信じてよ、本当に光ってるんですってば
この話を人に言ったら100億%バカにされると思ったら、意外に真面目に取り合ってくれる人もいて驚きました。加藤さんほかお友達の皆さん、ありがとうございます。
でも、最終的に内側が剥がれるペットボトルの作り方はわからず、たまたま光る状態になっていたペットボトルが1本手元に残る形となりました。
引き続き条件を調べようかと思いますが、みなさんもペットボトルをポカポカして光るかどうか試してみてください。
ある真っ暗な夜、ペットボトルから水を飲んだらポカッっと音がして凹んで青く光りました。口を離してポカッっと戻ったらまた青く光りました。
目の錯覚?なんらかの光が反射して光ったように見えた?と思ってしばらくポカポカとペットボトルを凹ましたり戻したりしてみたところ、やっぱり光ってました。
なにこれ?
2月の終わりに雪山に行きました。初心者向けの簡単なところですが、いちおうピッケルとかアイゼンとか使う程度の雪山です。
近くに住んでて自動車アクセスなら日帰りでも登れるんですが、東京から公共交通だと一泊したほうが楽だし、雪中キャンプも楽しみのひとつなのでテントで一泊しました。
テントを設営して雪上訓練とかアイゼンの慣らしなどをしたら日が暮れてきたので、それぞれテント内で夕食して就寝。こんなご時世だといろいろ気を使います(未来のかた向けに説明すると、今は感染症対策で会食が犯罪みたいな世界です)。
夕ご飯をたらふく食べて、最近あまり飲まなくなった酒を飲んで寝て(雪山でのテント泊はけっこう寒いんですがこの日は気温が-10℃くらいだったので暖かく眠れました)、夜中の2時くらいに目が覚めました。
喉乾いたなって、その辺の転がしておいたペットボトルの水を飲みました。ペットボトルに口をつけて、半分くらい凍った水を吸うように飲むと『ポカッ』っと音がしてペットボトルが凹んだ。
すると、視界の端がなんだか青い。
飲み口から口を離すとまた『ポカッ』っと音がして凹みが戻ったら、また視界の端が青い。
ん?
と思いつつも、テントの外にいる人が出すライトの光がペットボトルの曲面に反射して光ったのだろうと思ってもう一口飲む。ポカッと凹んで、また青く見えた。
これ、光ってねぇか?
…。
その後、ポカポカと凹ませたり元に戻したりと何回か繰り返して確信しました。
ペットボトルを暗闇でポカポカと凹ませると光る。
夜中の静かなテント場でポカポカとペットボトルを鳴らすのもはばかられます。ということで、この夜の検証はここまで。翌日(2021/02/21)はそこそこの風がありつつも天気自体は良かったので目的の天狗岳に登頂して帰宅しました。
帰宅後、窓がないトイレを締め切って光が入らないようにして、カメラ自体の光も漏れないようにして長時間露光で写真を撮りました。
EOS 5D Mark2という古いデジタル一眼レフで、感度はISO-25600。F1.8で30秒露光という条件で撮影しました。
シャッターを開いたらレンズの前でペットボトルをポカポカさせますってぇと、肉眼にも青い光がハッキリ見えて、写真にも写りました。
気のせいや見間違えではなく、ちゃんと、実際に光っています。
こういう現象があるんだけど、なんで光るか知ってる?とSNSで聞いてみたところ、「くっつけたガムテープを剥がす時に光るのと同じでは?」と教えてくれました。当サイトでもライターとして書いてる加藤まさゆきさん(理科の先生)が。
要は、くっついてるものが剥がれる時に発生する静電気で光ってるのだというわけです。
確かに、光ったあとのペットボトルをよく見ると、薄くフィルムのようなものが剥がれたっぽく見えます。
剥がれた部分は空気が入ってるみたいに見えます。
何度かポカポカさせていると光らない部分が増えていきます。フィルムが剥がれる時に光って、剥がれ終えた部分は光らなくなります。ということは、剥がれる瞬間に光っているのでしょう。
剥がれた部分をカッターで切り開いてみると、外側が厚いPET樹脂の壁で、内側に薄いフィルムがあるという構造になっていました。
図解すると下の絵のような感じです。
こういう現象のことを摩擦ルミネッセンス(摩擦発光)と言うそうです。ペットボトルの構造に由来して、フィルムが剥離する時にルミネッセンスしてるっぽい。なるほど原理は完全に理解した(してない)。
でも、問題が一つありました。他のペットボトルで再現しない。
写真の通り、飲料水のボトルとして使うためにラベルを剥がしてしまったので、元々なんの飲み物なのか分かりません。つまり同じボトルが手に入らない。
厚みとか形からして炭酸飲料なのは間違いないのですが正体は不明。
500mlの飲み物をいくつか買ってきましたが、色や形が違うし、ポカポカさせても光るボトルに当たりません。
似てるの数本のうち、特にポッカの『がぶ飲み エックスフリーダムエナジー』に似てる気がします。
下の写真の、左がポカポカすると光るやつで、右はがぶ飲みエックスフリーダムエナジー。
これかな?と思って暗闇で凹ませたり戻したりしてみましたが光らないし、内側のフィルムも剥がれた様子がありません。
そういえば雪中テント泊は寒かったなと思って凍らせてみたけど、結露に猫毛が付いただけで発光現象は起きませんでした。
というように、いろんなペットボトルをポカポカと凹ませたり凍らせたりしてみたんですが…。
すみません、最初の1本以外に、光るペットボトルを作れませんでした。 内側のフィルムがいい具合に剥離するボトルを作る方法は分かりませんでした。
今回は、たまたまそういうペットボトルが出来て、たまたま真っ暗なテントで飲んだら光ってることに気づいて、たまたまそれを何度も試してみたら実際に光ってると分かったという、偶然の産物なのでした。
もし、ポカポカと凹ませることで内側のフィルムが剥がれるペットボトルが手元にあったら、暗闇でポカポカしてみてください。
目が暗闇にちゃんと慣れていれば青い光が見えるはずです。
この話を人に言ったら100億%バカにされると思ったら、意外に真面目に取り合ってくれる人もいて驚きました。加藤さんほかお友達の皆さん、ありがとうございます。
でも、最終的に内側が剥がれるペットボトルの作り方はわからず、たまたま光る状態になっていたペットボトルが1本手元に残る形となりました。
引き続き条件を調べようかと思いますが、みなさんもペットボトルをポカポカして光るかどうか試してみてください。
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