郷土食は楽しい!
フグの卵巣に毒があるのは昔の人も知っていて、どうすれば食べられるのか考えた結果が、ふぐの子糠漬け。冷静に考えるとすごい。ふぐの子糠漬けが完成する過程で毒で苦しんだ人もいるかもしれない。そのような歴史のおかげでいま食べることができる。郷土食は楽しい。その地域の人々の歴史だから。
参考文献
「食品加工総覧 素材編 第12巻」農文協 2002
「たべもの起源事典」岡田哲 東京堂出版 2003
「ふぐの子糠漬け」「ふぐの寿し」「サバの糠漬け」「イワシの糠漬け」を買って東京に戻った。糠漬けばかりだ。これをご飯の上に置いて、海鮮丼を作る。海鮮か否かの問題は先に解決しています。
全てが糠を拭き取ることで、そのまま食べることができる。ふぐの寿しはトースターで少し焼いても美味しいと教えてもらった。ただ今回は生で食べる。だって海鮮丼だから。
切り分けてご飯の上に乗せていく。部屋中に糠漬けの匂いが充満している。強い匂いではあるがやがて慣れる。日本人だからなのか、別に嫌ではない。ただ野菜の糠漬けと比べると匂いは強いように思う。漬ける過程で魚醤などが使われているからだろうか。
ふぐの子糠漬けの存在感がすごい。今回のメインなので、一番上に乗せた。色味が全部基本的には同じなので、統一感はある。もちろんわかっている、これを食べるとどうなるかは。
ふぐの子糠漬けを美川駅で食べた時点でわかっていた、塩辛いことは。それはふぐの子糠漬けだけではなく、すべての魚でそうなのだ。塩辛いのだ。とても塩辛い。それでいて深みがあり美味しいのだけれど、この量はダメだ。
ちょっとの糠漬けでご飯が富士山くらいいけてしまう。それが魚の糠漬けなのだ。ふぐの子糠漬けはもちろん、サバも臭みはなく、クセもなく、美味しかった。フグの寿しは食感がブヨンブヨンで味だけではない楽しみもあった。イワシは風味に癖が強く感じた。
フグの卵巣に毒があるのは昔の人も知っていて、どうすれば食べられるのか考えた結果が、ふぐの子糠漬け。冷静に考えるとすごい。ふぐの子糠漬けが完成する過程で毒で苦しんだ人もいるかもしれない。そのような歴史のおかげでいま食べることができる。郷土食は楽しい。その地域の人々の歴史だから。
参考文献
「食品加工総覧 素材編 第12巻」農文協 2002
「たべもの起源事典」岡田哲 東京堂出版 2003
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