このご時世、どう飲むか
パリ:
こないだ、ナオさんが仕事で大阪から東京に来るという日に、1日時間がとれるタイミングがあったんですよね。以前なら当然「じゃあちょっと夜の街にくりだしますか!」となったんだけど。
ナオ:
今は夕方から居酒屋で気をつけつつ飲むとしても19時でお酒の提供は終わってしまいますし。ならいっそ、朝早く集まってどこか広々としたところで乾杯するのはどうか? と。
パリ:
うん。で、昼飲みハシゴ酒とかも考えたけど、それもこのご時世、やっぱりどこか不安がつきまとうし、何か新しい飲みの形はないか? と考えて。飲食店以外で美味しいものがいっぱいある場所はどこだ? デパ地下? 市場? とか。
ナオ:
そう、でもそれもいいけどもっと自分たちにとって身近な場所があるじゃないか!
パリ:
あ!
ナオ:
商店街だ!
パリ:
商店街だ!
ナオ:
という流れでね。商店街のあちこちで気になるものを買い集めてつまみにしようと。
パリ:
しかも今、気軽に同じ皿を箸でつっついてシェアもできない時代なので、それぞれひとつずつの同じ容器に思い思いのおつまみ弁当を作って、自慢したり羨ましがったりしながら飲むのはどうか?
ナオ:
「マイおつまみ弁当」を作ってね。しかもパリッコさんのアイデアで、江東区にある「砂町銀座商店街」でそれをすれば、そのまま荒川の河川敷まで歩けそうじゃないかと。
パリ:
そうなんです。あれこれ良さげな商店街を検討していたら、前にふらりと行って楽しかった砂町銀座商店街がすごく良かったことを思い出して、地図を見てみたらその先に荒川河川敷があって。
ナオ:
最高のコースですよ。商店街を滑走路にして川へと離陸していく。川という空へ。
パリ:
あそこ、まさか滑走路だったとは。
ナオ:
おつまみ空港だ!
パリ:
テイクオフだ! ……すいません、さかのぼって水をさすようですが、「川という空」ってのがちょっとよくわかんないけど。
ナオ:
はは。まあいいんです! 砂町銀座は私の地元の方から遠くないのですが、ちゃんと歩いたことはなかった。
パリ:
今調べてみたところ「東西約670mというロングストリートに、現在180軒ほどの店舗が営業している」だそうですよ。確かにすごい長い。
ナオ:
都内でも有数の活気ある商店街ですよね。
パリ:
そうです! 昔ながらの商店がたくさん並んでいて、そこに若いお店がちらほら混じっているような、理想の。
ナオ:
近くに暮らしていたら最高でしょうね。
パリ:
そうそう。当日もそればっか言ってた。
よだれ君状態で商店街を徘徊
パリ:
というわけで今回の趣旨をあらためて。東京都江東区にある砂町銀座商店街でそれぞれ思い思いのお惣菜を買い集め、オリジナルの「おつまみ弁当」を作ります。
ナオ:
それを持ってその先の荒川まで行き、広々とした河川敷で乾杯!
今回のコース
パリ:
こうして見ると、砂町銀座を抜けてから荒川までの距離、けっこうあるな。
ナオ:
はは、ひと駅ぶんくらいある。
パリ:
まぁいいんですよ。歩くの好きだし!
パリ:
砂町銀座、本当すごい活気で、そろそろ店たちが始まるであろう10時ちょっと前に西側の入り口に着いたら、最初の店がいきなり大行列でしたね。しかも何らかのセールやってるとかじゃなくて、日常風景っぽかった。
ナオ:
そうそう。この時、まだ9時台でしたよ。
ナオ:
だって、白菜ひと玉100円だもん。
パリ:
うちの近所の、ほぼ善意でやってる農家の無人販売所でもこのサイズなら200円しますよ。
ナオ:
安いよなー。いきなり買いそうになりましたよ。でもリュックに白菜ひと玉入れて大阪に帰らないといけないからな。
パリ:
はは。それもうリュックじゃなくて「白菜ケース」でしょう。商品名は「白菜しょえる君」。
ナオ:
ははは。「激落ち君」みたいなね。機能がそのまま名前になったやつ。
パリ:
そう考えるとカバンって、「荷物しょえる君」ですね。
ナオ:
確かに。でもそれでいくと靴だって「遠くに行ける君」ですよ。っていうか足からして「前に進む君」ですよね。
パリ:
はは。足に商品名つけなくても!
