以上、このままだと単に水の悪口を書いただけの記事になってしまいますが、そんなことはありません。
この日、言うまでもなくこちらのお店で、普通に酒を飲んで解散。
少々飲みすぎて翌朝、ぐびぐびと飲み干したコップ一杯の水道水のうまかったこと!
「酔い醒めの水は甘露の味」なんて言葉がありますが、本当にその通り。
というわけで結論としては、酒には酒に、水には水に、適した飲みかたがあり、逆にすると違和感がすごい。
そして、
先日デイリーポータルZ上で公開された、僕とスズキナオさんのインタビュー記事の中に、こんなようなやりとりがありました。
スズキナオ:いや、でもでも、パリッコさんの記事はパリッコさんが驚いて旨がっているところがすでに面白いんですよね。だからもうそれでぜんぜん良くって。全員すでにやっていることでも、面白いんじゃないでしょうか。パリッコさんが書くなら「改めて、水旨い」とかでも私は読みたいです。
パリッコ:……! 古賀さん、水の記事に挑戦してみてもいいでしょうか!?
古賀:えっ、水がうまい! って記事ですか!?
僕が自分の書いた記事に対し、「普通のことを書いているだけの気がしていつも不安になる」という発言をしたところ、ナオさんがフォローしてくれた、という流れの単なる冗談。
普通ならばそこでひと笑いしたあとは一生思い出さないような、何気ないやりとりだったんですが……古賀さん、マジで挑戦してみてもいいでしょうか!?
※この記事は4月1日はテキストなしで公開されていました(テキストなしバージョンはこちら)。
思えばこれまでの人生において、一番飲んでいるかもしれない飲み物である「水」に対し、あまりにも雑に接してきて しまったような気がします。
例えば居酒屋で「これはどこそこの蔵で作られた、こういうふうに貴重なお酒なんですよ」なんて説明とともに出てくる吟醸酒。
全神経を研ぎ澄ませ、ゆっくりゆっくり口に含み、口の中全体を使って味わうあの感じ。
そんな風に水を味わったことが、これだけ生きてきて一度もない!
というわけで、そのくらい丁寧に水を味わうシチュエーションを用意しましょう。
やって来たのは、都内某所にある角打ち(店内でお酒がのめる酒屋さん)。
もちろんお店なのでお酒はちゃんと注文し、それとは別にグラスをもらい、そこにていねいにていねいに水を注ぎます。
無論、ミネラルウォーターとかじゃなく、単なる水道水を。
それから、水の味を最大限引き立たせてくれそうなおつまみも選んで添えてみましょう。
はい「酒にしか見えない水セット」完成〜!
で、今日はここに、この記事の発端を作ったスズキナオさんとやってきました。
まずはナオさんにこのセットをテイスティングしてもらいましょう。
「水プレゼン」というわけですね。
それではいよいよ、人生初の超真剣水道水テイスティングスタート。
ナオさんによれば水道の水、こちらの意気込みに応えてくれるほどの「味」を内包しておらず、肩透かし感がすごいとのこと。
それと、お酒と合わせれば両者が引き立てあうことが容易に想像できる、おつまみとの相性もちぐはぐで、むしろシイタケのクセが際立ってしまってどちらに対しても悪いことをした気持ちになると。
さて、こんどは僕がテイスティングしてみる番。
ではでは……と、同じように慎重に、水を味わっていきます。
やはりナオさんとまったく同じ感想。
これはあれだ、なんらかの理由で止まっているエスカレーターを階段のように使わないといけない場面で、脳は動くものと錯覚しているから、なんかゾワゾワしてうまく登れないあの感じ!
つまり、ものすごい違和感!
以上、このままだと単に水の悪口を書いただけの記事になってしまいますが、そんなことはありません。
この日、言うまでもなくこちらのお店で、普通に酒を飲んで解散。
少々飲みすぎて翌朝、ぐびぐびと飲み干したコップ一杯の水道水のうまかったこと!
「酔い醒めの水は甘露の味」なんて言葉がありますが、本当にその通り。
というわけで結論としては、酒には酒に、水には水に、適した飲みかたがあり、逆にすると違和感がすごい。
そして、
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