わかりましたので報告スタイルでいきます
(5店回ってわかったことがたくさんあるので、今回は編集部へのご報告という形で記事を進めます)
ライター 大北:タピオカミルクティーが流行ってますが、うんと前にも流行った気もするし、ほんの少し前にも流行った気もする。日本がタピオカミルクティーのバグにハマって、永遠に流行り続けてる気がしていて…
デイリーポータルZ編集部 古賀:タピオカミルクティーに関しては、一回衰退したところまで見届けたぞ、という気がちゃんとしてます私。池袋のロサ会館の近くにあった店がちゃんとつぶれた。
大北:行列の先がタピオカミルクティー!?
古賀:なんで!?っていう
大北:前にやってなかったその番組!?って
古賀:デジャヴュですよね
大北:我々が疲れているのかもしれない。
大北:でもとりあえずあの行列に並んでみようと。金曜午後と土曜にかけて5店行ってきました。後で検索で仕入れた情報もあるのでその辺もまとめます
古賀:ウォォ、いま明らかになるんだ!タピオカミルクティーの謎が!
一店目、世界1400、都内15店舗のゴンチャ
大北:まず一店目は阿佐ヶ谷駅にある「貢ぐ茶」と書いてゴンチャですね。台湾から来た専門店です。駅ビルにありますね
古賀:スタバ感覚だ
大北:そうですね、スタバ感覚、まさに。
古賀:中央線沿線かあ、意外なところにあるんだ
大北:阿佐ヶ谷に行列ができてるって聞いて、意外なとこに行列できてるんだなーと行ってみたんですが世界で1400、都内で15店舗あるみたいです。
大北:平日午後ということもあり、行列自体はなかったです。注文してすぐその場で作ってくれるるんですけど、シーリングっていうんですか、フタがピターッと密封されてたりするんです。ちょっと手間がかかってる。時間も思ったよりかかるので、行列もできやすいんだろうなと
タピオカは余るほど入れてくる
大北:基本的にはタピオカは沈むものなんですが、写真では訴求したいがために上がってきましたね
古賀:タピオカをシズル要素にしてるんだ。それは意外!
古賀:うわわわわ、タピオカ思った以上にたっぷりだ。こんなに要るっけ!?タピオカって
大北:こんなに要るっけ!?というのは今のブームの特徴かもしれません。普通こういうトッピング的に入ってるものは途中でなくなるじゃないですか。気をつけてバランスよくいこうと思ったら……ごぼっと余りました
ガムだ! タピオカはガムだ!
大北:タピオカを食べたんですが、想像より大きくて、これがまあ本当にもっちゃもっちゃしてて。ガムだ!!と思いました。ここまでモチモチのものは餅超えてガムだなと。
古賀:弾力があって噛み切れないという感じ?
大北:そうですそうです、くっちゃらくっちゃら感というか噛んでる時間が一つの遊びみたいな
古賀:ミルクティーも紅茶としておいしいんでしょうか?
大北:専門店だけあっておいしいです。今まで飲んできた紅茶よりも鮮烈な香りがしますね。あとガッツリ甘いです。ファーストインパクトがなかなか強い。甘い、そして香る。
古賀:あっ!紅茶がそんなに香るんだ!
大北:そのあとすぐにドゥルッドゥルッてタピオカが入ってくるんです。
古賀:すごい
大北:で、ガムかよってくらいもっちゃりする。なかなかに忙しいですよ。一つ一つが、お、そうきたか、みたいなのは確かにあります
古賀:まさに「珍しきもの」だ
大北:そうですね、お殿さまも褒美をとらせたと思います。
古賀:なんか一気に「良いものなのでは?」という気持ちになってきました
大北:一つ一つ感覚を書き出したらそういうことであって、想像するタピオカミルクティーがちょっとおいしくなったくらいが実感かもしれません。
官能的な食感
大北:古賀さんが前に口唇期の欲求を叶えるような食べ物が人気あるのでは?と言ってましたよね
古賀:食感の記事のときですね
大北:唇が喜ぶような、単刀直入に言うとエロい、官能的な食感。つるつるしたタピオカがドゥルッて入ってくと唇とか舌が喜びます。もっちゃもっちゃもまさに。これが小さいとプチプチどまりですが大きいのがまさに。
古賀:餅だともちゃもちゃしすぎ、ゼリーだとやわらかすぎる、グミだとかたすぎる、みたいな、あのへんの食感のたべものの良さが極まったのか…!!
