マタタビ酒を飲む
マタタビの実は熟しているものであれば人間がそのまま食べられるらしい。
若い実は梅酒のように漬けこんで薬用酒にして飲むことができる。ちょうどそのマタタビ酒がたまたま祖父のもとにあったのでわけてもらってきた。さいごにパーっと飲みましょう。
色は濃いめの茶色でウイスキーのよう。香りはちょうど梅酒のように感じるが、梅酒特有のものではなくホワイトリカーのもともとの匂いに引っ張られているかもしれない。
漬け込まれた実は箸でつついてみると見た目の通りゴツゴツ固くて、言葉を選ばずに表現すると異物混入感がすごい。
度数が強い!レシピを見ると35度のホワイトリカーでつくるのが一般的らしく、それがそのまま残っているようだ。口に含みすぎてまったく味わうどころの騒ぎではない。
気を取り直してもう一回味わおう。
お、度数がキツイのわかっていれば美味しいかも。舌のうえで転がすと、奥深い山中で名も知らない赤い果実をかじったかのような印象を受ける。
後味はサンザシともナッツともとれる香りで薬効があることを感じさせる。ツマミがなくても単体で成立するような香りの強さ。度数も相まってこれにあう食事はおそらく存在しないと思う。
はっきりとした捉えどころはないが、飲めば飲むほど価値がわかる酒だ。「うまい」とはっきり言い切ろう。効果のほどは定かではないが、少なくとも飲んだあとは爆睡できた。
漬け込まれた実のほうもたべてみよう。梅酒の実は好きなほうなので楽しみだ。
うそをついた。こんなゴツゴツしたものあんまり食べたくない。
実は無味なうえに口のなかでジャリジャリボロボロくずれてヤな感じ。どんでん返し起こってくれと噛み続けるも、染み込んだ酒の味しかしない。それでも咀嚼を続けると皮のような部分が残ってほのかに果実本来の味が……うん…サンザシのお菓子っぽい。
おいしくない。
またたびの実は学生のときにハマっていたサンザシ菓子の味に似ていた。
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雑草という草はないというけれど、よりにもよってマタタビが当たり前の顔をして近所に自生しているとは思わなかった。もう少ししたら実ができるらしいので、今度は熟したものをそのまま食べてみたい。引き続き注視に注視を重ねていく所存である。
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