ざるが映し出す模様
机の上のざるが映していた模様というのは、これです。

さすがにこれだと何だか分からないかもしれないので、もうちょっと全体が見えるようにしてみると、こう。

つまり、そうめんの水分がざるに残り、網目ごとに少しづつ乾いていく途中でこういう模様が見えた、ということなのだった。

何か描いてみよう
ここからがようやく本題。ざるでこんなふうな模様が作れるなら、何か書いてみようじゃないか、というわけです。
というわけで、ざると筆、それに水を入れたパレットを用意し、金網の目にひとつずつ水滴を落としていく、ということをやってみた。最初にできたのがこれ。

この時点では何が書いてあるのか分からない。だけど、これを明かりにかざすと、こんなふうに文字が浮かび上がってくるのだ。

分かりやすい。だれがどうみてもざるでしょう。
そしてまた、ぼくはひとつの可能性を思う。タイプライターを渡された猿が、偶然シェークスピアの一節を書き上げる可能性はゼロじゃない。同じように、そうめんを食べ終わったざるの底に、ぐうぜん「ざる」の模様に水滴が残ることだってあるだろう。
とても長い時間がかかるかもしれないが、ぼくはそんな瞬間が見てみたい。