ついに夢が叶った
もう2年くらいずっとやりたいと思っていたネタなので感無量であった。
手動であっても体験としてはほぼ完璧なのがすごい。
次は本物の装置を動かす側にもなりたい。誰か私物で持っていないだろうか。
健康診断の中でも胃のバリウム検査は苦手な人が多いだろう。
げっぷは我慢しろと言われるし、バリウムを一気に飲むのはしんどいし、体から排出するときもストレスだ。
だがちょっと待ってほしい。
バリウム検査がとても好きな男がここにいるのだ。僕である。
バリウム検査の一番楽しいところだけやる装置を作ったので見てほしい。
僕の会社では、30歳以上は健康診断でバリウム検査を受けることになっていた。
まだ20代のころ、先輩からバリウム検査のつらさについて散々聞かされたものだった。
バリウム検査はざっくりとこのような流れで行われる。
なんだかつらいポイントが多すぎないか。苦手な人が多いのも頷ける。
実際にどういう検査なのか、いざ自分が初めて受けるときに判明することになる。
そのときの僕のツイートがこれだ。
健康診断で初バリウムしてきた。すげーーーおもしれーーー!なんだこのアトラクションは。ずっとニヤニヤしてしまった。
— 爲房新太朗 (@stamefusa) October 13, 2016
どうした、めちゃくちゃ楽しんでないか。
バリウム検査をやったことのある人はわかるが、こういう装置になっていた。
この台が技師によりガンガン操作され、やれその場で左を向けだの、やれ右回りに3回まわれだの、やれ頭を下にして傾けるだのたくさんの指示が飛んできてただただそれに従うのだ。
これがめちゃくちゃ楽しかった。
まず人の重さを支えて自由自在に動く装置がすごい、めちゃくちゃにすごい。
ひとりディズニーランドみたいな気分になる。
指示に従うしかないのも楽しい。大の大人がこんなに言いなりになることがあるのか。
台の上でぐるぐる回る自分を客観視してしまい、すごく愉快になってしまった。
発泡剤など他の手順でのストレスを吹き飛ばす楽しさがそこにはあった。
健康診断のたびにバリウム検査が楽しみになってしまったのだ。
今年のバリウム検査もぐるぐる回って良かった
— 爲房新太朗 (@stamefusa) August 7, 2020
バリウムの体動かされるマシーンだけずっと体験したいな…。操作する側もやりたい。
— 爲房新太朗 (@stamefusa) October 17, 2018
体を動かされるあの装置だけほしい、とずっと思っていた。
もちろん医療機器なので手に入れることは出来ないだろう。
ならば作ろう。
角材は電車に乗せられる長さだが、持ち込むもんじゃないなと5回くらい道中で思った。気をつけましょう。
こんな形の台ではなかったか。実際にはこれに撮影用のカメラや腹を押してくるアームなどがついてくるが。
これで土台は出来た。あとはこれに乗り、本当の検査と同様に動かしてもらうだけだ。
だが人の重さを支える動力源を作るのは大変である。どうするのか。
文字通りマンパワーで解決だ。撮影しますと集められてバリウム検査台になるとは思わなかっただろう。すいません。
これで装置はばっちりだ。
いよいよ体験していこう。
技師役の編集部橋田さんが「げっぷは我慢してくださいね」と言う。
これだけでもバリウム検査感が高まってきたぞ。
水平になったら、若干揺れを感じるもののかなりバリウム検査っぽい感じになってきた。
橋田技師から「右回りに3回まわってください」という指示が飛んできた。
これはバリウム検査じゃないか!!
完全に同じ感覚になった。
大興奮の様子を動画でも。
装置側から「目の前で知っている人が回るのが面白い」という声が上がった。
いまは装置なので静かにしていてください。
今年一番の最高の体験だった。
実際にバリウムを飲まない分、本当に楽しいところだけ出来た。
これがバーチャルバリウム検査だ。本当に必要なのはFacebookをVR化することではなくバリウム検査台を作ることだとザッカーバーグに教えたい。
こんなにハードな検査なんですか!?と高瀬さんから感想が出たが、経験者組からは割りと実際の検査に近い、いい練習になりますよという冷静な返答があった。
高瀬さんはもうバリウム検査はしてくれないかもしれない。
もう2年くらいずっとやりたいと思っていたネタなので感無量であった。
手動であっても体験としてはほぼ完璧なのがすごい。
次は本物の装置を動かす側にもなりたい。誰か私物で持っていないだろうか。
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