特集 2023年7月19日

実際、桶屋はいつもうかるのか?

桶はどうやって作られているのか

ここまで、販売や仕入れの面から桶屋のもうけについて教えてもらった。

では、そのもうけの源である桶はどうやってつくられているのだろうか。ここでいったん工場を見学させていただくことにした。


まず初めは丸太から板を切り出す製材の工程。先ほどストックされていた丸太が運びこまれ、巨大な機械で皮をはいでいく。

でかい機械って無条件に興奮しますよね
このボコボコの部分で、丸太の皮を削っていく。オルゴールにもこういう部分あるなと思ったけど役割がぜんぜん違う。
こちらが作業が終わった丸太。焼きたてのチクワみたい。
そしてその丸太を大きなノコギリで切っていく

見てて気持ちいいので動画でもどうぞ 

毎日8~10本ほど、こうやって丸太から材木にしていくのだそうだ。そしてこの後は専用の乾燥室で水分を調整し、桶をつくる工程に入っていく。 

これぞ工房という空間がたまらない
さすがは桶屋の工房。作業の道具も桶にしまってある。

桶づくりの第一歩は、同じサイズの木片をたくさん作り接着剤でくっつけるところから始まる。

接着剤でつけてるの!?

この時、それぞれの木片はただの長方形ではない。入り口がひろくて底がせまい桶の形にあわせて台形になっていることが必要だ。 

上辺と下辺の長さが違いそうで実は同じという錯覚があるが、これはほんとに長さが違う。

さらに、他のパーツとくっつけた時に円になるように、側面にもすこし角度をつけなければいけない。

桶の形やサイズはこの木片のサイズによって決まるので、寸分違わず切り出す技術が求められる。

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こうしてできた原型はまだ多角形という状態。ここから角を削ってなめらかにしていく。

社会にもまれて丸くなってこいよ
1つずつ機械にセットして、
まずは桶の内側をけずる。飛びちる木くずの量がすごい。

こちらもぜひ動画でどうぞ

けずって滑らかになった桶の表面は、思わずこんな顔になってしまうほどの気持ちよさ。
つづいて桶の外側も機械でけずる。

実はこの表面をけずる作業、昔は職人さんが全て手作業でやっていたところを、志水木材が40年前にはじめて機械化したのだそうだ。

これによって、従来の桶屋さんが作る数が1日1つか2つだったところを、その10倍作れるようになり価格も大幅に下げられた。

桶の産業革命だし、きっともうかったんだと思う。

みがいた桶に金属の輪っかをはめて、
底板を入れさらに職人さんがみがいたら完成。
出荷前の倉庫には、身長180センチの筆者より高く積まれた桶がたくさん並んでいた。ぜんぶ手作業だったらこうはいかない。
ちなみにこちらは木のお風呂。4つも並んでいるなんてスーパー銭湯でも見たことない。
絶対に水もれしないように、板の端に凸凹をほってガッチリ組み合わせる。1ミリのズレも許されない作業だ。

⏩ 現代の「〇〇すれば桶屋がもうかる」とは?

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