大北:ええ、例えばおしるこじゃなぜダメなのかとおばあちゃんたちは思ってると思うんですが
古賀:思ってますかな…
大北:おしるこはストローから飲まないのでドゥルッがない。ガムくらいおしるこくちゃくちゃ噛んだら歯にくっつくと思いますね。
古賀:あと思うんですが、甘味としてタピオカミルクティーって攻撃力が低いよね。 おしるこはものすごく攻撃的。食べてて疲れますよね。
大北:いや、はたしておしるこは飲み物でしょうか?
古賀:言い出したのはお前だ!
タピオカ残ってる問題2019
大北:そして飲み終わってもタピオカ残ってる問題ですよ。ちょっとしたうれしさもあるんです。そこまで入れてくれてたの!?という
古賀:あああ~~っ。こぼれる日本酒みたいな。アトラクション性あるサービスを感じられるんだ
大北:こぼれた日本酒はあとから足せばいいじゃないですか。残ったタピオカね、けっこうしんどいんです
古賀:笑!!!
大北:ストローで狙って吸っていかないといけないでしょ。で、ミルクティーがあってはじめてドゥルっとしてたのが、タピオカだけで吸うとなんていうんですか、エアシューターみたいな。シュポッ!!って勢い良すぎてのどまで直接飛んでくんですよ
古賀:のどの奥に当たるんだ
大北:ムホッ!とむせるし、直接飲み込んで踊り食いみたいなことになる
古賀:どういう体験だ??
大北:タピオカはやっぱり飲み物じゃないなとここで思います、直接飲み込むとじわーっと嫌な感じもある。なので途中からコツを編み出すんですね、吸って舌に当てて口の中に落とし込む
古賀:攻略するんだね
大北:でもそれがなかなか難しくて喉の奥をタピオカが直撃してくるんですけど、こんなことある!?って思って。女子がいっぱい並んでる飲み物が喉の奥を攻撃してくることある!?って。
古賀:みんなどうしてるんだろう、残ったものは
大北:友人の張江さんが知り合いの女の子に聞いたところ量が多いから捨てることもあるとか。
古賀:あ!そういえばわたしが好きな「すみっコぐらし」というキャラクターに「たぴおか」ってキャラがいるんですが、そのキャラは「飲み残されたタピオカ」という設定ですね。あるあるなのかも
大北:中国文化圏はちょっと残す、みたいなとこから来てるのかもしれないですね
女性が19人並んでいる新宿のジアレイに
大北:2店目はおそらく今のブームの発端ではないにしても中心地にはこれがいるんじゃないかというジアレイ。新宿です。ルミネ1にいつの間にか行列できていて、それがタピオカミルクティーだったときの、え!? なんで!? っていう、この記事の発端でもあります。
古賀:実は私も娘にせがまれて別の店舗行ったことあるんです。混んでたな。
大北:平日の午後3時でも行列をしてました。20人。20人中19人女性で、あと1人はその彼氏、そこにデイリーポータルが1人追加、ですね
古賀:「女性に人気」って書くとばかにしてるけど、実際がそうなんだから黙るね
大北:あとこれはデイリーのライターの井口エリさんがいっぺん飲んでみてくれと推していたところでもあります。
古賀:ほー! 私もここで飲んで、お茶は確かにすごく香るし高級だなと思ったんですよね
大北:ここのは、はっきりと飲んだことない香りのミルクティーだったので中国茶かもしれませんね
古賀:あとは甘いのがいいんでしょうよね。スタバが流行したのって、コーヒー屋に見えて甘味処だからでしょう
大北:なるほど! まさに今ここで起こってることだ。
行列にならんだ!
