私も何か「バイナルメーション」めいたものを!と意気込んで制作するも、できましたものは「バンザーイ、なしよ」みたいに腕を横倒しにする自分だった。廃墟に打ち捨てられたオブジェみたいにも見える。人生、何が落とし穴かわからない。
最近のニュースで、「バイナルメーション」という言葉を知った。ミッキーマウスの形をしたフィギュアに、ミッキーとは全く別の絵を当てはめて描いてある。それがバイナルメーションだそうだ。
これはちょっと面白そうだ。フォルムはミッキーなのに、しっかり違うキャラになっている、でも薄っすらミッキーだ。
自分にも何か作れないだろうか?でもフィギュアのような難しい造形は自分には無理。では簡単なものなら…と考え、できたのがこれだ。トクホになった私。最後にはトホホだ。
※2010年7月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
トクホ。特定保健用食品のことである。その食品に私がなる、のではなくて、その食品のパッケージ上で今日もはじけている彼(彼女)に、なるのである。
ご紹介しておこう、トクホさんだ。
ほら、すごくシンプルな、だが力強い線だ。これなら自分にもだいたい形が作れそうだし、だいいちこの元気をわけてもらえそうである。がんばろう。
金属線で芯を作って、今回は手軽に石塑粘土で肉付けしていく。
そしてもう一方からのアプローチ…フィギュアに乗せる「絵」であるが、それは私自身だ。トクホポーズをとって写真に収め、シール用紙にプリントしてフィギュアに貼り付けちゃうことにした。
シンプルな線だし、真似するの簡単じゃん。と思ってうろ覚えで何枚も撮ってみたが、どうも違う。鳥か。それに元気よいポーズしながら無表情ではないはずだ、トクホさんは。そしてきっと、満面の笑みを浮かべているだろう、トクホさんは。
こりゃバカにできん、と、ちゃんと見本を見ながら撮ることにした。
自分撮りの日々の裏で、白フィギュア作りもちゃくちゃくと進行。「フィギュア」と自分で書いて居心地が悪くなるようなモノが、ようやく完成した。
ソレっぽい形になったところで、シール用紙に写真をプリントしよう。でもその前に。
同じようなポーズを取っても、やはり手足の比率や角度など、トクホさんと私は違うのである。全体の印象をそれほどは変えないように注意しながら、画像加工ソフトで自分の体を切り貼りして、トクホさんに合わせよう。
このシール、実は転写シールになっていて、台紙を水で濡らすと薄い印刷面がピタッと対象物に付くようになっている。要はタトゥーシールのようなものだ。そのシールを、のっぺりしているとはいえ立体的なトクホさんに貼るのは大変難しかった。
そしてこれが、「トクホになった乙幡」だ。
私も何か「バイナルメーション」めいたものを!と意気込んで制作するも、できましたものは「バンザーイ、なしよ」みたいに腕を横倒しにする自分だった。廃墟に打ち捨てられたオブジェみたいにも見える。人生、何が落とし穴かわからない。
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