まずは片手袋の基本的な情報
突然だが皆さんは、線路の脇に落ちている片手袋について考えたことがあるだろうか?
ない?そりゃあそうだ。片手袋のことすら考えないのが普通なのだから。
でも皆さんの足元には、実に面白い世界が広がっている。この記事を読んで、是非とも私の研究に力を貸していただきたい。
細かく見ていくと様々な種類がある片手袋。出会ったら瞬時に判別できるよう、私は分類法と分類図を構築した。
分類図について細かく説明すると4時間ほどかかるので、まずは「第二段階の放置型、介入型の違い」だけでも覚えて欲しい。
誰かが落としたまま放っておかれているのは放置型、落ちている片手袋を誰かが目立つ場所に移動してあげたのが介入型だ。
片手袋に出会ったらまずは放置型か介入型かを判断すると良いだろう。
分類図には載せたが謎が多いタイプも
介入型はわざわざ拾ってあげようという気持ちが起こるくらいだから、毛糸や革など綺麗で安くなさそうなものが多い。だが三角コーン系は介入型には珍しく、軍手やゴム手袋も見かけられる。
それは三角コーンが工事現場(つまり軍手などが多く使用される場所)などの近くで使用されていることが関係しているからだ。
このように沢山の出会いを通じて(1つや2つでは分類図に掲載しない)、発生する場所や種類の傾向など様々な知見が積み重なっている。しかし中には「分類図には加えたが、詳細は未だ不明」というものもある。その代表格が「放置型線路脇系片手袋」だ。
線路脇系片手袋は意外に調査が難しい
なにしろ移動中に出会うことが多いので、これまでは線路脇系片手袋を見つけても考察する間もなく撮影だけで済ませてきた。しかしそんな状況を改善したく、昨年山手線全駅の調査を試みたのだが…。以下のような問題が判明し、早々に断念してしまった。
問題 1「反対側のホームからしか観察できないので、山手線全駅は無理」
問題 2 「山手線のダイヤが過密で、観察できる時間が限られる」
駅で片手袋を調査する方法
そこで今回、事前に色々と対策を練って線路脇系片手袋の再調査に挑んできた。
まず調査対象を山手線全駅ではなく、「山手線乗降客数トップ3(新宿・池袋・東京)」に絞り込む。さらに調査を行う時間帯も、運行本数が若干少なくなるお昼頃に設定。これなら一日で終えられるはずだ。
その他にも色々と準備をして、まずは乗降客数第2位の池袋駅からスタートしたのだが…。結論から言うとスムーズに調査できたので、その手法を皆さんにも共有したい。
片手袋Tips①調査は複数人で
とにかく時間を短縮するため、1人での調査は避けよう。2人いれば内回りと外回り、同時進行で観測できる。私の場合、「頼む!人類の発展のためなんだ!」と妻に同行をお願いした。伴侶とは「行動や考えを共にする人」という意味だそうだ。
片手袋Tips②発見するたびに写真を撮るのではなく、まずは位置を記録
「片手袋発見→撮影→ホームを歩く」を順序立ててやっていると、その間に電車が来て頻繁に中断してしまう。これでは非常に効率が悪い。
そこで今回は、まずホームの端から端まで片手袋を探しながら一気に歩き、見つけたら手元の図に印を付ける。その後、今度は図を見ながら撮影だけしていく。
池袋駅の結果
それでも池袋駅だけで1時間ほどかかってしまったが、その甲斐あって大量の片手袋を発見できた。
落ちていた場所をマッピングしてみると以下のようになる。
これを見ると、ある種の法則性が見いだせないだろうか?そう、殆どの片手袋が階段やエレベーター周辺に落ちているのだ。やはり「階段を駆け上って慌てて乗車する際に落とした」というような状況が多いのかもしれない。
また、この日に限った現象なのかもしれないが、明らかに外回りの方が多いのは何故だろう?外回りと言えば一番驚いたのは、メトロポリタン口近くにいたこいつ。
一見介入型に思えるが、さすがに線路脇で誰かが拾ってあげることはない。落ちた片手袋が風で舞いあがって、偶然ここに引っかかったのか?