大北:行列が新宿の地下街だからちょっとおしっこくさいんですけどね、あとすごく狭いポイントとか抜けないといけなくて。ここですね。シャッター扉の脇、みたいな。行列ここまで伸びてるのかと
古賀:へーっ! 確かに新宿の地下ってすごく人通り多くて、ここに並ぶのかという場所ですよね
大北:そうです。あと並んでるのは2人組が多く、ずっとおしゃべりをしてますね。
古賀:楽しそうだ
大北:おっさんは二人でぶらぶらしたりおしゃべりしたりしないですからね。そしてみんなテイクアウトだから列自体もそこまで遅くはないです。20人いて30分くらいかな
インスタ用の写真も撮る
大北:あと商品買った人はきっちり店のロゴとミルクティーを構図内におさめてSNS用かなと思われる写真撮ってました。そんなことやらんぜという気概がある人も多いかもしれませんが、やる人はやる。
古賀:ふつうに生きてたら「やる」んですよね。気概があってはじめて「やらない」。それくらいの温度感の場所ですよね
大北:そうですね、まあさらっとやっとくか、くらいの。感じのいい場所にきたしね♪ってくらい
古賀:楽しそう!!!! いいなあ。報告を聞いて完全に行きたくなってます
世界的に流行ってるらしい
大北:ベトナムでも流行ってるよーって現地に住んでる知り合いが言ってたんですよ、このジアレイができて話題になってたと
古賀:なんとベトナムでも! 口唇期由来と聞くと世界で行ける感じも理解できる
大北:学生時代の友人がハワイのガイドブックを作ってるんですが、ハワイでも2年前くらいから流行ってたよと。
古賀:なんなん…
大北:あと韓国でも今ブーム中だそうです。
古賀:席巻だ
新タピオカミルクティーブームは香りが良い
大北:ここのはでも紅茶のミルクティーっぽくないじゃないですか、パーッとちがった香りがする
古賀:うん、そうだよね
大北:お花の香りや~!とぼくはニルヴァーナにまで行った感じあったんですけど
古賀:けっこうな感動量だ
大北:まあ瞬間、ですよ、いっぺん死んですぐ戻ってきてますよ。そしてガツンと甘い
古賀:ミルクティーというのは甘いことがゆるされているお茶ですよね
大北:たしかに。ミルクティーはちょっとスイーツっぽいところがある。
古賀:そうそう
大北:ここは黒糖タピオカと銘打った別メニューが人気だそうで、それははっきりと甘いようですね。ふつうのでも甘かったです。もっちゃもっちゃ感も一店目と似てました。
古賀:もっと甘い玉があるんだ
大北:タピオカを甘くする、味をつける動きがあるみたいですね。
古賀:今のタピオカシーンで
大北:そして食べ物はやっぱり香りの要素がでかいらしいですよ。鮮烈ないい香りと甘みがあったら強いですよね
古賀:へえ! 香り
タピオカが余るのはコーンスープのそれ
大北:そしてここでもやっぱりタピオカが余ったんですよ!!
古賀:基本的に多いんだ
大北:外で飲んでて、寒中タピオカを探してストローをずずずとやって、何をやってるんだろう! と。
古賀:そういえば、コーンスープの缶でつぶつぶを最後まで飲むときに難儀しますよね、やってることとしてはあれに近い気がします
大北:あーそれだ! つぶつぶコーンの2019年がタピオカミルクティーの余り
3店目台湾のティースタンド文化 CoCo都可
大北:そして3店目もいきました。CoCo都可っていう、世界で3000店舗以上だそうです。店舗数すごいですね。どうかしている
古賀:かわいい
大北:量も多いんですよ
古賀:多いな~~~~笑!!! たっぷんたっぷんですね! そういえば今までのところ、全部氷入ってないね
大北:氷と甘さ、選べるところがほとんどです
古賀:へ~~、氷を入れるか抜くか?
