ヤギをしぼってみよう
縛られつつも堂々としているヤギたちのお乳を、おしりの方からしぼらせてもらう。
むかし牧場で乳しぼりを体験したときの牛に比べるとずいぶんコンパクトなサイズだが、ギュッとしぼるとミルクが出るのは同じ。
しばらく苦戦しながらも、コツを教えてもらうとしぼれるようになってきた。
ヤギと目があう。ちょっと気まずい!
手元に集中して夢中でしぼっていると、なにやら視線を感じるような気がする。ふと顔をあげると、向かい側のヤギが至近距離でこちらを見ているのだった。
ヤギとばっちり目があう。口ではなにも言わないが、見つめられるとドキドキする。こういうとき、とっさに謝りたくなってしまうのは日本人の性なんでしょうか。なんかごめんなさいって言いたくなる。
草食動物の視界は広いので、たぶん正面以外のヤギたちとも目があっているんだと思う。いや、こちら側(人間)の視界はそんなに広くないので、厳密には目が合っているとはいわないんでしょうか。
でも向こうから見られているのはたしかである。どのヤギからも「まだ終わらんのか」「早く終わらせなさいよ」と言われている気さえしてきた。態度から感じるプレッシャーだ。
モンゴルでは動物とのいろんなコミュニケーションを体験するが、ヤギは無言の圧まで使えるのか。なかなかやるな。
ヤギ、さっそうと退勤
結局、乳しぼりルーキーである自分と友人たちはそんなに役立っていない気もするが、家族総出のがんばりで一通りミルクをしぼることができた。
大量に搾乳できる牛と比べると少しずつしか取れないヤギミルクであるが、それなりに集まったね〜と言い合っている雰囲気だったので安心。
最後に、本日の仕事を終えたヤギたちを解放して乳しぼりは終了だ。
ロープをほどくと、ヤギたちは振り返ることなく走り去っていく。わたしもタイムカードを切ったら一目散に帰るタイプなので、気持ちがわかる。
ヤギのミルクは甘くておいしい
ヤギをしぼり終わった日の晩には、しぼりたてのミルクを振る舞っていただいた。
味は、大筋では牛乳とそんなに変わらないものの、コクと甘みが強くておいしい。
そしてほんの少しだけ、草原に生えている草の香りも感じられる。乾いた草原に生えている草が、ヤギを経由するとミルクとして飲めるようになるということ。不思議だ。
滞在中には、ヤギのミルクで作ったウルム(乳脂肪のクリーム)もいただいた。これも牛乳でつくったものより味が濃くてうまい。
朝のパンにのせて砂糖をかけて食べると最高に贅沢な気分だった。ヤギありがとう!
編集部より…
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モンゴルのゲルで暮らした2週間
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