とにかく長浜を歩く
先日の取材の時も含め、私は数回だけだが、長浜に来たことがある。20年近く前、滋賀の仏像を見て歩いていた時も長浜に泊まった。その時、一緒にいた友人と「Yes長浜」というビジネスホテルに宿泊して、以来、会話の中で「今日、暇?」「イエス!長浜!」みたいに言うのが流行った。
そのビジネスホテルはまだあって、思い出したついでにこれからまた「イエス!長浜!」を私の中だけで流行らせていきたいと思う。
と、少しだけ長浜を歩いたことはあるので、中心地がどのあたりにあるかはわかる。まずは、アーケードの商店街がある方面を目指すことにした。先日の取材で来た時は、近くにあるお寺「大通寺」の「夏中さん」というお祭りの日で、商店街に屋台がたくさん出ていて賑わっていた。
しかし、今回は打って変わって静かである。火曜日だったのだが、火曜定休のお店が多く、それもあってのことかもしれない。
長浜には、秀吉の時代から続く「長浜曳山祭」というお祭りがあって、毎年4月は多くの人で賑わうという。私はそのお祭りを見たことがないが、地元の人がそのお祭りに向けて一年を過ごすような、とても大事なものだという。
高さが10メートルを超えるものもあるという複数の巨大な「山車」が街の中を曳かれて移動し、その山車に設けられた舞台の上で5歳から12歳ごろまでの年齢の子どもが歌舞伎(正式には「狂言」や「芸」と呼ぶそう)を披露する、というのが祭りのクライマックス。私の友人の一人は、一度見に行ってその熱気に感銘を受け、「毎年行くことにしました」と語っていた。来年は見に行きたい。
その「長浜曳山祭」の歴史や実際の雰囲気を知ることができるのが「曳山博物館」という施設で、そこは火曜日でも開いていたので行くことにした。
館内は原則撮影禁止だが、展示されている2基の山車だけは撮影が許可されていた。といっても、写真では大きさがなかなか伝わらないかもしれない。これが動くということが信じされないような大きさと重厚感だった。
長浜に全部で13基あるという山車はそれぞれに意匠が凝らされていて、山車自体が貴重な文化財のような存在になっているらしかった。
場内のスクリーンで、長浜曳山祭をテーマにしたミニムービーが上映されていて、そこには実際に舞台で歌舞伎を演じる子どもたちが映っていたのだが、(当たり前だが)みんな真剣で、迫力があった。ちょうど映画の『国宝』を見てきたばかりだったのだが、あそこで描かれている世界とはまた別に、こういう場所で大事にされている歌舞伎もあるのだと思って、ますます実物を見たくなった。
長浜曳山祭について詳しく書かれた冊子を買って外に出て商店街を歩くも、気になるお店はどこも休み。さっき見てきた長浜曳山祭は「長濱八幡宮」の祭礼とのことだったのでそこまで歩いてみることにする。徒歩10分ほどの距離だったろうか。
お賽銭を投げてお詣りをして、歴史を感じる本殿を眺めてまた歩く。
まだまだ長浜を歩く
先日、大阪のローカル番組で長浜の珍しい信号機の謎について取り上げていたのを歩いていて思い出した。調べてみると、そう遠くない場所にその信号機があることがわかったので、そこまで行ってみる。
長いアームから宙吊りにされたような、なるほど見れば不思議な信号だ。私は番組を見たので答えを知っていたのだが、この信号は、長浜曳山祭の大きな山車が通る際に邪魔にならないように、アーム部分が可動式になっていて、お祭りの時は道を開けられるようになっているそうである。この地のお祭り愛の深さを感じられるスポットなのだ。
と、こうして散策の過程を振り返りながらつい忘れがちなのだが、この日、歩いていてめちゃくちゃ暑かった。歩く覚悟はしてきたから日焼け止めは塗り、つばの広い帽子も持ってきていたが、日傘を忘れた。なんとか日陰を探して歩くも、汗が止まらない。
せっかくだから琵琶湖も眺めておきたいと思い、一旦駅まで戻って反対側、「西口(琵琶湖口)」と表示のある出口へ向かってみる。5分ほど歩くと「豊公園」という琵琶湖に面した公園があって、敷地内に復元された長浜城が建っている。
長浜城の建物は「長浜城歴史博物館」も兼ねていて、そこも見ていきたいところだったが、とにかく日差しがきつ過ぎる。お城の脇を通り抜け、琵琶湖のほとりに出た。途中のコンビニで買っておいた発泡酒を手に持ち、湖と一緒に撮ってみたものの、ずっと立っていられない暑さである。
結局、綺麗な湖の眺めを堪能することもできず、木陰を歩きながら、また街の方へと戻った。ちなみに私がいた豊公園の近くには長浜港という港があって、そこから遊覧船が出ていることを後で知った。知った時はもう遅くて、長浜港を出る最終便が行ってしまった後だったが、今度来る時は乗ってみたいなと思った。
長浜駅からデッキで直結している「えきまちテラス長浜」という建物があって、空調がしっかりきいていてありがたかった。実際、涼を求めて来ているらしい方がちらほらいて、建物内のソファでのんびりしていた。
建物内に「オサカナラボ」という水族館コーナーがあり、規模こそ「ミニ水族館」という感じだが、たくさん水槽があって、琵琶湖に生息する魚などを見ることができる。
無料で魚が見られるし、涼めるし、ありがたい建物であった。同じく建物内にある「長浜くらしノートストア」という特産品ストアが火曜定休だったのだが残念だったが……。