大北:あとここは前の二店より甘かった。ミルクティーもガツーンと甘いし、タピオカもしっかり甘い。お茶の本格派!みたいな売り方じゃないんですね。
古賀:ちょっと軟派なんですね
大北:いろんなメニューがあるパターン
古賀:多い!!! 多いのレベルが想像以上だ
大北:タピオカチョコレートとかね。並んでる女子高生がめっちゃ迷ってました。一人、列からはみ出して。どうしよ~って。いつもはフルーツ系頼んでるそうです。ここでタピオカミルクティーブームは別にミルクティーじゃなくていいのかもと発見に至りました。
台湾ではおっちゃんおばちゃんも利用する
古賀:ちょっといま検索してたんですが、台湾に「ティースタンド」って文化があって、それなんですね。ここの店は
大北:ちょうど今台湾に知り合いが行ってるらしくてLINEが来ました。どうやらあっちはインスタ映えとかではなくファーストフードとして定着してるんだそうです。おっちゃんおばちゃんみんな利用してるらしいです
古賀:ははーん
大北:食べ物と飲み物の中間のファーストフードみたいな扱いだそうで。人気のあるのはCOCOって店という、ここですねおそらく。タピオカの味がわらび餅っぽいとも
古賀:タピオカはおなかにたまりそう
大北:夜ご飯にはちょっとおなかがへってきてたので、ほんとにあくまで間食ですかね
古賀:ちょうど良さはありますね。ケーキみたいにご飯を侵食するような重さがなくて
大北:検索すると一般的なタピオカミルクティーは550kcalと出ました。まあ夢をこわす話ですよね
インスタ映えの視点で選んだ4店目
大北:で、3店行って大体どういうものかが出てるのかはわかったので一店、インスタ映えという視点から見てみたいなと。ここに行ったらすごかったというお店を別の知り合いが紹介してくれました。これです
古賀:これは…!!
大北:Tea Stand...7
古賀:かわいい!!!!
大北:これがなんと錦糸町にあるんですよ
古賀:そうですよ、俺たちの錦糸町はこれだ
大北:突如こういう行列があって。おおっ!!という
古賀:かわいい場所から女の子があふれだしてるね
大北:このあとお昼ご飯でアジアのカレー食べてたんですけど、場外馬券売り場のおっさんが外で吐いてて警察と救急車が来てました。錦糸町が煮詰まったような感じ。でもここだけはちがう!
古賀:カーッ
大北:ここは紅茶の専門店の支店だそうです。あと店の入り口のわきにこういうスペースがあってここで写真撮ってておかしいなと思ったら……この日はMONSTA Xのチャンギュンという方の誕生日イベントが朝にあったそうです。そのせいで行列ができてたのかもしれないんですが……でも韓国、アイドル、タピオカミルクティー。この親和性といったらないというか
古賀:新大久保の感じだ
大北:この世代の女の子の流行は世界的なんだなと。世界の均質化に巻き込まれた感じありました
古賀:韓国、アイドル、タピオカミルクティーに集約している感じ?
