窯に熱が行き渡ったらピザを焼いていい
この間に改めて備品を確認しておこう。ピザカッターや皿、トングなどはある。
焼く用の皿を窯の奥に置くための、先が平たくなった棒とか、炭を窯の奥に押しやるための棒、耐熱手袋とか、そういうものも用意されている。ただ、細かい汚れを拭き取るためにも、ティッシュやウェットティッシュは必ず持ち込むべし。
まあとにかく、しばらくは飲んで待とう。
フリーライターの橋尾さんは、鶴橋・桃谷エリアから遠くない場所に住んでいて、この神社の境内には何度も来たことがあるのだとか。夏祭りの時は境内に屋台が出て賑やかだったそうだ。
そんな話を聞きながらしばらくぼーっと過ごす。時おり宮司の長澤さんが火加減を見にきてくれたりする。窯の奥で薪が燃えるのを見ながらお酒を飲んでいるだけで楽しい。
最初はとにかく薪を効率よく燃やして窯を温めるのが先決らしい。しばらくして、「そろそろ焼いてもいいかもしれませんね」と長澤さんが教えてくれたので一枚目を焼いてみることにする。
今回、私と橋尾さんとで、一枚ずつ自分なりのトッピングピザを焼いてみることにした。そして最後にもう一枚、鶴橋で買ったキムチをいかしたピザを焼いてみようと思う。
というわけで、まずは私が考えたピザを一枚目に焼かせていただく。
用意した具材は、きのこ各種とロースハム、菊菜、そしてベビースターラーメン。これをトマト風味のピザソースと塩コショウ、チーズとで味付けしていこうと考えた。
ちなみに今回使用したピザ生地は神社に事前にお願いして用意していただいたもの。近所のピザ屋さんが作った生地らしく、これだけでそもそも美味しいのだった。
手をしっかり消毒し、皿の上でピザ生地を丸く伸ばし、ピザソースを塗って、ハムを並べて、きのこを乗せ、菊菜を乗せ……
ベビースターラーメンを振りかけてチーズを乗せたら完成だ。
見たことがないほどに山盛りなピザになってしまったが、とりあえず皿を窯の奥に押しやってみる。
まずは熱の入り方を知る
てんこ盛りになってしまった私のピザだが、1分ほどしてみると、もう表面のチーズに焦げ目がついて溶け始めている。
あんまり焦げたらまずいかなと思い、不安になって一度取り出してみる。
私がこれまでに見たことのあるピザとはだいぶ違った見た目だが、とりあえずピザカッターでゴリゴリとカットしてみた。
で、結論からいうと、表面のチーズとベビースターと菊菜が絡まり合った層が厚みのある蓋のようになってしまって、中のきのこたちにまだ火が入り切っていなかった。なので、まずは表面だけ剥がして食べてみることに。やっぱり厚みがあり過ぎるとだめなんだな。
負け惜しみに聞こえそうだが、この上の剥がした部分、めちゃくちゃ美味しかった。ベビースターラーメンのカリカリ感とチーズだけで美味しい上に、菊菜の風味がすごく合うのだ。しかし、これは欲張らずにもっと具材を少な目に盛り付けるべきだったなー!
改めて残った下の部分を焼き直して食べてみて、美味しかったのだが、ピザを食べている!という感じはあまりしない一枚目になった。