パンケーキ食べた
打ち上げということででかいパンケーキを食べた。
5大ドームツアー。選ばれし者がここぞという時にやる大イベント。
だが、言葉の意味の上だけであれば僕でもできる。きっとあなたにもできる。
5大ドームツアー。
アイドルやアーティストにとって、芸能活動における成功を確固たるものにする最後の到達点。そういうイメージがある。
面と向かって「この間、5大ドームツアーをやった」と言われたらどうだろう。
「5大ドームツアーを終えた僕と写真を撮ろう」「5大ドームツアーの疲れがとれない、肩を揉んでくれ」そんな事言われたらもう黙って従うしかない。力のある言葉だ。
ちなみにこちらの記事によると、2017年時点で嵐、SMAP、関ジャニ∞、Mr.Childrenなどが5大ドームツアー実施回数上位にいる。文句のつけようのない成功者たち。
しかし、『5大』と『ドーム』と『ツアー』、3つの単語に分解するとその権威が無くなる。
5つの、ドームの、ツアーだ。グーグルマップを開いて「ドーム」と検索する。
ドームとは、半球形をした屋根のことらしいが、今回はとにかく名前に「ドーム」と付いている場所を探した。そこがドームと名乗っていることに価値があるのだ。
そしてツアーとは回遊旅行、観光旅行のことだ。
そう、つまり上の表にあるドームを5つ選んで巡れば5大ドームツアーだ。僕でも5大ドームツアーができる。
開幕である。5大ドームツアーが!
先ほどのリストから回りやすい5つのドームを選んだ。
「5大」には「代表的な5つの」という意味があるが、今回は「都内で回りやすい代表的な5つ」という意味が込められている。
(都内で回りやすい)5大(名前に)ドーム(とつく場所)ツアー
である。カッコをとると5大ドームツアーになる。
このお店の何がドームなのか、または僕の思うドームとは違う意味なのか、調べたが分からなかった。
デイリーポータルZライターのりばすとさん(左)と米田梅子さん(右)。ドームツアーなんだからメンバーがいた方がいいだろうと思ったのだ。
すっかり出演する側の気持ちでいたら米田さんはドームツアーのお客さんの仮装をして来てくれた。でもマイクも持ってきてくれている。小道具は演者。
「ドームツアーをしましょう」と言われて演者マインドで来る人と客マインドで来る人がいる。心理テストみたいだ。
とにかく最初のドームに入る。
筆者(トルー):店内も球体とかないですね。
りばすと:でも良いドームだなあ。きれいで過ごしやすい
米田:思ったより入りやすいところでしたね
りばすと:あ、でも値段は優しくないな。ドーム価格だ
トルー:ドーム価格か、そうか、ドーム価格だと思えばね
米田:そうかそうか
合成みたいな写真が撮れた。「よし」と言って次のドームへ向かう。こんな感じで各地のドームを巡る。待っていてくれよな!
道中でドームツアーをやる僕たちの設定(楽器とかグループ名とか)を考えてみたが、特に決め手のないまま会話が流れていった。
『5大ドームツアー』を単語で分解してその概念だけなぞる僕たちもまた、概念みたいな存在なのかもしれない。『移動する点P』みたいな。
タイムドーム明石は別名中央区郷土天文館というところで、郷土資料の展示室と区民ギャラリー、そしてプラネタリウムがある。多分プラネタリウムを指してドームと言っているのだ。
ちょうどイベントが始まる時間だったみたいで、子どもたちが続々とタイムドーム明石に入って行くのを見た。
その活気を見てりばすとさんが「良いドームだ…」とまた感心し、米田さんは館内の七夕飾りの、ぐじゃぐじゃと描かれた短冊を見て「良い…」と呟いていた。
展示も見たかったが時間の関係で諦めた。次のドームへ急ぐ。待ってろよ!
次のドーム、新橋にあるRock Bar 童夢への移動中、電車中の電光掲示板でりばすとさんが見つけた。
膝の力が抜けてその場に倒れそうになった。完全にdomeと入っている。
この素晴らしい発見を放ってはおけないと思い、汐留駅で降りてここを3箇所目のドームとすることにした。
やはり僕たちはただ概念から概念を移動する点Pではない。主体的に意志を持ち、汐留からドームを見出すことだってできる、5大ドームツアーの主催者なのだ。
汐留からドームを見い出し、4人組になった僕たちは次のドームを探しながら歩いた。喫茶店のドトールを見て「ドトーム」と呼んでみたり、「106」という数字を「ドーム」と語呂合わせしたりした。
青山一丁目の駅を降りたところでKnollというインテリアのショールームがあった。
トルー:クノールはかなりドームだなあ(正しい読み方はノルでした。この時は間違えてしゃべっています)
りばすと:クノールはかなりドームですね
トルー:ですよね、音の響きが。「クノール」と「ドーム」って
米田:あ、ちょうちょ
トルー:ちょうちょはドームじゃないかなあ
りばすと:ちょうちょはドームじゃないですね
米田:珍しいちょうちょでした
江ノ島:みんな暑さでおかしくなってるなあ…
バッティングセンターにはその形状からか、ドーム球場を連想させるからか、よく「ドーム」という単語が付く。
4つ目にしてなかなかちゃんとしたドームに来れた。
江ノ島さんを野球そのものとして文句を言うりばすとさん。江ノ島さんは黙って聞いていた。
うっかり楽しく遊んでしまったけどこれは5大ドームツアーで、次がいよいよ最後のドームである。待っててねー!
秋葉原にある小学校、図書館、児童館などが一緒になった複合施設。米田さんが検索で見つけてくれた。
最後のドームなので客席にTシャツを投げたりしたかったが、ここは小学校であり図書館なのだ。童夢館の皆さまを脅かしてはならないと思い、僕だけが図書館に入って、記念に本を借りてきた。
以上が『俺たちの5大ドームツアー』のレポートである。
これであの憧れのセリフ「この前の5大ドームツアーでさー」を言うことができる。状況が許す限り言っていきたい。
打ち上げということででかいパンケーキを食べた。
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