大北:インスタの流行とかにしてもグローバルですよね。その3つは世界的なんだろなーと
大北:あとデイリーの考現学層にはやっぱり室外機がどうなってるのか気になってると思うんですけど……
やっぱりかわいい感じです
室外機まで映える
古賀: 室外機めっちゃ気になってましたがかわいい。これが室外機か
大北:これですね。写真撮ってる子はいなかったですが
古賀:インスタが流行るって、アプリじゃなくて行動が流行ってるんですよね「かわいい場所に行って写真を撮ってみんなに見せる」という
大北:そうですねえ
古賀:それすごいよね。かわいい場所、かわいい食べ物の需要が急上昇した。食紅の売上上がってんだろうな
大北:たしかに、ビートルズでバンドが流行ってギターが売れるようなのですよね
大北:場違いなところに並ぶ気まずさをカバーするために、生粋のタピオカミルクティーファンみたいな感じを出してました。 何年もデイリーポータルでこういう気まずさを書いてますが、それでもさすがに居づらさあるんですよ
古賀:感じるほどの居づらさってなんだかんだいって結構珍しいことだと思うんですよね
大北: そうですね、なかなか上位の店だと思います
大北:窓に映るお灸の字がうっすら錦糸町感
古賀:いい場所だ!これはいい体験ですよ! こういうことですよ、人生って
大北:人生これですね。クレーンゲームがあるんですよ
古賀:まじか
大北:この日はチャンギュンまつりだったから中身はそれっぽいんですけど、ふだんはかわいいもの入れてるんでしょうねー
古賀:チャンギュンのファンになってこの日この店に行きたかった。相当最高だろうな
大北:ニコラなどで紹介されてるようです、めざましTVなどテレビもたくさん来てるみたいです。これだけピンクですし
古賀:相当まとまってたと思いますよ、好きなものがここに
大北:ぼくはどの席がいいかなと考えたんですが、この木陰が一番居やすかったです。ブッシュに隠れて狙撃する、みたいなことですね
古賀:でもここは行ってよかったですね、大きな文化のうねりを感じます
大北:まだタピオカたどりついてないのにこれだけ楽しんでますからね。さ、タピオカいきましょう
中国茶系vs紅茶系タピオカミルクティー
大北:さっきぼくはスイーツ好き紳士みたいな空気でいたって言ったでしょう?
古賀:うん
大北:お店の人もちょっと気遣ってくれて「お味はどうでしたか?」と聞いてくれてお話を聞けました。ここは紅茶王子のお店らしくて基本は紅茶の店らしいんですよ。で、今ちまたで流行ってるタピオカミルクティーは中国茶だというんです。でも紅茶でやる良さもあって、それは後味に渋みがないということだそうです
古賀:ほほー!
大北:紅茶王子というのはぼくも知らなかったんですが、たぶんニットの貴公子広瀬光治とか、スイーツ親方大乃国みたいな人だと思います
古賀:スイーツ親方、ものすごい久しぶりに聞きましたね
大北:たしかに言われてみれば後味の感じが良いなあというのもあり。あと、味でいえばここはタピオカがぬるかったんです、これがね、よかった。なんかお寿司みたいでよかったんです。
古賀:良い寿司はしゃりがあったかいですもんね
大北:タピオカもぬるいと生感ある、意外な指標だなと。でも甘みは少なめ。紅茶のシロップに漬けてると言ってました。甘みが中にあるんじゃなくまとってるってことなんですね。ものすごく高級なもっちゃもっちゃする駄菓子みたいなタピオカでした。
大北:で、なんで今こんなに流行ってるんですか? と聞いてみたですね。どうやらずっと流行ってたんだけど、ここ最近は台湾からの専門店上陸ブームでまた来てる、ということでした
古賀:あっ!ずっと流行してたんだ! 専門店が上陸して活気づいたってことか
専門店上陸が相次いでるのが人気の理由
大北:ここでいったんWeb記事にうりましょうか。この記事が流行した食品の歴史を追ってておもしろかったんですが…
(参考 なぜ日本人は「タピオカミルクティー」が好きなのか?【ファッションフードの平成史】ーーGetNavi
大北:ティラミスがあって、チーズ蒸しパンがあって、次なにかなにかという機運があった。その前にグミブームもあって、ここには書いてないですがナタデココブームもありましたよね、変な食感の流れがあったのでタピオカもウケはじめたと
古賀:うわー、なるほどなあ
大北:『90年代後半に第2のタピオカブームが起こる。「タピオカミルクティー」である。』
とありますね。80年代の第一次ブームはタピオカ単体でぼくらが経験したのは90年代後半のミルクティーに入ったブームだったのかと。
古賀:ほほーっ! 感心してうなり声くらいしか出ません
大北:そこから2013年に春水堂が上陸して、ジアレイ他がここ2,3年でどんどん上陸してきて再ブームに。
ゴンチャが2015年、ジアレイ、CoCo都可、Chatimeはどれも2017年ですね。今の流行は2017年の上陸3つがでかそう。そしてそれは、世界的にもブーム中だと。
古賀:こうなるとあとはいつまで続くかを見守るフェーズですね
二畳あればタピオカミルクティー屋を…
大北:先程のガイドブック作ってる知り合いに流行の理由を聞くと『極小スペースでも経営が成り立つっていうのが東京にあってたのかもね。 「2畳あればタピオカミルクティーをやれ」っていうね』と。
古賀:2畳あればタピオカミルクティーをやれ…!