ナオ:
口は「吸える君」だし。
パリ:
吸うか吐くかはその人次第。
ナオ:
「食える君」でもいいし。
パリ:
「噛みつける君」でもいいし。
ナオ:
「歌う君」でもいいんだし。そういう意味で今回の我々は「おつまみ食べる君」ですね。
パリ:
うん。そして「よだれ君」でもあり。
ナオ:
そうか。この時点ではまだ「よだれ君」だ。
パリ:
よだれ君状態で商店街を徘徊。
まずは商店街の様子をリサーチ
ナオ:
ちなみに、パリッコさんが用意してくれたお弁当箱に詰められるぐらいのものを確保しようというしばりがあって。
パリ:
はい、手頃な大きさの、居酒屋のテイクアウトとかでもよくありそうな。
ナオ:
どれぐらい入るんだろう。3~4品? 5品? まあ工夫次第か。いや、とにかくまずは商店街の端から端まで一回見てみないと決められないなと。
パリ:
「ここに何を詰めてやろうかな〜?」と想像しながらまずは一往復。
ナオ:
往復なしルールのチキンレースも楽しそうだけど、さすがに難しいですね。
パリ:
そうそう。全部の店で買いたくなるんですよ。それに10時前だからまだオープンしてない店もけっこうあるし。
ナオ:
最後に主役級のが見つかる場合もあるじゃないですか。コース料理の表を見ておいて最後にステーキがあったら余力残すみたいな。
パリ:
うん。そうしないとお惣菜が容器からあふれてしまう。そういう難しさ、かつ楽しさがありましたね。なんせ670メートルのロングストリートですから。
ナオ:
そんなことしてたら商店街の入口すぐの天ぷら屋さんでもう終わってしまう。
パリ:
そうそう。ここのおこわと赤飯のセットのパックがやたらうまそうでさー!
ナオ:
「もう、これでいいよ!」でしたよ。
パリ:
でもそれをやってしまったら、あとは帰るしかないですからね。「あ〜美味しかった」。
ナオ:
「じゃあ、またー!」と。
パリ:
この天ぷら屋さんからしてもう見応え満点なんですよね「オリジナル定食、天丼お作りします」って、何度も言うけどそれでいいじゃん!
ナオ:
それでよすぎる。でも歩いてみると、
ナオ:
難しすぎますよ。あとそうだ。ひとりで食べきらねばと思うとボリュームの部分でも悩むんですよね。弁当箱の容量に加え、自分の胃袋の容量もある。
パリ:
ね。
パリ:
これなんか、買いたすぎるんですけどひとりでは無理でしょ。
ナオ:
確実にこれで終わってしまう。だから割と序盤で「この企画つらい」と気づきましたよね。嫌なつらさじゃなくて、「嬉しつらい」という感じですけど。
パリ:
「そんなに食べられないよ〜」のつらさね。まだ何も食べてないのに想像の時点で。これもすごいですよ。なぜオープン直後にからあげが半額に?
ナオ:
はは。まだ朝なのに! いつなら全額なんだろう。あれですね。これは商店街という名のビュッフェですね。
パリ:
食べ放題だ。
ナオ:
「全部少しずつ食べたい!」が本音だけど、それは難しい。
パリ:
「揚げ物、3種類くらいに絞ってくれ!」って思いましたもん。
ナオ:
選択肢が無限すぎる。
パリ:
ていうかさ、ここ、本当は近所の人が晩御飯のおかずを買いに来るような場所でしょ。我々のやってることがおかしいんですけどね。
ナオ:
そうそう。だから途中から「お弁当がいかにすごいか」って話になりましたもんね。美味しそうなものが最初からちょっとずついろいろ入っているという。
パリ:
お弁当って神ですよ。実際に総菜屋で「ミートボールもいいしフライもいいし、ちょっと漬物なんかもほしいな〜」って悩んでたら、これが売ってて。
ナオ:
はは。度が過ぎる。
パリ:
どう計算しても、うちらの行為だとすぐ1000円超えるんですよ。
パリ:
西側から歩き始めてついに東端に到着したところにあった焼鳥屋も魅力的でしたね。
ナオ:
絶対うまいオーラが出てます。
おつまみ集め、スタートします
パリ:
ひととおり商店街のラインナップを確認たら、ふたたびスタート地点にもどっていよいよ買い物スタート。
ナオ:
パリッコさん、入口の惣菜屋さんでいきなり買ってましたね。
パリ:
シュウマイ好きなので、最初に見つけた店で買わざるをえない。ゲン担ぎみたいなもんです。
ナオ:
はは。ゲン担ぎなんだ? いや、どういうことだろう。神社でまず手を清めるみたいな?
