特集 2020年5月14日

リモートで運動会に参加する

チームに分かれて戦います

一ヶ月前、はじめましての方から「オンライン運動会をやるのできて欲しい」と連絡がきた。

たしかにミュージックビデオとか、演劇とか、いろんなことが遠隔で成立するようすを見た。

とはいえ運動会は厳しくないか?と怪しみつつ参加したら、すっかり運動会に行って帰ってきた気持ちになって最高でしたというレポートです。

1990年沖縄生まれ。営業日のお昼休みに(ほぼ)毎日更新する「今日の休憩」というブログを運営しています。

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本当はリアルで集まってやる予定だった

参加するのは山口情報芸術センター[YCAM]が主催する「第5回 未来の山口の運動会」。

新しいスポーツの形や作り方、楽しみ方を実践するイベントだ。

このイベントは2015年からYCAMの劇場スペースを使って開催されており、毎回200名以上の市民が参加している。

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2015年の様子。視点を交換してリレーを行う「パラレル・アイズ・リレー」や
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暗闇で相手の帽子についているセンサーに光を当てた方が勝ちの「ライト騎馬戦」(すごい)

などなど、とにかく新しいスポーツをみんなで考え、運動会を作り上げるイベントだ。

お誘いいただいたエデュケーターの山岡大地さんによると、今年も200名でパーッと開催する予定だった。しかしこの状況である。

自分だったら「じゃあ来年やるか」と思う。しかしそこで諦めないのがYCAMだった。このイベントの企画に協力した運動会協会と実験を繰り返し「オンラインでやってみよう!」となったそうなのである。

いざオンライン運動会開始

そして運動会当日がきた。運動会らしく朝の10時開始だ。指定されたZoomの部屋に入ると

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めっちゃ人いる!すごい!「REDチーム」や「STAFF」など各々の役割が背景でわかる。

スタッフの方からの指示がとんだり、どこからともなく雑談が聞こえる様子はなぜか運動会っぽい。

この運動会っぽさは一体なんだと思っていたら

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DJの方が「運動会の曲」をうっすら流していたのだ。(DJありがとうさん)これがあるだけで超運動会だ!音楽って大事!

まずは開会式である。

開会式

 

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ハチマキを巻いたMCの西垣峻宏さんが登場した。

DJの音楽、MCのハキハキした声。家なのにだいぶうきうきした気持ちになってきた。でもまだ元気なZoom会議ともいえる。

運動会はどうやるんだろうと思っていたら、「ではみなさん運動場にお集まりくださーい!」といわれた。運動場!?

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指定された「Miro」という複数人でいじれるホワイトボードツールにアクセスするとでっかく「今日の会場」と書かれたふせんが。
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やじるしが指す方向の四角にむかってスクロールしていくと……
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なんか広場でてきた!!さらに拡大スクロールすると
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う、運動場だー!!!よくみるとステージや見学席まである。めちゃめちゃ芸が細かい。
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そして自分のチーム「あか」のところへいくとそれぞれの名前が書いてある付箋が貼ってあり
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「これが今日のあなたの身体です!好きに動かしてください」と言われる。笑ってしまった。

オンラインに運動場をつくり、参加者がそれぞれのふせんを「自分の身体(メタ身体)」とすることでイベントに参加できるのだ。自粛が産んだ賢すぎる知恵である。

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それぞれのふせんを動かし、旗をもったリーダーのところに整列した。整列できただけでみんな「ウォー!」「並べたー!」とか大はしゃぎ。

さらにMCがいう「それでは、入場行進でーす!」

行進曲が流れ出した。

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リーダーに従い、ポチポチとふせんを曲にあわせて動かしていく。

みんなで同じ方向に向かって行進するだけでこんなに運動会の気持ちになるのか?というぐらい「運動会に参加している!!」という気持ちになった。

むしろ初めてやるうまくいかなさとか、トラブルも面白く、スムーズにふせんが動くだけで全員爆笑している。

「みんなこの身体はじめてだから操作むずかしいよね!」「いままでで一番たのしい行進かもしれない」と言ったことない感想ばかり飛び出した。

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企画を担当しているYCAMの山岡さん。オンラインなので見た目もなんでもアリだ。「みなさんはいまオンライン上の山口市にいます」と説明を受ける。
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左にZoom、右に会場と別窓でひらけるので、状況もわかりやすい。こちらはYouTubeでもライブ配信されていた。

「競技」はできるのか

他にも選手宣誓、ラジオ体操などを終え、いよいよ競技スタートである。

普段はプログラミングにスポーツをあわせるなど、新しいスポーツを開発してきた未来の山口の運動会。オンラインだとどうなるのか。

本棚にあるタイトルでしりとり

 