大北:原価も安いですからお店としてもすごく良いんでしょうね。というのも最後に行った5店目のパールレディは290円で出してました。他は500円以上するのにそれで商売が成立するんだから原価は低いのだろうなと
5店目は日本発のタピオカミルクティー
大北:上陸系がブームを起こしてるんだったら、それとは別のタピオカミルクティー屋に行ってみよう、と。5店目はパールレディですね。90年代後半にタピオカミルクティーブームが起こって、2000年にコンビニにタピオカミルクティーが並んで、その流れで日本にできた日本発のタピオカミルクティー屋がパールレディだそうです。
古賀:日本生まれの老舗のタピオカ専門店とある…!!
大北:よく考えるとわからなくなってきますね。
だんだんわかってきたタピオカミルクティー
大北:飲んでみるとそこまで他と違うわけではなかったです。甘くて紅茶の香りがして、もっちゃもっちゃでタピオカも甘い。当時よりも、きっと今の流行に合わせてるんだと思います。この店は290円だったので、おれはこのへんでいいかもなと思ったんです。
と同時に、5店くらいでいいかな、とも。
古賀:「だいたいわかった」があったんですね
大北:先程のティースタンド7にしてもやっぱりタピオカが余ったんですよね。そのときにぼくの中で「ああ、掃除機になるあれね」「さあ、ゴーストバスターズタイムスタート!」みたいな感じでストローを掃除機にしてタピオカ吸ってたんですよ
古賀:慣れたものだ。大北くんのなかで珍しさがなくなって、日常へ移行したんだ
大北:そうですね。5店目で飲みながら歩いたんですが「おれ今タピオカミルクティーを飲みながら歩いてるな」とハッとして。入った…!!と思いましたね。あちら側へ
古賀:彼岸へ…!! タピオカミルクティーの川の向こうだ
大北:入り口はやっぱりどこかにあるもので、知らず知らずのうちに入ってましたね、あっちの世界へ
古賀:ようこそ!
観光地気分の飲み物
大北:飲みながら歩く良さもちょっとわかったんです
。なんていうか手数がちょっと多いんですよ。ガムかみながら歩くとか水飴こねながら歩くとかなんかお祭りのときとか電球光らせたりしてるじゃないですか
アトラクション性がちょっとあるというか。
それはドゥルドゥルっと入ってくことと、長くもっちゃもっちゃしてる部分のことなんですけど
古賀:ちょっと楽しいんだね
大北:そう、ちょっとした浮かれ状態にあったともうんです
古賀:ちょうどよくちょっと楽しいんだ
大北:観光地っぽいというか、実家の近所とかでは飲まない。服とかちょっと見ながらブラブラって感じにすごく合うと思います
古賀:観光地っぽさか、なるほど。観光地って確かになんか食べながら歩きますね
ミルクティーを食べるためにタピオカを入れた
大北:そうですね、こうして大体感じがわかったタピオカミルクティーなんですが、感覚としてはミルクティーの良さをもっと味わうためのものかなという気もしてます。華やかな香りと甘み…というみんなが好きな部分に噛みごたえとかボリュームが出てきた。アーティストのファンがファンクラブに入るみたいな。甘い紅茶をもっともっと味わいたい、飲むだけじゃない、食べたい!みたいなことなんじゃないか。「カレーは飲み物」という言説とちょうど逆ですね
古賀:飲み物を食べたかったんだ、みんな
大北:もっと味わいたくてミルクティーは食べ物!みたいな
古賀:ははーっ!
