特集 2018年12月21日

美味しかった味をプロに伝えて再現してもらう

旅先で出会う美味しい食べ物というものがある。自分の住む地域では食べられないものや、日本ではあまり見かけない食べ物など。ぜひ戻ってからも食べたいけれど、食べられないものが存在する。

そこで食べた味をプロに伝えて、再現してもらえないだろうか。「こんな味で、あんな食感で」と伝えることで、プロが作ってくれるのだ。プロだからきっと作れるのではないだろうか。

1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

前の記事:危険だと言われるメキシコ、実はごきげんな国でした(一部をのぞく)

> 個人サイト Web独り者 彼女がいる風の地主恵亮

メキシコのスイーツ

遠出するとその地域で食べられているものを食べる。それはB級グルメと呼ばれるものかもしれないし、海外だとその国の名前がつく料理かもしれない。ドイツ料理や、メキシコ料理のように。それが旅の醍醐味だ。

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メキシコに行きました

メキシコに出かけた。そこでいろいろなものを食べたのだけれど、「フラン」というスイーツに出会った。プリンみたいな見た目なのだけれど、日本のプリンとはどこか違い、めちゃくちゃ美味しくて、餌を求める池の鯉のようにパクパク食べた。

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これがフランです!
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めちゃくちゃ美味しいのです!!!

プリンのように見えるけど、プルプルはしていない。滑らかでありながら、プリンと比べれば硬く、ちょっとエキゾチックな感じもする。それがフランだ。本当に美味しくて、フランを見つけては食べた。通いすぎて店に入った瞬間店員さんに「今日はフランないよ」と言われたほどだ。

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スーパーでも買っては、
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食べ、
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レストランでも買っては、
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食べた!

日本でも売っているかもしれないが、あまり見かけない。でも、食べたい。ポイントはプリンに似ているという点。作るにしてもそんなには手間がかからないはずなのだ。そこでスイーツ作りのプロ「パティシエ」に再現してもらうことにした。

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パティシエにお願いしました!

感想だけで再現できるの?

作るのが簡単であれば、家で作ることができる。プリンに似ているから簡単な気もする。そこでパティシエなのだ。彼の勤める会社の都合で顔を写すことができないのだけれど、私のよく知っている、腕は確かなパティシエだ。

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説明します!

フランを食べての感想を伝える。「滑らかだけど硬い」「全然プルンプンしていない」「どこかエキゾチック」ということを伝えた。あと上記の写真も見せた。パティシエはなるほどね、簡単だね、と言っている。すごいな。

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こういう材料が導き出せるらしい

「硬い」ということは「卵が多い」ということで、「滑らか」という点から「生クリーム」を導き出せる。「エキゾチック」ということは「乳酸発酵している少し酸味があるということでクリームチーズではないか」ということらしい。

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揃えました!

またフランの写真を見ると「す(ボコボコしている穴みたいなの)」が入っている。このことからしっかり蒸し混んでいる、と。すごい、お前は探偵か! と思うような推理をして、すぐにレシピにしてしまった。やっぱりプロはすごい。

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作り始めました!

普通のプリンであれば、砂糖、牛乳、卵で作れる。そこがフランとの違いだ。またプリンなら30分でいい蒸し時間を50分にするらしい。私の「滑らか」という感想から卵黄だけで作るブリュレと思ったけれど、「硬い」という感想から全卵を選んだ。卵黄だけでは硬くならないそうだ。

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作り方はこんな感じ!

瞬殺らしい

私の食レポとしては最低レベルの感想で、それだけを読み取るパティシエはすごい。エキゾチックからクリームチーズを導くあたりに驚く。問題はそれが正解か、ということだ。パティシエによれば、すぐに作れるらしい。

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グラニュー糖を焦がして、
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型に入れる
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牛乳を温めて、
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グラニュー糖を溶かす
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クリームチーズを温めた牛乳で溶かして、
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卵を入れて、
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生クリーム入れて、
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かき混ぜて、
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漉しながら型にいれる
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160度のオーブンに、
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お湯を入れた型にさらにフランの入った型を入れて、
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50分!

オーブンに入れるまではあっという間だった。15分もかかってない気がする。それもすごいけど、私の感想で迷いなく作ってしまうところもすごい。オーブンで焼いた後は粗熱をとって、冷蔵庫で5時間ほど冷やせば完成だ。

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完成しました!!!

すっごい美味しい!

完成したフランは輝いていた。よく見ると「す」もキチンと入っている。プリンや茶碗蒸しに「す」が入っているのは本来あまりよくないイメージだけれど、このフランに限ればむしろいいのだ。だって全部の店のフランに入っていたもの。スプーンを入れた時の滑らかさ、メキシコのフランと一緒だ。

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スプーンを入れると、
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滑らか!!!

騒いだ。血潮が騒いだ。メキシコのフランが目の前にあるのだ。見た目だけで言えば、メキシコのフランより美しい。これは期待できるのではないだろうか。再現できているのではないだろうか。

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美味しい!!!

すっごい美味しい。甘さの中に滑らかさと硬さとエキゾチックが共存している。メキシコでフランを食べてからしばらく経っていたので、、自信を持ってこれだ! とは言えないけれど、これが間違いなく美味しいので、これなのだと思う。本気で美味しかった。

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レシピです!

プロはすごいな!

写真と感想があれば再現できるプロはやはりすごい。唯一違いがあるとすれば、メキシコで食べたフランより美味しい、ということだ。プロのすごさだろう。推理の部分は鳥肌がたった。よくあの感想でいろいろと推測できるな、と。しかも正解なのだ。もう「なんか美味い」だけで作れるのではないだろうか。
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型から出す前に少し温めるのがポイント!
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