桶はどうやって作られているのか
ここまで、販売や仕入れの面から桶屋のもうけについて教えてもらった。
では、そのもうけの源である桶はどうやってつくられているのだろうか。ここでいったん工場を見学させていただくことにした。
まず初めは丸太から板を切り出す製材の工程。先ほどストックされていた丸太が運びこまれ、巨大な機械で皮をはいでいく。
見てて気持ちいいので動画でもどうぞ
毎日8~10本ほど、こうやって丸太から材木にしていくのだそうだ。そしてこの後は専用の乾燥室で水分を調整し、桶をつくる工程に入っていく。
桶づくりの第一歩は、同じサイズの木片をたくさん作り接着剤でくっつけるところから始まる。
この時、それぞれの木片はただの長方形ではない。入り口がひろくて底がせまい桶の形にあわせて台形になっていることが必要だ。
さらに、他のパーツとくっつけた時に円になるように、側面にもすこし角度をつけなければいけない。
桶の形やサイズはこの木片のサイズによって決まるので、寸分違わず切り出す技術が求められる。
こうしてできた原型はまだ多角形という状態。ここから角を削ってなめらかにしていく。
こちらもぜひ動画でどうぞ
実はこの表面をけずる作業、昔は職人さんが全て手作業でやっていたところを、志水木材が40年前にはじめて機械化したのだそうだ。
これによって、従来の桶屋さんが作る数が1日1つか2つだったところを、その10倍作れるようになり価格も大幅に下げられた。
桶の産業革命だし、きっともうかったんだと思う。