まずは映像をご覧ください
これが竹を破裂させる様子である。なんとなくイメージを掴んでいただけただろうか。
鬼の目はしらかしの朝は早い
まずは行事の名前の意味から説明しよう。
「はしらかし」とは高千穂の方言で「破裂させる」という意味の言葉である。つまり「鬼の目はしらかし」は、「鬼の目を破裂させる」という意味になるのだ。
確かに鬼と対峙するときは豆を投げるより目を狙ったほうが確実である。
行事は神社の境内で早朝に行われる。寝ている鬼を竹の破裂音で驚かせて退散させるためにまだ暗いうちから準備をするのだという。
会場の神社に着くと、すでに30名ほどの人が神事の始まりを待っていた。コロナの影響で久しぶりの開催ということもあり、心待ちにしていた地元の人が多く集まっている。中には遠方から前泊して参加する人もいるようだ。
ちなみにこの日、僕は休みの都合が合わなかったので行事を楽しんでからそのまま仕事に行った。世にも珍しい朝活である。
まずは社殿で神事と火起こしから
開式の時間になると社殿の中で神事がはじまり、火を起こす儀式が行われる。竹を炙るための火はライターやマッチで点火したものではなく、選ばれた人が火おこし器で起こす御神火なのだ。
今回火起こしを担うのは高千穂警察署の署長さん。まさに選ばれた人、という感じがする。署長さんが作った火種に随行の署員さんが息を吹き込むという段取りである。
無事に火種が起きてあとは署員さんが大きくするだけだが、上下関係が窺えるだけに勝手に緊張してしまう。これまでくぐり抜けてきた修羅場に比べれば大したことないのだろうけど。
いよいよ「はしらかす」
御神火がやぐらに点火されて、いよいよ竹を「はしらかす」準備が整ってきた。
火を起こしたり櫓を組んだりと様々な苦労の果てに起こった火なので感動もひとしおである。言い過ぎた。単純に寒くてたまらなかったので暖を取れて嬉しかった。
参加者は事前に用意された竹の中から気に入ったものを選び、火のもとに持っていく。要領のいい人は火が起きる前から品定めをしていた。竹は節と節の間隔が広いものを選ぶと良い音が鳴るらしい。
細かいことは後にして、実際に竹を破裂させるところをお見せしよう。
明確に上手・下手がある
上手な人は白煙の量が多い
竹を上手に破裂させると「ボンッ!」という音と共に煙があがるのだ。迫力があって見ているだけで楽しい。
(次のページでは竹をうまく鳴らす方法が明らかに!)