沖縄のおでんは肉々しい
もう閉店しちゃったけどおでん有名店のやつ
おでんというのは入れる具材やダシに使う調味料などに、地域の食文化が色濃く反映される食べ物だ。
では、沖縄のおでんはどうだろうか。
まずは上の写真を見てほしい。
昔の写真でぼやけていて恐縮なのだが、こんな感じが標準的な沖縄おでんではないかと思われる。

鰹ベースのさっぱりとしたダシに大根や卵といった定番具材に加えて、豚足の部位テビチやチマグ、食感のしっかりとした島豆腐、なんだか安っぽいウインナー、そしてレタスなどの葉野菜が入っているのが沖縄流。

コンビニおでんにも当然テビチがある。葉野菜はないが、ソーキなどもほぼ定番であり肉々しいラインアップだ。
というわけで、実際にお店で食べた沖縄おでんをいくつか見ていただこう。
おでん居酒屋1軒目

こちらは浦添市の繁華街、屋富祖(やふそ)にある居酒屋「あだん」。

看板メニューのおでんのダシは創業当時から受け継がれているものらしい。

具材のラインナップはこんな感じ。葉野菜もウインナーもある。人気ナンバーワンの具材はテビチらしい。

こちらが「あだん」のおでん盛り。わりと色の濃いダシで、しっかりと具材が色づいている。テビチにしっかり味がついていてうまい。
おでん居酒屋2軒目

続いては豊見城市にある「沖縄おでん処 ななふく」。
おでんセットは1,300円。
コース料理にも当然のようにおでんが含まれている。

こちらが「ななふく」のおでん。
人参が入っていて「煮付け」のような見た目。沖縄の「煮付け」についてはこちらから。

テビチはよく煮込まれていてトロトロ。
テビチを葉物に巻いて食べるのがおいしいんだよなー。
おでんダシで食べる沖縄そばもある

沖縄おでんの有名店といえば那覇市にある老舗「おでん専門 おふくろ」。官公庁や大企業が集まるモノレール県庁前駅からすぐとあって、サラリーマンたちのオアシス的存在だ。
これまで夜のみの営業だったのだが、高齢となった先代店主から2024年に沖縄県内でステーキ店などを展開している企業に事業継承が行われ、これまでの夜営業に加えランチ営業も行うようになった。

ランチ営業では、おでんダシを使った沖縄そばが提供されている。50年以上継ぎ足しで作られているおでんダシで食べる沖縄そばは、きっと県内でもこのお店ぐらいではないだろうか。

座席に置かれている夜の部のおでんの伝票。「おふくろ」夜の部ではおでん食べ放題をやっているので、こちらの伝票に記入して店員さんに注文するシステムとなっている。
もちろん、沖縄おでんに欠かせない「テビチ」「チマグ」「葉野菜」がある。「とうもろこし」「アーサさつまあげ」「もずくさつまあげ」は、なかなか他店では見ない珍しい具材ではないだろうか。そして夜の部にも「沖縄そば」がある。

そうこうしているうちに、甘い香りを漂わせながらアツアツの沖縄そばが運ばれてきた。ちなみに値段はジューシー(沖縄風炊き込みごはん)とセットで700円。破格ではないだろうか。

50年継ぎ足しの風格を漂わせる濃い色合いのおでんダシ。ひとくち飲んでみると豚肉のコク深い甘みがぶわーっ!と口の中に広がる。なんだこれ最高か。
沖縄そばのダシは店によってカツオダシや豚ダシ、鶏ガラ、数種類のあわせダシなどのバリエーションがあるが、このタイプは初めて食べた。旨味の厚さよ。

トッピングには系列ステーキ店の肉を使ったという牛スジがたっぷりのっている。これもぷるっぷるでうまい。

セットのジューシー。沖縄そばがこってりなのに対し、こちらはシイタケのダシがきいたあっさりとした味わいでバランスがよい。
ちなみにランチメニューは沖縄そばの他に、牛すじとおでんダシが入ったカレーもある。次は絶対にカレーも食べたい。
店でおでんを食べるシチュエーションは夜に限定されがちだが、昼から濃厚なおでんダシが味わえるとはなんとありがたいのだろうか。
どれもおいしいが、葉野菜はマスト

というわけで沖縄でおでんは、冬に限らず一年中食べられている料理だ。
居酒屋や専門店では言わずもがな、なんとコンビニでも毎年夏の終わり頃から春先にかけてレジ前におでん鍋が鎮座している。なかにはお客さんからの要望で、年間を通して販売している店舗もあるらしい。
テビチをはじめとした肉々しい具材、ウインナー、そして葉野菜。
「煮付け」との違いは正直あいまいだが、具材や食べ方に沖縄らしさが詰まっているのは確かだ。
和がらしではなくマスタードや沖縄そばの薬味としておなじみのコーレーグース(島唐辛子の泡盛漬け)を添える店もあり、その自由さもまた沖縄おでんらしい。
あと、レタスなどの葉野菜は想像以上においしいので、そのうち沖縄県外にも広まるんじゃないかと密かに思っている。
編集部からのみどころを読む
編集部からのみどころ
テビチやチマグが入るとビジュアルが一転しますね。そして、レタスが入っているのが大きな違いです。
おでんの出汁で食べる沖縄そば、絶対おいしいやつでしょう。
和がらしではなくコーレーグースが出てくる店があるのは、まさしく沖縄っぽいです。(橋田)