夜パフェその3 ホッと一息つける空洞~Vigo KURAMAE~
夜パフェで探しても、都内にはまだまだ専門店が少ない。
そんななか、千葉の流山にある人気店が蔵前にあるという情報を手に入れた。
筆者が子供の頃は蔵前と言ったらただの乗り換えの街というイメージだったが、今や東京のブルックリンである。わくわくしちゃうな。
平日の19時ごろでまばらに人が入っているような状況だった。
筆者のような一人客もいれば、子連れのファミリーもいるが静かだ。
完全キャッシュレスとのことなのでそこだけご注意。
季節ごとにメニューが変わり、3種類から選ぶことができるらしい。
モバイルオーダーなので、躊躇なく「空洞」を選んだ。ちなみにそんなメニューはないです。
お茶で体を温めていると、一人で来ていたお客さんへ先にパフェがきていた。筆者とおんなじ物を頼んでいる。
その男性のお客さんは「うん、うん」と呟きながらおいしそうに食べていて、勝利を確信した。
少し待って筆者のもとにもパフェがきた。
大きめのワイングラスにきれいに飾られたいちごと真ん中に鎮座するアイスクリーム。そしてグラスを覆うようにして載せられたスポンジとその上にさらにデコレーションされたいちごたち。贅沢だ。
「いちごのジュースだ!アイスも入ってるよ!」
隣の卓の男の子がこちらを見ていった。3歳ほどだろう。そっか、君にとってはコップに入ってるものは全部ジュースなんだね。
しかしちびっこ、今からわたしが口にするのはジュースじゃない。空洞なんだ。
食べるときは上のスポンジを崩して混ぜてくださいと言われた。
夜パフェの空洞は結局最後混ぜたり崩したりさせられる。食べる側に必ずちょっとした罪悪感が伴う。大人になるってそういうことなのかもしれない。
上に刺さった茶色いクッキーのようなものがほろ苦くていいアクセントになっている。クリーム、スポンジ、アイス、いちご、クッキーのいろんな味が楽しめる。
ペロリと平らげてお茶でさっぱりしながら一息つく。幸せだ。
店員さんの距離感も近すぎず、しかし次の新メニューのおすすめなども気さくに教えてくれて自然にまた来ようと思える良さがあった。
3店舗の中でもっとも落ち着きがあって、一人でゆっくりしたいときのお気に入りスポットになりそうだ。
おしゃれは空洞をも食べる
ここまで3つの空洞パフェを観察した。
最初こそすべてクリームとコーンフレークでぎちぎちにしてしまえよ、と思っていたが、空洞には空洞なりよさがあることに気づけた。
空洞のここがいい!
- 空洞でカサが減るため、締めにちょうどいい
- 胃もたれしない
- おしゃれ
- 見た目がうつくしい
- 空洞の前後でパフェの雰囲気・味を変えられる
- おしゃれ
- 抜け感がでる
- おしゃれ
要はおしゃれなのだ。垢抜けてる感じがある。おしゃれなものを食べるということは空洞をも食べる、ということなのかもしれない。