特集 2022年9月28日

「オリフィス」ってどれだ?名前がわからないものだけのかるたをする

よく見かけるが、名前をきかれると答えられない…というものがけっこうある。こういう「名前がよくわからない」ものだけを集めたかるたを作ってみた。

どうでもいいことを真剣に分析してみる記事をたくさん書いているエンタメライター。音楽や映画が特に好き!

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普段「あれ」や「これ」で呼んでいるものだけを集めたかるた

突然だが、これの名前をご存知だろうか。

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お酒やさんによくあるやつ。
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正解は杉玉。別名、酒林ともいうらしい。

こんな感じで、そのあたりでよく見るが実は名前がわからないものは多い。

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こういう「名前がよくわからない」ものだけを集めたかるたを作ってみた。
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画像集めに苦労するかと思ったが、けっこういらすとやにあってびっくりした。

普段「あれ」とか「これ」とか呼んでいるものだけを集めたかるたができた。

いざ、このかるたをやってみよう!

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それぞれの専門知識が急に活かされる事態が発生

まずは友人を集めてみる。

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近所に住む友人たち。これから何をやるのかは全然知らない。

説明するのが面倒だったので、詳しいことは説明せずにとりあえず「かるたをやろう!」といって集まってもらった。

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急に並べられるかるたたち。

並べた時点ですでに「これに本当に名前があるのか」「聞いてもわかる気がしない」などなど参加者から不安の声があがる。

取れるかどうかわからないまま、見切り発車のかるた大会がスタートした。

まずはこちらのかるたから。

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1枚目は「ぼんてん」。

読み札を堂々と読み上げたものの、誰もかるたを取ろうとしない。

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完全に「どれの話をしているんだ?」という空気。
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よくわからないので、みんな適当に目の前のかるたを取り始めた。
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これが「ぼんてん」?
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こっちが「ぼんてん」?
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これが本当の「ぼんてん」。

「ぼんてん」は、耳かきについているフワフワのこと。狐につままれた空気のまま大会はどんどん進行する。

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続いては「バラスト」。

と、ここで

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すごい勢いでバラストを取る人が!
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しかも正解!

バラストは線路の下にひかれている砂利のこと。

あまりにも迷いがなかったので、なんでわかったのか聞いたら「普段、会社の仕事で電車を買ったりしているから」らしい。世の中いろんな仕事があるものだ。

次はこちら。

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本当に聞き覚えがない単語「オリフィス」。
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なのにすばやく伸びる手!

オリフィスは「砂時計の細くなっているところ」

本当に聞いたことがない言葉だが、ものすごい自信満々にオリフィスのカードを取られてしまった。

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こちらの参加者は、オリフィスという「液体を流す細いパーツ」を仕事で使ったことがあるらしい。

そんなかるたのつもりはなかったのだが、いろんな人の仕事の知識が炸裂する大会になった。専門知識というのは意外なところで役に立つものだ。

「?!」の名前はダブルダレで「々」の名前はノマ

続いてはこちら。

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語感がいい。
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ダブルダレを探す一同。
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正解はこちらだが...
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満場一致で「これがダブルダレでは?」ということに。

カードの中に、ケチャップとマスタードを同時にかけられる容器(パキッテという)があったのだが、これがあまりにも「ダブルダレ」すぎて全員をひっかけるという自体に。

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確かに、並べてみても完全に右が「ダブルダレ」。

また、物議をかもしたのがこちら。

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オムニバスとは「抱き合わせ」という意味で、この略語がおなじみの「バス」の由来になっている

これは本当に本当の話なのだが、なんだかいまいち納得のいかない参加者たちから「正式名称ではなく語源ではないか」と抗議をうけた。

逆に全員がスッキリしたのがこれだ。

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「同じ」「繰り返し」という意味の記号、『々』。

これの名前が「ノマ」なのだが、言われてみれば完全に「ノマ」と書いてある。

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スマホやPCで「ノマ」と打つと変換で出てくる。

毎回「おなじ」と書いて変換していたのだが、これからは「ノマ」で変換していこうと思う。

かるたはする者だけでなく作る者の教養も試す

残りのかるたが少なくなると、だんだん「かるたあるある」が出てくる。

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なぜかつい同じかるたを取ってしまう。ちなみにこのフランスパンの切れ込みの名前は「クープ」。
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わからないものがあると、ついついクープを取ってしまう。

それから、かるたが少なくなってもなお誰も取ろうとしなかったのがこちら。

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「こんなくぼみに本当に名前があるのか?」という顔をされて、誰も取ってくれなかった。ディンプルにみんなちょっと失礼だ。

それから無意味に私が恥をかいてしまったのがこちら。

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聞いたことがなかったので「これは難しいよ〜!」と前置きしてから読み上げたら、私以外の参加者全員が知っていた

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「料理する人はみんな『ごとく』のこと知ってるよ」と一刀両断された。

「聞いたことない」と反論したら「それは料理をしていないからでは?」とバッサリ言われた。

かるたで人の教養を試すとき、私もまた人に教養を試されているのである。

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みんな同じくらいの枚数を取って大会は終了。お疲れ様でした!

参加者には「思ってたより楽しめた」「でも二度とこのかるたでは遊べなくなってしまった」と言われた。1回限りとはいえ楽しんでもらえて何よりだ。


終わってしばらくしてから、「これはなんという名前でしょう?」と参加者に聞いてみた。

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完全な当てずっぽうだが、けっこうそれっぽい答えがきた。

 

あんなに盛り上がったのに全然覚えられていなかった。名前はやっぱり、使わないとどんどん忘れてしまうのである。

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