無印良品の「餅」
無印良品には商品として餅がある。
変わった餅ではない。ふつうの角型の切り餅だ。
ネットショップで偶然見つけたのだ。実店舗に行ってよく買い物するのに、店頭では完全に見落としていた。ネットで在庫を調べて在庫ありと表示された店頭に行き、食品コーナーを3周したがしかし見つけられない。
店員さんに聞くと「はい! お餅ですね!」と慣れた様子でフリーズドライの味噌汁など和食系を展開するコーナーへ案内してくれた。あれ、そこさっき見たんだけどな……?
あ、……あった。
存在を知らずに見落として、存在を知ってなお見落としてしまった。なんだか、あるわけない気がしてしまったのだ。
私が行った店舗には2パッケージが前に出るように面陳されていたほどで、店員さんの案内もまったくよどみなかった。どうも売れているらしい。
私は無印良品のことをちょっととくべつのお店だと思っているところがある。ふつうのスーパーやコンビニでは買えないものを探しに行く場所だ。
だから、切り餅みたいにスーパーで売ってるものはスーパーで買えばいいんじゃないかと思ってしまうのだ。
「もしかしたら無印良品をふつうのスーパーやコンビニとして利用している人たちがいて、そういう人が無印で餅を買っていくのか……!? 」と餅を手にひらめいたが、そういうことなんだろうか。
私が「そこは無印じゃなくてもいいだろう」と思うようなものも、無印で買う、欲しいという層がいる……。以外だが、気持ちはわかる。
無印良品の「ご飯」
無印良品には、ご飯もある。レンジであたためるタイプのパックの白飯である。
餅同様、「そこは無印じゃなくてもいいだろう」と私が思ってしまうタイプの品だ。サトウのご飯がスーパーで売ってるじゃないのと。
白飯の隣にはジャスミン米のパックも並んでいた。そうそう、こういうのを無印で買うのは完全に理解できる。ちょっと珍しい感じのレトルトカレーと合わせて買って食べる。これは私が考える無印良品の使い方そのものだ。
無印良品といえばもはやカレー専門店と言い換えてしまっていいくらいカレーが充実している。
私も大喜びで日ごろから買っている。タイやインド、ネパールといった、エスニックの本格的で珍しい味が手ごろな値段で手軽に入手できることを魅力と感じていたわけだ。
いっぽう、もう一度白米を見よう。
ふつうのものをシンプルに、無駄を削いですてきにすることで無印良品は気をはき続けている。
無印の消しゴム、ティッシュペーパー、シーツ、おたま、全部ふつうのもの、それを無印良品が作るとこんなふうにすっきりするんですよ、そこにワンダーがある。
ただ、どうだろう。ご飯は……ご飯なのでは……と思うじゃないか。
私はいま無印良品にきてパックの白飯を選び取っている……バグが生じた視界を見回す。すると視線の先に、ふつうのカレーと、ふつうの福神漬けがあるのに気づいた。
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