パリ:
そんな感じです。マイルーティーンとも言う。
ナオ:
しかし、本当にこの店で事足りるな。
パリ:
この「ごぼうメンチ」なんて、最高に食べてみたいですよね!?
ナオ:
うん。正直買い物しているパリッコさんをじっと見ているのが怖かったですよ。ここで終わってしまいそうで。
パリ:
もう、シュウマイ1個だけ買って逃げるように去りました。
ナオ:
まだ最初ですからね。でもすぐその先の肉屋でまたつかまってましたよね。
パリ:
はは。さんざん偉そうなこと言ってたけどぜんぜん自制きかないんですよ。
ナオ:
よりによって「ジャンボ焼鳥」に引っかかっちゃって。これから色々買おうというのにいきなり、ジャンボ。
パリ:
けどさ、こんな焼鳥見たことなくないすか? 一応悩むそぶりはアピールしてみたんですけど、どうしても買わずにはいられなかった。商店街の入り口で「ナオさん、おれ……メインこれで行きます!」。
パリ:
そんでこれまた入り口すぐの天ぷら屋でナオさんが天ぷら買ってると「俺もそれ欲しい!」っつって。
ナオ:
そうだ。私が天ぷら屋さんでエビ天を買ってたら「一緒にれんこん買ってもらっていいですか?」と乱入してきましたね。
パリ:
あのね。「天ぷらを買うのはいいけど、味つけはどうするつもりなんだろう? あとで醤油買うのかな?」とか思って見てたんですよ。そしたらお店のお兄さんが「少しタレかけときますね〜」って言ってるのを聞いてしまって「そりゃあたまらん!」と。
ナオ:
あの一言に反応したんですね。目ざとい! パリッコさんはスタートから数分しか経ってないのにもう色々買ってましたよ。
パリ:
序盤の3軒で弁当箱おおかた埋まってしまった。さっきの下見はなんだったんだっていう。
ナオ:
まあ気持ちはわかるけど。
パリ:
ただ、おでんのことは忘れてませんでしたよ。絶対におでんのスペースは開けておくぞと。
ナオ:
そうそう。あのもうもうと湯気のあがるおでん屋さんが美味しそうでねえ。というか、お弁当の具としておでんを見たことがなかったから悩んだ。例えば私は直前にエビ天を買っているわけです。そこにおでんが入ってくる。ウェットな具を選べば、エビ天が濡れますよね
パリ:
そんな悩み聞いたことない。しかもそのあとさらに衝撃だったのが、ナオさん、別の惣菜屋でエビフライ買ってましたよね? 破天荒すぎる。
ナオ:
そうなんですよ。こんな機会じゃないとエビ天とエビフライを両方一気には食べられないでしょう? 夢だったんですよね。
パリ:
はは。そんな夢を持ってたんだ。エビ天とエビフライとおでんが入ってるなんて、これぞ商店街弁当の醍醐味という感じもしますね。
ナオ:
本当にそう。できあいのお弁当は確かに神かもしれないけど、こっちの組み合わせは他に存在しないですから。
パリ:
そんな感じで買い集めて、商店街の東の端にたどりついてみたら、さっきやってなかった焼鳥屋が営業し始めていて。
パリ:
ここの串がものすっごいうまそうなの! 豚バラなんか、ステーキみたいでしたよ。
ナオ:
しかしパリッコさんはもうすでに「ジャンボ焼鳥」を買ってしまっているわけで。
パリ:
まさに「聞いてないよ〜!」状態ですよ。
ナオ:
ははは。誰も言ってないもんな。
パリ:
そういうシステムだもんな。
ナオ:
ここが商店街チキンレースの醍醐味なんですよ
パリ:
商店街チキンレース用のトラップとして配置された店としか思えない。
ナオ:
というか我々、9時50分ぐらいに商店街の入口にたどり着いたでしょう。それがやっと買い物を終えた時、すでに11時20分でした。
パリ:
どんだけ迷ってたんだ。
ナオ:
まあその間、スーパーに入ってる100均で私がチェアリング用の椅子を買ったりもしたんですが。
パリ:
僕も、ちょうど家の在庫がなくなりそうだったマスクを買ったり。
ナオ:
普通に商店街で買い物してる。
パリ:
「おかあさんといっしょ」でやってる「ガラピコぷ〜」のミニソフビ人形を子供用に買ったりもしました。
ナオ:
もはやお弁当とか関係なくなって。商店街って本当に楽しいですね。
パリ:
マジ最高でした。
それぞれの「おつまみ弁当」を手に乾杯
ナオ:
川沿いのベンチをテーブル代わりにチェアリングしつつ。マイおつまみ弁当作りを開始しました。周りに人はほとんどいないし広々としていて、やはり河原は最高。
パリ:
ねぇねぇ、僕の買ったジャンボ焼鳥、あらためてすごくないですか?