大北:そういう一面もありそうです
人気の理由が多すぎる
大北:この記事を書くにあたって、知り合いづてにカフェ系雑誌の編集の方とかに2人聞いてみてくれたりしたんですが、流行はこれだ!っていうのがあんまりビシッとはわからないみたいなんですよね。専門店上陸が相次いだのが大きそうですが。
なので今ちょっとわかってるところだけまとめてみましょうか
■人気の理由
・台湾から専門店上陸
2017年に一気に増えた。これが一番大きそう
・台湾旅行ブーム
最近の高校生は修学旅行先が台湾だったり
・フードとドリンクの中間
間食として罪悪感が少ない
・持ち歩きドリンク
観光地の浮かれ的な楽しさ
・ミルクティーがおいしくなった
中国茶になった
・店を出しやすい
狭くてもいいし原価が安そう
・インスタ映え
かわいいものをSNSに上げる世界的流行
・海外でも人気だそうだ
台湾の店舗が各地に出店
・おしゃべりするので行列も楽しい
女性二人組が多い
・ミルクティーを食べたい
ミルクティーの美味しさを深く長く味わえる
・女性版二郎じゃないか
女性が多い店なので気楽そうだし楽しそう
古賀:女の二郎…
大北:こんなに女の子しか並んでない食べ物ないなと思ったんですが、二郎インスパイアと呼ばれるラーメン屋の行列をその後で見たら、男性しかいなかったのでこれだなと
大北:ぼくは体験して思ったのはタピオカミルクティー、味のファーストインパクト強いな!と思って
古賀:あー!それは二郎性ありますね
大北:こんだけガツンとくるのラーメンみたいだなと。香りと甘みでガツン!と来る。あとのタピオカはおもしろさとかアトラクション性とか、紅茶のおいしさを伸ばすことなのかなと。ファーストインパクトあり、お楽しみあり、経済性あり、話題性あり、インスタ映えあり、などなど考えれば考えるほど強いな、と。
古賀:なんというか、そもそもトリッキーすぎると思ったんですよね。お茶にもちもちした丸いもんが入ってるって。でも条件はめていったらバンバンそら流行するわなというところにハマってくので驚きました。
大北:そうですね、こういうことが許されるならなんでもOK!ってなりますよね。なんていうか豚の脂身おやつにしてもいいじゃん、みたいな。
大北:最強! みたいなとこまで理解はしたんですが、そろそろ引退しようかなと
古賀:おつかれさまでした
大北:でも選択肢の一つには定着しました。おにぎりの権兵衛くらいには。はらドーナツくらいには
古賀:絶妙に定着した両者を出したな
ライターからのお知らせ
この記事が出た2019/1/29火曜の夜にコントを応援上映するイベントをします。むちゃくちゃに声出すとなんでもおもしろくなります。当日でも予約を受け付けますので
明日のアー『観光』応援上映イベント
@阿佐ヶ谷ロフトA
OPEN 18:30 / START 19:30
予約¥2,000 / 当日¥2,500(共に飲食代別・サイリウム1本付き ※要1オーダー¥500以上)
予約と詳細はこちらのページにて