EPSONのネオン灯の思い出
大学4年の頃、僕は西新宿の飲み屋さんでアルバイトをしていた。飲み屋さんと言っても、席に女性が着いて1人最低でも3万円くらいかかる、いわゆる「クラブ」と呼ばれるお店だ。若い人たちが踊りに行くクラブではなく、頭にアクセントがある方のクラブ。そこのボーイさんを2年間ほどやっていた。大学4年から2年間、計算が合わないのは1年間留年しているからだ。
留年したことは置いといて、とにかく、西新宿は思い出深い場所である。バイト終わりはいつも終電で家に帰っていた。そして、駅に急ぐ道すがら、あのEPSONのネオン灯を見上げていたものだった。
と、思っていたのだが、前出のプレスリリースによるとあのネオン灯が出来たのは1996年の6月。その頃、僕はとっくに大学を卒業して社会人3年目を迎えていた。バイトの帰りに見ていたはずがない。撤去されると聞いて、勝手に自分の思い出に組込んでしまったのだ。
まあ、それくらいあのネオン灯には存在感がある、ということだと思う。ずっと昔からあったような気がしてならないのだ。
こうして改めて見ても、その大きさに圧倒される。横幅77.9メートル、高さ11.8メートルというスペースに「EPSON」の文字。これで目立たない訳がない。
このネオン灯が6月5日の20時をもって消えてしまうのである。
看板が完全に撤去されるのは7月19日らしいが、5日の20時以降、このネオン灯に光が灯ることはないのだ。新宿の夜の明るさが変わってしまいそうである。