ちょっと聞いてよ 2022年12月7日

何にもなれなかった「みすてないで」というお菓子について

せんべいになれず、せんべいの副産物にもなれなかった健気なお菓子「みすてないで」。

ただでさえ緩衝材やティッシュのような食感の「天使のはね」シリーズだが、その中身はどんなものだろうか。

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの花屋。花を売った金で酒を買っている。

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「天使のはね」というお菓子をご存じだろうか。

以前パリッコさんも推していた、沖縄の新名物である。

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「チップス」と呼ぶにはあまりにも軽く、もろい。

発売元は丸吉塩せんべいという、おせんべい屋さん。「天使のはね」はせんべいを作る工程で生まれたものだそうで、沖縄で人気のお土産となっている。

パリッコさんが推している記事でも言及されているが、食感がかなり独特だ。たとえるなら塩味のポップコーンの、一番やわらかいところの寄せ集め。悪くいうと緩衝材を食べているような気分になる。でも、ほどよく塩味が効いていておいしい。

(パッケージには「ビールのおつまみにヨシ!」とあるが、酒を飲みながらこれを食べたら見失うと思う。)

そんな丸吉塩せんべいには、知る人ぞ知る名品がある。それがこちら。

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天使のはねシリーズ「みすてないで」

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・せんべいになれなかったよ!
・はねになれなかった!

\でも おいしい!/

すごい名前だ。
紹介文から察するに、せんべいの副産物である天使のはね、その規格にすら合わなかった部分をまとめて「みすてないで」という名前で販売しているようだ。

自らが「何者にもなれなかった」と公表しながら、「でもおいしい!」と言えるけなげさに、つい買い求めたくなってしまう。わたしは君のことを見捨てないよ。

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ひとつ取り出してみるとこんな感じ。なるほど、これはたしかにせんべいでも、はねでもない何か。

天使のはねが「ふわとろ…」という食感だとしたら、みすてないでは「サクふわ…」という感じ。やわらかめのおせんべいに近いが、それゆえに味はいい。

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並べてみた。左が「天使のはね」、右が「みすてないで」。

見た目のふわふわ感や色からも、両者が別物であることはわかる。が、「みすてないで」の中にもたまに「お前ははねになってもいいんじゃないか!?」といえる個体があり、宝探しのような気分だ。

「みすてないで」を食べれば食べるほど、「おいしいよ!元気出して!けっこうはねになれてるよ!いい感じ!!」と応援したい気持ちが高まる。お菓子を食べた感想が「応援」になるという体験は独特なので、ぜひ食べ比べてみてほしい。沖縄の物産展や、沖縄食材ショップなどで手に入る。

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ちなみに、天使のはねシリーズにいつのまにか梅味が登場していた。
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甘みが強く、あとからしょっぱさがくるタイプの梅。こちらもクセになる味わいなので、見かけた際はぜひ。

 

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