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まずはじまったのが「タイトり」。
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制限時間内でチームごとに本棚にある本のタイトルでしりとりをし、合計ページ数が多かったチームが優勝である。

「運動会だけど文系、引きこもりが強い競技を作りたかったんです!!」発案者の熱い思いが説明される。

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「本をもってくるだけ」なのに、時間制限がある上に、ページ数が多いものをさがすなどすっごくハラハラする。

「『よ』!!!誰か!!『よ』の本はやく!!!」と他人を急かしたり、本を奥にしまったせいでモニターと押入れを往復してヘトヘトになる人がいたり、みているだけで面白い。

展開がコロコロ変わる様子は応援したくなり、まさに運動会である。

家グッズだけじゃない「コラージュ」も競技に

家のものをつかったり…はだいぶオンライン運動会でしかできないことだった。しかし競技の中でも異色だったのがこちらです。

あつまれどうぶつのコラ
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こちらです。「あつまれどうぶつのコラ」

どこかで聞いたことのあるような名前だが、要はチームにわかれお題を「体」と「スクリーンショット」を使ってコラージュ再現していくというもの。

例えばきいろチームにだされたお題は「ピカチュウ 」。

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「だれかほっぺくださーい!」と言われ、赤い玉を持ってきた人をリーダーがスクショ
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「耳くださーい」で耳を体で表現する参加者。これらのスクショを制限時間内に集めて…
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ホワイトボードツールに貼り付け「ピカチュウ 」を作っていく。この時点でみんな笑いが止まらなくなっていた。
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そして完成形。黄色の服を胴体にしたり、手が尻尾になったりしてできた人力ピカチュウだ。すごい。
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そして4チーム出そろった。タコも孔雀もマイケルジャクソンも大変なことになっている。
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こちらの競技はツイッターですぐに画像をながし、みている人の投票で優勝が決められた。オンライン運動会ならではの決め方である。

体もしっかり動かしていく

ここまでは制限時間内に頭を使う、PCならではの競技が多かった。しかしこれは運動会である。

次にはじまった競技は…

ハッスルマッスル
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「ハッスルマッスル」だ。もうタイトルの運動感すごい。
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専用アプリを入れ、カメラの前でみんなで筋トレをし、ポイントを競っていく。
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いきなり「本気」でしかない運動スライドがでてきてわらってしまった。

競技中は、Zoomのホストがそれぞれのカメラに切り替え、みんなの筋トレを見守ることができる。

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めちゃめちゃ背筋できてる方がうつったり
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すごく楽しそうに足踏みするお子さんがうつったり
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見た目から覇気を出していくタイプの人がうつったり
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それぞれの家がうつり「ああ遠く離れていてもいまみんなで体動かしてるんだな〜」という気持ちになりさらに運動会感が増す。不思議だ。
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そしてそれらを集計し、総合発表に向かいます。

 閉会式〜結果発表〜

紹介できなかった競技もあるが、全部で5競技行われ、途中ランチDJタイムなどもあった充実の運動会。さいごは運動場に戻り、表彰式だ。

閉会式
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MCの西垣さんから発表。優勝は〜〜〜
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「白チームでーす!!」
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「わーー!!」と優勝チームをみんなで祝う。悔しがる人がいたり、大喜びする人がいたり、大盛り上がりだ。

また、ずっとYouTubeライブで観戦していたみなさんがいたので観客向けに「YouTubeのベストコメント賞」も発表された。

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どうぶつのコラをみて「この森で1日生き延びる自信がない」と書いたAsanoさんが受賞。
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そして運動場とおなじ会場に「コラ会場」もあったので、動物たちに囲まれてしまうコメント。閉会式までずっとみんな笑っていた。

 
行進から競技、閉会までかなり運動会だった。しかもオンラインなので、どの地域からも参加できるし、観客までチャットしながら、家族でも楽しむことができる。新しいイベントが生まれる瞬間をみてしまった。

また、参加したり、見学したりしながら単純に「人間って本当になんでも楽しめるな」と笑ってしまった。もうどんな状況でも、喋ったり集まったり、工夫したら楽しいのだ。

行ったことのない山口情報芸術センターのこともすっかり好きになってしまった。人に話す時「行ったことあるよ!」とか言ってしまいそうである。そのぐらい没入感ある運動会でした。


リモートでも楽しいイベントはつくれる

リアルで会えないのは残念だが「リモート」という条件が生まれるだけで新しいものがぽんぽん生まれる様子がおもしろかった。「コラージュを競技にしよう」なんてリアルではきっと思いつかないはずだ。どちらも楽しく、離れていてもイベントはいいな〜と思う1日でした。

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たまにこういう体操もはさまれ、ケアもばっちりでした。
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