家庭料理・ボーズもつくろう
豪快に羊が解体される隣では、家庭料理「ボーズ」づくりがはじまっている。
ボーズは、羊のミンチを小麦粉の皮で包んで蒸した料理だ。蒸し餃子とか、小籠包的なものを想像するとわかりやすいかもしれない。
モンゴルでは、お正月には来客に備えて1000個以上つくることもあるそうだ。大量に作ったあとは天幕住居・ゲルの屋根の上に置いて、マイナス30度の冷気で冷凍するらしい。
「年明けにはこればっかり食べるから、飽きることもある」というコメントもあった。おせちみたいなものでもあるのか。
包み方は自由で、ちょっと風流
ボーズをつくるのは、羊の解体とちがってわれわれも参加できる。やっぱりみんなで作業すると、急にパーティー感が出てきますね。
餃子や小籠包には決まった形があるように思えるが、ボーズは家庭によって形がちがうらしい。それに1000個も作るときは、途中でいろんな包み方を試してみたくなるのかも。
つい餃子パーティーと比べてしまうけど、餃子も実は自由に包んでいいのかな。王将で月の餃子が出てきたら、かっこよくて興奮すると思う。
蒸したらいよいよモンゴルだ
包んだボーズを蒸し器にかけると飛び出した蒸気が充満して、いよいよモンゴルの空気になってきた。そうそう、モンゴルはこの匂いだった。
羊肉も茹でられて、調理室のモンゴル度はがんがんに上昇している。さっき肉を解体していたときが40だとして、今は95くらいか。
こころなしか、これまで日本語で話していた人たちにも、モンゴル語での会話も増えてきたような気がする。なにを言っているのかわからないけど、リラックスした雰囲気だ。