ナオ:
完全に「もうこれでいい」の量。肩幅ぐらいある?
パリ:
遠近感でね。でも、肩幅まではいかなくとも用意した弁当箱の大きさくらいはありました。
ナオ:
ははは。もうこれ以上入らない。
パリ:
ただ、そう思ったんだけど、
ナオ:
ていうかさ、その時初めて、真剣に詰めの作業をしてる胸元から「鳥」の字がのぞいてるのに気がついて、完全に鳥野郎ですよね。
パリ:
わはは! ほんとだ。チキン野郎。
ナオ:
いや、むしろ鳥貴族かもしれない。
パリ:
確かに気分は貴族でした。この写真バカだなー。まったく意識してなかった。ただしですよ?
ナオ:
これはこれでバカ。なんとかこう、このエビ天とエビフライのツインテールをきれいに配置したかったんですよ。
ナオ:
でも、どうしていいか全然わからない。春巻も買っちゃってるからツインテールって感じにもならないし。
パリ:
この写真、なぜだかこのジャケットを思い出しました。
ナオ:
はは。名盤! あれ、エビだったんだな。エビが2本の「2」だったんだ。
パリ:
あの赤いの、バランだったんだ。で、さらに笑ったのがおでんですよ。
パリ:
たっぷたぷ!
ナオ:
これは困った。サービス満点で嬉しいんですけどね。弁当にするのが難しい。
パリ:
幸い容器が5個入りだったんで、余ったとこへつゆをあけてね。
ナオ:
そう、別ステージにいったんあけて、そこから各自が取っていく。
パリ:
はは。ギリギリだったなー。あと1mmであふれるじゃないですかこれ。そしてこの時ですよ。ナオさんが「大根は半分でいいか」とズルをしようとした事件が発生。
ナオ:
はは。大根がすごく大きくて容器にとうてい入りそうになかったんですよ。なので割って入れようとしたら「あ、それだめ! 減点です!」とパリッコさんが。
パリ:
切り干し大根も少し食って減らそうとしてましたよね?
ナオ:
厳しいな! 切り干しがまたサービス満点なボリュームで、これも入りきらなそうで。
パリ:
そこをなんとかするのが今回の競技ですからね。
ナオ:
そうですよね。いや、見つかるとは思わず……。
それぞれのおつまみ弁当が完成
ナオ:
パリッコさんにイエローカードを出されつつもなんとか詰めこみ、完成した私の弁当がこちらです!
パリ:
やりきりましたね! これは美しいですよ。右下から左上に流れるようなレイアウトがいい。
ナオ:
フタこそできないが。
パリ:
この競技でフタは無理。
ナオ:
ちょっと見えにくいかな、自慢のツインテールが。
パリ:
いや見えます。春巻とのトリプルテールとも言える。
ナオ:
そしてハンバーグのとなりにちくわぶ。これには当の具材たちも驚いているだろう。
パリ:
これ、具体的にラインナップは?
ナオ:
右上から時計回りに
・焼きそばボール
・ハンバーグ
・ちくわぶ(おでん)
・玉子(おでん)
・大根(おでん)
・切り干し大根
・エビフライ
・エビ天
・春巻
パリ:
注目すべきはバランですよね。ハンバーグと焼きそばボールの間に1枚だけ使われている。そこよりハンバーグとちくわぶが接地するほうがまずい気もするけど。
ナオ:
ははは。バランはもう色味としてって感じで。
パリ:
そして僕のがこちら。
パリ:
人のバランのことを言っといてなんですが、僕の場合、右のバランが色味としてしか機能してない。
ナオ:
はは。壁に寄せたらバランの意味ない。
パリ:
単なるジオラマ。
ナオ:
そして全体の圧がすごい!
