これは大変だ、映画紹介イラスト

SNSを眺めていて、ふと「”映画をイラストで紹介する時のフォーマット”ってあるな」と思った。
登場人物の紹介と、あらすじ、見どころなどがぎっしりと書かれたあの感じ。イラストが目を引いてつい読んでしまうし、映画も観たくなる魅力的なフォーマットだと思う。
これを会得できれば例え相手にとって興味の薄い話題でもついうっかり読んでもらえないだろうか。苦戦しながらもなんとなくコツをつかんだので、最終的には筆者の実家を紹介します。
さて、”映画をイラストで紹介する時のフォーマット”でニュアンスが伝わるだろうか。
どれだけ認識されているかわからないが、まわりの何人かに聞いたら「あぁアレね」という具合だったので、ある程度認知されているものとして進めていきたい。
登場人物が複数いる、ストーリーがあるものだと描きやすそうだ。まずは練習がてら、徳川家康、織田信長、豊臣秀吉の3人をテーマに挑戦してみることにした。
この3人のことを三英傑と呼ぶことすら初めて知った、先が思いやられる。あまり知識のない分野に挑むと後悔するぞと過去の自分に強く言いたい。具体的には土曜日が完全につぶれる。
このイラスト1枚で背景まで伝わるよう、キャラクターに表情をつけていく。我慢強く、冷酷無比に、ずる賢そうに…軽く言ったが、意外と大変だ
●コツ:知識のある分野で描こう
●コツ:登場人物は表情豊かに
いろいろな映画紹介イラストを見比べながらそれらしくなるポイントを探していく。
ふきだしにはあの有名な「鳴かぬなら〜」を入れよう。ホトトギスも描いた。とにかく情報は多い方がいい。個性豊かな登場人物を書き加える。忠誠を誓った者あり、のちに裏切る者あり、この戦国時代というストーリーに起伏を与える名脇役たちだ。
●コツ:ふきだしで劇中のセリフを喋らせろ
●コツ:”個性豊かな登場人物”を出せ
ところでこの絵はProcreateというお絵かきアプリで描いているのだけど、ある朝目覚めたらバージョンアップしていつも使っていたペンが跡形もなく消えていた。今までと同じ絵が描けない…血の気が引き、静かに悲鳴をあげた。
ピンと来ない方は"いつも使ってた電車がある日いきなり路線ごと消えてなくなった"と捉えていただければと思う。大袈裟だとお思いだろうか、筆者もさすがに言い過ぎたと思う。
ここからはとにかく文字とイラストで隙間を埋めていく。こんな小学生でも知っているような知識でも事実に反していたら嫌なので泣きながら史実を調べた。これで正しい情報でなかったらごめんなさいだ。
●コツ:とにかく文字で隙間を埋めろ
●コツ:バランスよく配置しろ
また、地味〜に配置が変わっていたりすることにお気づきだろうか。このフォーマット、とにかくバランスよく整えるのがむずかしい。切り貼りしながら位置をずらしていく。これはアナログでは厳しい作業だ。
…とまぁ、このような紆余曲折を踏まえて完成したものがこちらだ。
わー、これwebだと文字潰れるかな、よかったら高解像度版はこちら。
色を乗せたらガチャガチャしてしまったが、テンションとしてはこんな具合だろう。このあたりもバランス感覚なのだろうな。ちょっと舐めていた、結局これを完成させるのに丸一日費やしてしまったぞ。
でもこのフォーマット、うまく使いこなせればこういった歴史の教材などにもありだと思う。理科なら、食べ物の消化の流れとかもこのテンションで解説できそうだ。
ちょっと教養方面に流れていきそうになった。さぁここからギアを上げて当初の目的どおりみんなが興味の薄いテーマに挑んでいこうと思う。
読み手に興味の薄いことってなんだろう、筆者の晩ごはんで悩む様子とかだろうか。
というわけでおそらく皆様に興味のないもの、晩ごはんに悩む様子を描いてみよう。
生きていく上で選択肢って無限にある。今住んでいる場所、職業、ライフステージ。そのなかの一つが夕飯選びだ。そしてそれはときに難しい選択を迫られることもある。
筆者は松屋が好きだ。しかしもっとも好きだったメニュー、豚めしが失くなってしまってからは注文に迷うことも増えた。
定番の牛めしはつい先週食べたし、オリジナルカレーか…?しかし新しい定食も捨てがたい。
どうだろう、この話、興味がとんと湧かないと思う。
そんな揺れる心情を映画紹介イラスト風に落とし込んだ。果たしてこんな他愛もない話でも多少なり興味が湧くだろうか…?
できた。どうか、どうなのか。だらだらと「おれ晩ごはん決めらんないんだよねー」と話すよりは幾分か受け取りやすいと思う。簡単にポイントを補足します。
まずタイトルまわりを大きめに描くこと。文字がごちゃついていてもメリハリがついて読みやすくなる。
そして文字はすべて手書きにすること。無機質な文字だとあの雰囲気が出ないのである。ここが密かな足枷となった。書いたり消したりがテキストよりだいぶ手間なのだ。
最初に描いていた自分はもっとリアルに寄せたタッチだったのだけど、おぞましくなったので思い切って美化して描いた。映画の登場人物ってみんな顔が整っているのだ。
あと、先ほどの三英傑でもそうだったけれど、人物の相関図を描くとグッと”らしさ”が出てくる。
最後に、紹介文はテンションを高く保つこと。もともと好きな映画の魅力を伝えるためのフォーマットだ。ガンガンに攻めていった方がいい。
どうだろう、2枚描いたらなんとなーく輪郭が把握できた気がする。
最後にもう1枚だけ描こう。上では料理を並べてみたが、やはり人間が多い方が映える。人間がたくさん出て、ストーリーがあって、筆者は詳しいけれど、まわりにはあまり興味のない話…?なんだ…?筆者の実家の話か…?
そんなわけで最後に選んだのは筆者の実家についてだ。今まで邦画のテイストで描いていたけれど、洋画っぽくまとめてみたい。
さっそくだが、頑張って描いたので完成したものをいきなり見てほしい。
※またもや文字が小さいので筆者の実家が気になる方はこちらの高解像度版をご覧ください。
全体のイラストは今年の正月に意味もなく写真スタジオで撮った家族写真があったので参考とした。まさかこんなところで役に立つとは。
今回はインターネットという場を借りて、大義名分で余すとこなく家族を皆様に紹介してしまった。どうだろう、我が家について多少詳しくなっただろうか。筆者は満足しました、映画って良いものですね。
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