フォトグラメトリでどういうものが出来るのか?
写真を処理して3Dモデルを作ると、こんな感じのものが出来ます。
上のアニメGIFだとカクカクしてるし短いので動画もどうぞ。タケヤ式自在置物の王蟲を何枚も撮影して作った3Dモデルです。
ざっくりとフォトグラメトリの説明
真面目に説明するととても長くなるし、そもそも真面目に説明できるほどの知識もないので超ざっくり説明します。
フォトグラメトリとは、複数の写真を処理して3Dモデルを生み出す技術です。複数の写真の微妙な違いから立体感を計算するみたい。
下の写真みたいに、一つのものを回り込んだりしながら何枚も撮って、それをソフトに放り込んで計算させると立体になります。魔法?
いろいろ試して分かったのは、写真に連続性がないとダメっぽいってこと。急に場所や角度が大きく変わると上手く繋がらずキレイなモデルになりません。
あと、動画から静止画を切り出してもいいんだけど、カメラを速く動かしてしまうとブレてしまって、良いデータにならないっぽい。
…さっきから『っぽい』って何度も書いてるけど、誰かに習ったわけでもなければ本やネットで勉強したわけでもないので正解を知らないからです。手探りでやると効率は悪いけど楽しいんですよね。
ソフトで処理をする
では実際にやっていきましょう。ここでは3DF Zephyr(ゼファー) Liteというソフトを使います。ゲームプラットフォームのSteamでも買えて2万円くらい。Liteが付かないやつだと60万円くらいするそうなので、Liteはかなり安いですね。すばらしい。
他にも無料のとかもっと高いのとかあるし、制限はあるけど3DF Zephyr Liteを無料で使うことも出来ます(無料版で処理出来る写真は50枚まで。Liteは500枚まで)。
そんなこんなで、うちの猫(じゃんけん氏)をぐるぐる撮って作ったのがこの3Dじゃんけん氏であります。
3Dモデルもアップロードしてみました。じゃんけん氏のプリプリしたお尻をお楽しみ下さい。
メタバースってのが流行ってるらしいけど?
最近急にメタバースという言葉が流行って、これからはメタバース!なんて感じになっていますが、こういう、じゃんけん氏の尻みたいな、人類の進歩に1ミリも貢献しないようなバースを『ムダバース』と呼ぶことにしました。
下の動画は、うちの猫2匹のムダバースです。
猫らのムダバースは、それぞれ20枚程度の写真から生成できたので、無料版の3DF Zephyr Liteでも十分に作れます。こちら。
ついでなので、なつめ氏の3Dモデルも自由に見られるようにしてみました↓
以上を踏まえて、もっと大きいものをフォトグラメトリった
なんだ、フォトグラメトリって簡単じゃん、お金も大して掛からないし、スマホで写真撮ってソフトに突っ込めばいいんじゃん、楽勝じゃん、フォトグラメトリ完全に理解したわーって、出来たのがコレ。
何をフォトグラメトリったかというと、東京メトロ葛西駅。
おおお、度し難い。
メタバース(※)の片隅にある崩壊した世界っぽさがすごくて、なんていうか、最新テクノロジーが生んだホラーですね。
(※メタバースを連呼してますが、メタバースの本当の意味とかはよく知らなくて、実を言うとメタバースって言いたいだけです)
ダメバース誕生
うっかりダメなメタバースを作ってしまいました。意図せず生まれてしまった呪われしメタバース。これはダメバースと呼ぶこととします。
もうちょい長めの動画を書き出してみたのが下のやつ。ヤバい。
ちょっとマシになったが、なおもダメバース
どうも、悪い角度の写真が混ざっていたり、計算に必要な写真が足らないと空間が壊れてしまうっぽい。いろいろこねくり回して角度を直したりして、少しマシにしました。
こんな具合。
なるほど、わからん。
近所の公園をやってみたら地獄っぽさがすごい
大して反省もせず、近所公園で動画を撮りながらフォトグラメトってみました。動画でご確認下さい。
長い棒の先に付けたカメラで撮った動画から作ってみたんだけど、細長い地獄が出来ただけでした。どうして。
(撮影が下手だなだけでフォトグラメトリに罪はありません)
なにもわからないまま、セブンティーンアイスを3D化してみた
フォトグラメトリわかんねーな、と思いながら、まぁ建物とか大きなものじゃなければモデル化出来るだろうと思ったので、セブンティーンアイスの自販機をフォトグラメトリってみた。
自販機の上の部分が木の枝とか空と融合してゴワゴワした感じになり、シューベルトの魔王って歌が頭の中で再生されました。おとーさーん!!
でも、これでも葛西駅のダメバースよりはマシな気がします。マシバース。
建物とかじゃなくて、数mくらいのオブジェクトなら下手くそでもそれなりにフォトグラメトれるようです。引き続きやっていきましょう。
自分をフォトグラメトリってみた
よし、こういうのなら簡単なんだと思って、自分をぐるっと撮ってもらってフォトグラメトってみたらこうなりました。
うそーん。
処理された写真を確認すると、1箇所だけ少し飛んでる部分があってそこで連続性が途切れたみたいでした。設定とか使う写真とかを変えて再度処理してみました。
動画バージョン↓
ちっちゃい僕と大きい僕の2つに分裂しました。どうして…。
他にもいろいろやってみたけど上手く出来ず、最終的にはなんか、スキー大回転の選手みたいな羽根が生えました。
主に前からの写真で生成されたので、後ろ側が壊れ気味です。
上手く出来たり出来なかったり
僕の3Dモデルはオーラが出ちゃったり二人になったり羽根が生えたりしたけど、かつやのカツカレー(竹)でやってみたらけっこう上手くフォトグラメトれました。やっぱ小さいものの方が簡単。皿に穴開いてるけど。
すばらしい。美味しそうなカツカレーですね。
これも3Dモデルをアップロードしたのでグリグリ回して見られます。VRゴーグルを被って見ると、目の前にかつやのカツカレー(竹)が!
これはキレイに作れたし、かつやのカツカレーは何度眺めても良いものだからダメバースでもないしムダバースでもない、これぞメタバース!
そう!メタバースとは、かつやのカツカレーのことだったのです!(ドーン!)
まとめて動画でご確認下さい
他にもいろいろフォトグラメトってみましたが、上手くいったり失敗したり様々な結果となりました。動画でまとめたのでごらんくだせぇ。登山中に撮った連続写真や動画から地形を立体化出来たりして、なかなか面白いです。
いろいろ作って分かったのは、『ほとんど撮影で決まるな』ということでした。撮影さえ上手くできれば、あとはソフトが上手いことやってくれますね。
まだ下手だけど、続けていきます
フォトグラメトリをはじめて10日間でいろいろ作った。失敗したり成功したりしたけど、フォトグラメトリは面白い遊びです。
これまでは平面でしか記録できなかったものが、立体で記録できて、後からグリグリ回転したり拡大したりしながら鑑賞出来ます。
今はまだ作るのが面倒くさかったり技術やノウハウが必要だったりするけど、きっと10年くらいしたらサッとスマホか電脳メガネで見れば立体データになって、いつでもARとかVRで見られるようになるんだろなーとか思いました。
その時も、そういう立体データのことを写メって呼ぶのかな。あるいは、メタとか?バース?