鬼滅というジャンル
ライブスタジオとリサイクルショップをやっているお店があって、そこにもマスクが並べられていた。店主とおぼしき女性に「わたしは裁縫が得意だからこうやってマスクを作ってんのよ」と言われた。
この店であるマスクを薦められた。
「ほら、これいいでしょ、鬼滅だよ」
2020年10月に上映されたアニメ映画「鬼滅の刃」はコロナ禍の中、記録的な大ヒットとなり、主人公の炭治郎が身にまとっている緑と黒の市松模様が街にあふれた。
神社の参道に屋台を出してベビーカステラを売っていたパンチパーマのおっさんも緑と黒の羽織をはおっていた。その市松ムーブメントはマスクやマスク周りのグッズにも当然伝播していたのだ。
ワインショップでマスクショッピン
広島のワインショップで売っていたマスクは港町呉や福山の鍛造技術などを象徴する錨(いかり)柄だった。
個人作家の逸品をゲット
道の駅やコミュニティカフェなどではその地で活動する個人作家たちの個性が炸裂した手芸作品を堪能できる。
サイバーな再会
千葉で見つけたのはなんとサイバーシティーガール柄マスクであった。
元祖サイバーパンク小説「ニュー・ロマンサー」の舞台となった千葉シティでこのマスクを作って売るというセンスが最高にクールなのだが、私はこのマスクにもうちょい込み入った思い入れがある。
2015年の記事(バーゲンの生地にハマる)に書いたとおり、私は手芸店や生地店でバーゲンセールされているハギレ生地を集めている。
このサイバーシティーガールのハギレ生地を以前どこかの店のワゴンセールで手に入れていたのだ。
私が買ったハギレとこのマスクは元はつながってロールになっていたのかもしれない。生き別れになった家族との再会を見るような慈愛で胸がいっぱいになった。
新型コロナウィルスはたしかに人を分断したのかもしれない。しかし、私はコロナがもたらした新しい出会いに、たしかに立ち会ったのだ。