次は⋯⋯
まったく違う方向に出かけたのに、また同じ場所に戻ってくる。実に不思議な現象だと思う。
一周することの不思議さは、1904年にポアンカレという数学者が不思議だと言い出し、その不思議さが解決するまで100年かかったといわれている。おそらく、ポアンカレもフランス一周とかして思いつたんじゃないかと思う。
多分そうだと思う。
2日目は嘉陽から後はひたすら南下し、うるま市の宿に投宿。宿というか、民宿だったが、壁が薄すぎて知らない人のイビキがガンガン響き渡っており、たいへんおもしろいところだったが、早々に出立。
今日の天気も、いいんだか悪いんだかよくわからない。とにかく、雨が降らないうちに那覇まで戻りたいところだ。
今日は、うるま市の宮城島、伊計島、浜比嘉島、藪地島やらを回って、奥武島をまわって沖縄最南端の喜屋武岬を回って那覇までいかなければいけない。
そんなわけなので、海中道路と呼ばれる海の中の道を進む。
海中道路も、景色の素晴らしさは申し分ないけれど、いかんせん風がすごい。ビュービューふいており、煽られないよう慎重に進む。
バイクで、強風時に長い橋の上や高速道路を走らなければならないとき、気合を入れるために「うわぁぁぁ!」と大声で叫びながら走るのをよくやるのだが、これはぼくだけだろうか。
どうせ風やらエンジン音にかき消されて聞こえないだろうからと思いつつよくやるのだが、もしまわりに聞こえてたらどうしよう。どうもしないが。
そんなわけで、海中道路では叫びながら走った。
さて、うるま市の島がいっぱいあるところから、沖縄南部の東側を南下し続け、糸満市までやってきた。糸満市ではひめゆりの塔を訪れておこうかと思いつつ走っていると、雲行きが怪しくなってきた。ここでいう雲行きとは、本来の意味の方の雲行きだ。
のんびり観光をしている場合じゃない雲が迫ってきた。やばい。雨雲レーダーを確認すると完全に敵の勢力に囲まれている。
旅の荷物全部をしょって走っているので、これだけ真っ赤な雨に降られると一巻の終わりだ。
服はぬれても乾かせば乾くので意外と平気で、着ている服に至っては雨が上がれば走っているうちに風にあたって乾くので、あまり気にならない。
いちばん面倒くさいのは靴だ。靴は一回グチョグチョになるとなかなか乾かないし、くさくなるのでかなわない。
あと、荷物はいくら防水カバーをかけてもどこからか水が染み込むので、資料として買った本や新聞が濡れてガビガビになってしまうのもまじで避けたい。
雨に濡れていいことなんてひとつもないので、雨雲の赤いところが自分のところに来るまでに何処かに行って雨宿りしたい。のだが、一体どこに雨宿りできるような場所があるというのか⋯⋯。
地図をみると、平和創造の森という公園があることがわかった。公園なら、雨をしのげる東屋があったりしないだろうか⋯⋯。
一縷の希望を託し、公園に向かう。駐車場にバイクを止めると慌てて荷物をまとめ、あたりを見回す。
すでにボトボトと大粒の雫が降りはじめている。南無三、建物に向かって走ると、東屋であった。
なぜか、管理人のおじさんが「早く! こっちに来い!」と手招きをしてくれていた。
「いやー、たすかりました⋯⋯」とお礼をいうと、おじさんは「これはしばらく降るだろうね」と言って事務所に戻っていった。
しかし、こちらには雨雲レーダーという強い味方がある。おそらく、この強い雨は20分ほどで小雨になるというのが分かっていたので、頃合いを見計らって那覇を目指すことにした。
ひめゆりの塔はまた次に沖縄に来た時に行こう。実は前日も本部半島を回っているときに、美ら海水族館に行くか行かないかで迷い、結局行かなかった。諦観の境地でバイクに乗っている。
時刻は午後17時。うるま市から10時間で那覇に到着。
実は、公園で雨宿りした後に途中のスターバックスで1時間半ほど休憩していたので、じつはもっと早く到着はできていたのだが、まあ、無理をしないというのがまず第一なので。
というわけで、今回グルっと回ったGPSの軌跡がこちら。
なんだろうこの達成感は。
とりあえず、本島の市町村、南風原町以外には全て足を踏み入れた⋯⋯ということになる。今度沖縄行ったら南風原町に行くことにしたい。
まったく違う方向に出かけたのに、また同じ場所に戻ってくる。実に不思議な現象だと思う。
一周することの不思議さは、1904年にポアンカレという数学者が不思議だと言い出し、その不思議さが解決するまで100年かかったといわれている。おそらく、ポアンカレもフランス一周とかして思いつたんじゃないかと思う。
多分そうだと思う。
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