特集 2024年1月29日

パンケーキリクガメパンケーキを作る

むずい!
殴り書きした王蟲(オーム)みたいになってしまった。
やり直したらプランクトンみたいなのができた。
でもうまい!

あまりの完成度の低さに軽くめまいがしたがやるべきことは練習しかない。人間とはえらいもので、いろいろ試行錯誤を蹴り返していくうちにだんだんと描き慣れて、なんとか形になってきた。

描線や焼きの入れ方がしっかりしてきたし、写真も職人っぽくなってきた。
一度輪郭を焼いたあと、濃くしたい部分にミックスを塗り、2度目の焼きを入れる。
餃子でいう羽根的なところを切り落として甲羅っぽくなった。

 頭はクッキーで

頭や足は同じホットケーキミックスで生地を固めにして形を作り、オーブンで焼いてスコーンみたくすればなんとかなるだろうとわりと安直に考えた。

下書きの上にクッキングシートを敷いて大きさを確認しながら作ったが焼いたらふっくらしすぎて原形をとどめず。

やっぱり安直だったことがよくわかり、もっと硬質にせねばならんと膨張を抑えるためベーキングパウダーを使わずに薄力粉と少量の牛乳で生地を作りクッキーにしてみたら、なかなかいい感じに焼き上がった。

膨らみを考えてソリッドに成形する。
いろいろ作ってうまくいったやつを採用する作戦(やはりうまくいかなくてこれを2回繰り返した)
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 焼き上がったパーツたちを組み合わせていく。

失敗したパンケーキを腹にして、顔、足、しっぽを配置。カメはトカゲだな、こうして見ると(なにが)
(やさしく)甲羅をかぶせる。それだけでカメっぽくなる。甲羅すごい。
デコペンチョコで目と口を描き入れる。魂が入った!

卵不使用のクッキー地のままだと皮膚が白すぎるのでシナモンパウダーを塗り込む。デコペンでうろこを描いたりするよりこっちのほうが雰囲気が出るのではないかと思ってやったがこれは正解だった。

生地のひび割れとかを拾ってうろこっぽくもなるし。

ホットケーキミックス3箱、薄力粉400g以上を費やしてパンケーキリクガメパンケーキは完成した。

バーン!整体の施術を待っている人に見えなくもないが。

 ディテールはとにかく甲羅の扁平感はまさしくパンケーキリクガメ。こうしてパンケーキにしてみることで、いかにかのカメがパンケーキっぽいかがあらためてわかる。

時刻は25時。
後姿もなかなか。

コーヒーとフォークを添えて食卓っぽくすると生々しくなる。

なごり惜しいが実食タイムです。​
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うまい。甲羅の模様のとこがカリッとして香ばしくて。

 甲羅のパンケーキも、顔に手足のクッキーもうまかったがなんせ粉物にしてこのボリュームなので激しく喉が乾く。
私が見たパンケーキリクガメは物陰から素早く飛び出し水飲み場でごくごく水を飲み、すぐに去っていった。

うまそうに飲むなしかし。

私はパンケーキリクガメをパンケーキで作ることによって、サバンナや岩場の乾燥地帯に住み、天敵の目を盗んで水分補給をして暮らす彼らの渇望を追体験しているのではないかと思った。

「そんなことはない。」

なんかこんな試行錯誤を以前にもしたことがあるなと思ったら
スベスベマンジュウガニのまんじゅう、スベスベカニまんじゅうを作った時で、もう11年も前のことだった。
今は失敗した顔手足クッキーたちを少しずつ食べる、湖のほとりのような穏やかな日々を過ごしている。またお会いしましょう。
 

足にシナモンパウダーを練りこんだらなんだかわからないものになってしまった失敗作でティータイム。

編集注)伊藤さんが使っているのはこちら

テンヨー(Tenyo) クッキングトイ パンケーキアーティスト

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