パリ:
とにかく焼き鳥の圧がすげーんだよな。っていうか食べ始めるにあたり、とうてい食べきれないから持参した容器に移動しましたもん。
ナオ:
そうそう。これには驚きました。さっき大根を半分に割ろうとしただけであんなに怒られたのに、パリッコさんは堂々と「あとは持って帰ろ〜」ですから。
パリ:
はは。一度弁当箱に詰めることができればいいのかなと思って。
ナオ:
詰めは成立してるっていうことね。いやでも、切り干し大根を食べて減らそうとしただけで減点されたんですよ! 持ち帰りに比べたらけなげなもんです。リュックにしまってるんだもんなー。
パリ:
今思えばレッドカードもんの行為でした。
ナオ:
まああの焼鳥はジャンボ過ぎましたね。他の中身はこれ、なんですか?
パリ:
これはですね、メインから時計回り風味で、
・ジャンボ焼鳥
・ごぼうサラダ
・れんこん天
・かまぼこ(おでん)
・シュウマイ
・たこ(おでん)
・焼きそばボール
・玉子(おでん)
ナオ:
ははは。笑えるなあ。
パリ:
異様な組み合わせ。
ナオ:
会社の同僚が隣でこれ食べてたら「こいつ将来、社長になる器かも」って思いそう。
パリ:
サラリーマン金太郎的な。
ナオ:
そうそう。とんでもなくエネルギッシュなやつ。
パリ:
いやでも、焼鳥を2本減らしたらぜんぜん食べられる量でしたよ。
ナオ:
私のより色味はきれいですね。かまぼこが華やかなんだよな。
パリ:
でしょ? だって、かまぼこそんな好きってほどじゃないもん。ナオさんが選んだちくわぶのほうがだいぶ好きなんですよ。でも、色味と物珍しさで入れました。しかし、ひとつひとつのおかずがすげーうまかったですね!
ナオ:
そうそう! できあいのお弁当ももちろん美味しいんだけど、お弁当って「これが主役でこっちは脇役」みたいな優先順位があるじゃないですか。このやりかただとそれがなくて、全部主役なんですよ。
パリ:
アベンジャーズ。
ナオ:
そうだ! アベンジャーズ弁当だわ。
パリ:
しかもんナオさん、エビフライにソースがかかってないというピンチを、ハンバーグのタレを共闘させることによって乗り越えてたし、熱い展開でした。
ナオ:
ヒーローどうしが協力しあってね。普段ならありえないタッグの味が接するところがむしろおもしい。ハンバーグソースの少しついたちくわぶの旨さよ。
パリ:
はは。うまいんだ。
ナオ:
うまいんですよ!
パリ:
そこいくと僕のは少しおもしろみが足りなかったな〜。あ、あと、この「謎の焼きそばボール」がうまかったですね!
ナオ:
そうそう! これはふたりともチョイスしていた。
パリ:
紅ショウガが効いてて、麺がカリッとした衣になってるのかな? で、なかはあっさりとした鶏団子?
ナオ:
うん。大阪の紅しょうが天にもにた味わいで。
パリ:
また食べたいな〜。天ぷらも最高だった。
ナオ:
ジャンボ焼鳥も美味しそうでした。
パリ:
最高でしたよ! 肉は柔らかいし、あと「追いダレ」が付いてるのも酒飲み的にポイント高かった。
小見出し
パリ:
今回の企画、すごく楽しかったけど課題も多かったですよね。どうすればより手軽に楽しめるようになるんだろう。
ナオ:
例えば、それぞれが3品ずつとか選んだものを半分に分けてふたりとも同じ弁当を作ってもよかったですね
パリ:
あ〜! それは時間も短縮されるし、味の感想も共有できるし。
ナオ:
ね! 量もちょうどよくなったかも。
パリ:
例えば今回それぞれが選んだものの中から3品ずつ選び出すとすると何になります?
ナオ:
えー、エビ天、ハンバーグ、切り干し大根ですかね。
パリ:
僕はジャンボ焼鳥、れんこん天、焼きそばボールかな。
ナオ:
うわー、ちょうどそれをあわせたら最高じゃないですか!?
パリ:
バランスいいすよね! ……いや、バランスはともかく。
ナオ:
うん。バランスがいいのかわからないけど夢の弁当であることは確か。
パリ:
「でっけぇハンバーグとでっけぇ焼鳥入ってる!」っていう。
ナオ:
ははは。もう1回、いや、もう2回は砂町銀座でこれをやりたい。まだまだ食べたかったものがありすぎて。
パリ:
満足そうだ。
ナオ:
次はあなたの町の商店街へおじゃまします!