特集 2023年5月9日

宮下公園のホテルがペラペラに見える理由

側面が見えにくい理由

じゃあなぜ、このホテルは側面が見えにくいのだろうか。ホテルを斜めから見たらわかった。

このホテルはいびつな形をしているのだ。

側面がキュっとくびれている。このせいで、正面から見たときに側面が見えにくいのだ。
航空写真で確認すると一目瞭然。あきらかなくびれがある。 (国土地理院空中写真CKT20191-C42-81を加工。)

このくびれが根本的な原因だ。このくびれのせいで、正面が張り出した形になり、側面が見えにくい。すると、「ななめから見ているのに側面が見えない」という違和感が生まれ、ペラペラ感に至る。

模型を使っていろんな角度から見てみよう

せっかくなのでこの違和感をもっと味わいたい。模型を作ってみた。

CADソフトでホテルをトレースする。
3Dプリンタを使い、1時間半かけて丁寧にホテルをプリントする。

完成まで待っていると、妻に「ペーパークラフトで作ればすぐできるのに」と言われてしまい、ぐうの音も出なかった。 

できた。うちに緑色の3Dプリンタ用フィラメントしか無かったために、どぎつい色のホテルになってしまった。

sequence MIYASHITA PARKの1/1000スケールモデルだ。本家の高さが75mなのに対し、この模型は7.5cmである。

正面から見ると、海苔のようなペラペラさである。
ななめから見る。依然として海苔だ。
015.jpg
さらに右へカメラを移動させ、一線を越えた瞬間。わずかではあるが側面が見え、これは立体だったのだと気づかされる。

回転台に乗せて撮影してみた。クリックすると一線を越える直前から再生します。

側面にくびれがあるせいで、例の面だけペラペラの時間があきらかに長い。 

問題のシーン。
ホテルより高い位置にカメラを置き、見下ろしてみる。あたりまだが、上面が見えるとふつうに立体感がある。渋谷スクランブルスクエアの屋上からだとこんな感じに見えるのだろうか。
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ペラペラに見えるもうひとつの原因

さて、もうひとつの心当たりがある。それは、外壁の模様のせいだ。さきほどの模型が示す通り、模様が無くともある程度のペラペラ感はあるのだが、私は外壁の模様がよりいっそうのペラペラ感を醸し出していると感じる。

018.jpg
わかりやすいよう、コントラストを上げてみた。

この模様、どこかに見覚えが無いだろうか?

 

……板チョコである。

どちらも格子状であるだけでなく、四角形の枠の中が凹んでいて、その中に少し小さい四角形がある。

つまり、このホテルは板チョコが想起されるのでペラペラに見えるのではないか?という説である。

合成してみた。右のチョコで目を慣らしておいてから左のホテルを見ると、パキっといきそうになる。

⏩ わざとペラペラにしているのかホテルに聞く

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