新宿駅西口の歩道橋の下に入れない空間がある
次の情報も林さんからだ。
「ちょうどきょう新宿で見つけました。西口の歩道橋の下です。」
とのこと。さっそく行ってみた。
全体像はこんなだ。近づいてみる。
なるほど、フェンスで囲われている。工事中?
区間の先端に回り込むと、ガードパイプなどで中に入れないようになっていた。なにか工事をするつもりなのだろうか。
現場に何かヒントがないかと調べていると、偶然にも知り合いが通りがかった。
『街角図鑑』という本に寄稿してもらったりもした三鷹タカハシさんだ。ここはよく通るという。
「もしかしたらですけど、地下道を伸ばそうとしてるのかもしれませんね」とタカハシさん。
たしかに、実は、この場所の直前(上の写真でいう奥のほう)まで地下道が伸びているのだ。あとちょっと伸びれば新宿駅まで届くのに、ぎりぎり届いていない。
上の地図で、真ん中のオレンジ色のピンが問題の場所だ。その左側と下側までオレンジ色の地下道が伸びているが、ここだけつながっていない。もうちょっとなのに!
東京都の資料を見つけた。この図で、赤い矢印が問題の場所だ。左側の赤い区間が開通済みの地下道だが、その下に黄色と黒の点で描かれた区間があるのに注目してほしい。これは工事が予定されている区間だ。つまり新宿駅まで地下道をつなげる予定があるのだ。
だから、三鷹タカハシさんのいうとおり、新たな地下道の工事のための準備をしているのかもしれない。
白金高輪の三角地帯
「白金高輪の国道1号脇にあったんですが、これどうでしょう?」と情報を寄せてくれたのは、ライターの西村まさゆきさんだ。
車道の真ん中に三角地帯がある。現地に行ってみた。
なるほど。車道の真ん中にどこからも辿り着けない場所がある。たしかに珍しい。
真上から見るとこんなふう。グレーチング(金属の蓋)が敷き詰められている。地下鉄の駅があるので、その換気口だろうか。
地下鉄の駅の構内には、一面が格子状になった壁があった。ここからさっきの地上の換気口につながっているのだろうか。
地上の三角地帯は、二つの大通りが鋭角に合流するところに残された、あまり使い道のない残余地だ。であればそこを空気の出入口にしてしまおう、と考えたのかもしれない。
銀座の新数寄屋橋の下
つづいてはライターの石井公二さんより。「新数寄屋橋の下はどうでしょう?」とのこと。さっそく有楽町に行ってみた。
奥に見えるのが新数寄屋橋だ。この下に行けないような場所あったかな?
あーなるほど。こんなところあったかもしれない。謎のちょっとした空間。しかし車道の向こうなので辿り着けない。
小空間の全景はこんなだ。長さ30メートルほど。奥も手前も車道なので、辿り着けない。
これはたぶん、新数寄屋橋の橋脚が下りてくる場所にちょっとしたスペースが必要だったということだろうか。車道にいきなり橋脚が立っていたら、夜間に車やバイクが間違ってぶつかってしまうかもしれない。だから車道自体を狭くする必要があって、すると帯状に土地が余る。殺風景なので岩でも置こう、という感じだろうか。