復元された城壁や城門
駐車場からは徒歩でさらに坂道を登ること10分ほど。大きな建造物が見えてきた。
どうやら僕が前回来て以降、城壁のや城門の復元が行われ観光地として整備されつつあるようだ。100名城の一つにも選ばれたらしい。
遮る物がない山頂に寒風が吹きすさぶ中、何組ものカップルとファミリーがゆきかい楽しげな子供達の歓声も聞こえてくる。ちょっとした自然公園といった雰囲気だ。
鬼ヶ島に相当するはずの鬼ノ城
話を本題に戻すと、岡山に伝わる温羅伝説ではここに第10代崇神(すじん)天皇の時代(古墳時代?)に、温羅という鬼が住みついた。
つまり岡山県民が主張するとおり桃太郎が岡山の温羅伝説をルーツとするならば、ここが鬼ヶ島に相当する。
しかしご覧の通り鬼ノ城は山の上にある城だ。これは変じゃないか。
鬼ノ城に住んだ鬼について
おとぎ話の桃太郎に退治された鬼に名前があったかどうか定かではないが、鬼ノ城に住んだ鬼にはちゃんと温羅という名前がある。
温羅は伝承によると身長は4.2メートルもあって力が強く、両目は獣のように鋭く、毛髪は燃えるように赤かったそうだ。朝鮮半島から空を飛んで来た百済(くだら)の王子であったと言われる。
岡山県内では桃太郎同様に親しまれる存在だ。
県の発行するパンフレットなどに登場する「うらっち」も温羅がモチーフだ。桃太郎モチーフのももっちに比べて人気、登場頻度共に大きく劣る。
そして散歩をしていて見つけた温羅っぽいキャラクター。
温羅伝説によると、温羅は悪事を働いて人々を苦しめたので、人々は大和朝廷に助けを求めたそうだ。
そして吉備津彦命(きびつひこのみこと)という将軍が派遣されてくる。
のちに岡山県民が桃太郎のルーツになったと主張する人物だ。
温羅伝説の概要
吉備津彦命は、犬飼健命(いぬかいたけるのみこと)、楽々森彦命(ささもりひこのみこと)、留玉臣命(とめたまのおみのみこと)の3人の家来と共に温羅の討伐にやってくる。
しかしその後の鬼との戦いは桃太郎とはかけ離れたものだった。
続いて鬼ノ城から車で30分ほどの倉敷市の住宅地にある公園にやってきた。
イギリスのストーンヘンジのように円状に石が立っている。
この遺跡は弥生時代のちょっと珍しいタイプの古墳だが、吉備津彦命が温羅との戦いに備えて矢を防ぐための楯(たて)として築いたという伝説が残っている。
そのため名前も楯築(たてつき)遺跡とよばれる。