラインナップの中でも密かに期待を寄せていた商品だ。というのも粉にして全てを混ぜ合わせるということは、普段はバラバラに食べているせんべいが一気に味わえるということである。
つまり粉にする前後で最も味が変化する可能性を秘めていると言っていい。これは期待が高まる。



おお、マリアージュが成功している!口の中の水分は持っていかれるものの歌舞伎揚げほどの吸水力はない。感覚的にだが、何かのおせんべいが吸水しようとするのを別なせんべいが阻止しているような気がする。個の主張ではなくチームとして勝利を目指すような理想のプレーがここにはある。
小袋から一息に摂取すると、色々なせんべいのせんべいの風味がちゃんと感じられて普通に美味しい。これが一口でダイレクトに感じられるのはお得感がある。結論を言ってしまうと、この味わいミックスが一番ダイレクト摂取のメリットを感じられた。粉にするなら複数種を混ぜ合わせると良い、という知見が今回得られた一番の知見である。
粉にしやすさ:★★★☆☆
粉にする意味:★★★★★
摂取しやすさ:★★★★☆
⑥ミックスナッツ
複数を混ぜ合わせるという切り口でもうひとつ行ってみよう。ミックスといえばナッツ、ナッツといえばミックスである。


これはなかなか粉にするのに骨が折れた。見た目は素朴なナッツなのに中から油分が出てくるのか、ナッツ同士がまとわりついてなかなか粉になってくれない。すり鉢だけではどうにもならなかったので、湯切りも動員して目を細かくしていく。


大変だった割に、味わいミックスほどの感動はなかった。味わいミックスほど4つのナッツに差がなかったからか、個々の技を活かしたチーム戦というよりは、でかいナッツがそのままぶつかってくるような感じがする。粉にしたことで余計なものが削がれて「ナッツ感」だけが強調されてしまったのかもしれない。ダイレクトという意味では直球具合はグッとあがっているが、それが悪い方に出てしまっている。
さきほど複数種を混ぜ合わせると良いと書いたが、さっそく訂正。モノによる。絵に描いたような朝改暮変で恐れ入ります。
粉にしやすさ:★☆☆☆☆
粉にする意味:★★☆☆☆
摂取しやすさ:★★☆☆☆
⑦食べる小魚
おつまみ的な路線でもう一品、食べる小魚(にぼし)も試したい。

そのまま食べてもクセが強い食品なので、粉にしたときにダイレクト具合が吉と出るか凶と出るか楽しみだ。



ナッツは粉にしたことで風味が凝縮されてガツンと感が増してしまったが、小魚については風味が抽出されているものの軽さが残っていて、思ったよりも味的な食べ辛さはない。正直いちばん食べ辛いかと思っていたので、これは意外な結果だ。
また小魚といえばカルシウムという身体に良いイメージが定着しているので、粉にしてダイレクトに摂取することで身体に直接効いている感じがする。プラシーボ効果もありそうだが、実際に粉にして凝縮しているので一気にたくさんのカルシウムを摂取できていることは間違いないだろう。やはり薬的な要素があるとダイレクトに摂取することとの親和性は高いようだ。

粉にしやすさ:★☆☆☆☆
粉にする意味:★★★★☆
摂取しやすさ:★☆☆☆☆