知っている会社だらけの昭和の広告
まい:最後は昭和、戦後から80年代ぐらいまでです
戦前〜戦時中は新聞のページ数が激減していてほとんど広告がなかったので、戦後の広告から探します。
石川:求人がありすぎて逆に読みづらいですね
林:ちゃんと月収も書いてあるな
べつやく:募集に締切が書いてあるの初めてだね
「1ページに求人広告はひとつだけ」の時代から「求人広告だけのページがある」時代へも。月収や応募締切なども細かく書いてくれるように。
石川:あ、ヨックモックだ
んちゅ:ソニーありますよ
昭和に入り、急に知っている会社が激増する。が、知っている会社と知っている仕事だらけで逆に選びにくく、いろんなところから「うーん」と悩む声が聞こえてくる。
石川:じゃあトップバッターの僕は...... いやーラジオ組み立て員、かなぁ...
明治・大正よりも明らかに乗り気じゃない石川さん。
石川:電子工作好きだからラジオ組み立てはいいんだけど... 住み込みなんですよ
まい:そこ大事なんだ
石川:ラジオ技術員の方にしようかなぁ。そっちは住み込みじゃないし.....
明治では「非出張」、大正では「副業OK」、昭和では「住み込み」を気にしながら職探しをしている石川さん。労働条件へのこだわりが強い。
んちゅ:じゃあ次、私は国語辞典の編集をやります
まい:普通に楽しそうなやつだ!
んちゅ:一回やってみたいんですよね
んちゅたぐいさんは令和のいまもバリバリ働いている人がいそうな仕事をチョイス。
月餅:次、私はベビー用品のマーケティングやります。
こちらは女性にしぼって募集という当時だと珍しい求人。社名が「フーセンウサギ」でとてもかわいい。
まい:私は終戦直後の進駐軍でタイプライターを直します
「タイプライター修理工」というあまりにも特化した仕事。
林:これ進駐軍のものを横流しとかできるんじゃないですか
べつやく:たぶん儲かるよ
まい:この時代ならトップクラスの仕事ですよこれたぶん
べつやくさんは「高級婦人服のデザイナー」。
べつやく:「コンピュータ操作多少できる方」募集なんだけど、多少操作できるんだよね
林:多少はね
最後の林さんは「ファイザー」をチョイス。
林:50年前にファイザー入ってたらいま安泰だからさ
石川:でも求人からブラック臭がしますよ
自分から「つらい」と言っているので相当である。
石川:50年耐えられますかね?
林:でも会社はつぶれないから。しっかりはしてるから。
というわけで全員の昭和の天職が決定! 明治や大正より現実的な仕事のラインナップになった。
皆に天職を決めてもらったあと、みんなが選んだ仕事は実はどんなものか、特に気になったものを調べてみた。
明治
選んだもの |
調べた結果 |
月40円の帝国ホテル役員(石川さん) |
月収80万ぐらいの帝国ホテル役員。給料的に本当に役員クラスの募集の可能性が高そう。 |
写字生(林さん) |
役所や大学などで書類を書き写す仕事。字がうまくないといけないらしい。 |
大正
選んだもの |
調べた結果 |
月報50円の副業記者(石川さん) |
月収20万程度の副業記者。新卒〜若手の記者のイメージらしい。 |
パッパ作り(んちゅたぐいさん) |
歩くと「ぱっぱ」と広がる女性向けスカートの職人。確かにお菓子でもパイプでもなかった! |
昔の求人を見ると「こんな仕事があったんだ!」という発見があって楽しい。
思わぬ天職が見つかることもあるかもしれないので、ぜひひまなときに求人広告をあさってみて欲しい。
編集部からのみどころを読む
編集部からのみどころ
撮影の段取りをしていて、まいしろさんから「まず読めないんですよ」って言われてどういうこと?と思ってたら本気で読めなくてわ笑いました。明治の新聞がこんなに難読だったとは。 天職って言ってるのにまいしろさんが一貫して「楽しそうだから」だけで仕事を決めているところも隠れた見どころかもしれません。スキルとか一顧だにせず。(石川)